橋本忍の映画人生を追った最新刊『鬼の筆 戦後最大の脚本家・橋本忍の栄光と挫折』では、橋本の「脚色」にも着目している。
橋本は原作小説の内容を大きく様変わりさせ、自分なりの色合いに染め直していく脚色方法を得意としていた。前々回の『砂の器』は、その最たるところといえるだろう。
今回取り上げる『ゼロの焦点』も『砂の器』と同じく、松本清張の原作の一部を大きく膨らませてドラマチックな悲劇へ様変わりさせている。
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