今回は『人間の証明』を取り上げる。
この七月に亡くなった作家・森村誠一の同名小説を原作にした作品で、角川映画の第二弾として製作された。劇場、テレビ、音楽、出版と、メディアをフル活用した大宣伝を展開、その興行的な成功により、以降の角川映画のビジネスモデルの礎となった。
そして、これも後の角川映画の基本形となるのだが、予告編の出来がとにかく良いのだ。ジョー山中の歌う哀切な主題歌に乗せて、劇中の印象的な場面が次々と映し出される。それはわずか数分の映像なのだが、一本の映画を堪能したような感動に浸れる。
こうした、宣伝のための情報よりも、情感を重視したスタイリッシュな構成は、当時の日本映画の予告編において革新的な手法だった。
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