近年、これほど注目を集めた「私の履歴書」(日本経済新聞)も珍しい。十一月一日から一カ月間、連載されている前日銀総裁の黒田東彦氏(79)の半生だ。
「総裁を退いたのは今年四月。過去の例では一線を引いて数年を経てから執筆するのが一般的です。しかも植田和男日銀総裁が十月末に、金融緩和の再修正に踏み切った直後でした。更に言えば、同じ業界の連続は避けてきたはずですが、直前の十月は住友信託銀行名誉顧問の高橋温氏。日経記者は『あくまで“官僚枠”での執筆』と話していましたが、異例のタイミングでの登場と言えます」(ジャーナリスト・森岡英樹氏)
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