自民党安倍派を巡る裏金疑惑を受けた人事で、最大の焦点は松野博一前官房長官の後任だった。
十二月十四日に前外相の林芳正氏に落ち着いたが、岸田文雄首相側の打診を断った候補のうち、具体名が報じられたのは、九月まで防衛大臣を務めた浜田靖一氏(68)である。
無派閥議員を望んだ首相が白羽の矢を立て、首相最側近の木原誠二自民党幹事長代理が十二日に打診。しかし、浜田氏は「荷が重い」と辞退する。
「激務の官房長官を嫌がったのだろう。ただ、首相のご都合主義への不満もあった」(政治部記者)
派閥重視の政権運営を続けてきた首相はこれまで無派閥議員の存在を軽視してきた。浜田氏も周囲に「こんな時だけ頼るのか」と苛立ちを隠さなかった。
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