前回に引き続き、先日お亡くなりになった中島貞夫監督の作品について述べる。
晩年の中島監督はドキュメンタリー映画『時代劇は死なず ちゃんばら美学考』や二十年ぶりの長編映画となる『多十郎殉愛記』など、時代劇の魅力や技術を後世に伝えるべく精力的に製作を続けていた。一方、前回も述べたように若い頃は反ヒーロー的な志向が強く、それは時代劇においても変わることはなかった。
今回取り上げる『木枯し紋次郎』も、そんな一本だ。紋次郎は菅原文太が演じる。
一匹狼の渡世人である紋次郎は、他人と極端に距離を置いて生きてきた。その強い人間不信ぶりは、当時の流行語にもなった「あっしには関わりのねえことでござんす」というセリフが象徴的だ。
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