友人のお父さんの話です。友人の父は、美術修復家という絵の修復を職業としています。

重要文化財などの貴重な絵を修復する職業ですが、かつて修復しなかった絵があるらしいです。修復はかなりお金がかかるらしく、修復するのはほとんどが、修復に値する重要な作品らしいのですが、職業柄、それほどでもない作品も持ち込まれるようで、ある時、地元の寺に収蔵されている絵具の剥がれた襖絵を持ち込まれたそうです。

地元ということもあって仕方なく修復をはじめたようですが、修復が進むにつれて絵の全貌が明らかになってきて


「その土地の人間を呪い尽くす」


というような文言が出て来たみたいです。

普通にそのまま修復を続ける中で実際、その土地の事故死や病死などが頻発し始め、最終的にテレビでもニュースになるような大きな事故が起きました。

で、結局、その友人の父は気にしなかったようですが、依頼人の寺の住職から依頼を中止されたとのことでした。

住職はその後、絵を墨で塗りつぶしたようですがあのまま続けていたらどうなっていたのかな、と友人は話しています。