電車に乗っていた時のこと。終電の1本前だったんですが、私は何とか座ることができました。

 私の前にはランニングシャツを着たおじさんが立っていたのですが、様子がおかしいのです。首を左右にずっと動かしているんです。私が降りる駅で、そのランニングシャツのおじさんも降り改札を通った時、


 「うおおおーーーーっ!!!!」


という驚きの声とともにひっくりかえる若い男性が。

 明らかに首を左右に動かすランニングのおじさんを見て驚いているんです。そしてそのまま 「親父ごめん、俺が悪かった」と言って必死で土下座する男性。

 ふと気づくとそのランニングのおじさんはどこにもいなくなっていて、男性もしばらくすると我に返り、首をかしげながらその場を去りました。
 
 周りを見回しましたがおじさんは消えていて、本当にそこにいたのかどうかさえわかりません。