34名くらいの異なるゲーム実況者の動画をしばらく観ていると、
同じゲーム実況のはずなのに印象がずいぶん違うなあと
感じられることがあるはずです。

ゲーム実況動画というものが異種格闘技化してから久しいですが、
今回はそこまで話を大きくせずに、
1人のゲーム実況者の持つ実況スタイルについて考えていきたいと思います。

「実況スタイル」という言葉を聞いて皆さんはどんなものを連想するでしょうか?
おそらく、読者の皆さん一人ひとり微妙に異なるものをイメージされていると思います。
よく言われることですが、この「実況スタイル」という言葉は限りなくバズワードに近い言葉です。

動画時間いっぱいほぼノンストップでしゃべり続けて
聴き手にもまったく落ち着くスキを与えないような
マシンガントークに魅力を感じることもあれば、

動画の進行やセリフ回しに絶妙な「間」を持たせて
聴き手にやすらぎや一体感を与えるような
レインボートークに魅力を感じることもあります。

私の定義では、実況者の実況スタイルとは、
そうした「魅せる部分、聴かせる部分がどこにあるか」のことを指します。

ずっと、もやもやしていました。
「確かに実況者によって実況スタイルは違う、でもその違いってひと言で言うと何なんだろう?」
観るだけであった1年半、自分が実況を投稿し始めてからも23年くらい、
つまり45年くらいはこの点についてずっともやもやしていました。

前回第4章の終盤でも少し書きましたが、
最近やっと、もしかしてこういうことなのかな? ということが1つ見えてきました。
提案の意味も込めてご紹介します。

実況スタイルは、以下の2つの要素によって大雑把な分類ができます。
【1】冷静型 ⇔ 情熱型
【2】心象口述型 ⇔ 眼前実況型

【1】冷静型 ⇔ 情熱型
 比較的淡々と語るか、抑揚をつけて喋るか。
 エモーショナルな言葉を抑えるか、前面に出すか。

【2】心象口述型 ⇔ 眼前実況型
 自分の今の気持ちや過去の思い出(思い入れ)を語ることが多いか、
 今目の前で起きていることをそのままリポートすることが多いか。

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この2つの要素による分類で、
自分と近いタイプの実況者を見つけることができるはずです。

ちなみにこの分類ことを長く親交のある某人物に話したところ、
チームTAKOSに関するハッとする考察を聞かせてくれました。

  つわはすさんは 冷静型 心象口述型
  アブさんは 冷静型 眼前実況型
  コジマ店員さんは 情熱型 眼前実況型
  セピアさんは 情熱型 心象口述型
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  つまり今あなたが言った分類にメンバーを当てはめてみると
  ちょうどよい具合に分散している。
  だからチームTAKOSのメンバー構成はバランスが良いのだろう。

なるほど、一理あるなと思いました。
これなら確かに、よく言われる実況者としての自分とアブさんの距離や、
つわはすさんとコジマさんの距離についても簡単に説明がつきます。
同時に、つわはすさんや、特にアブさんを「冷静型」というのは何となく違和感があるので、
この分類のためにもっと適した言葉があるのではないかと考えている最中であったりします。

自分の目指すべき実況スタイルが見つかったら、あとはわかりやすいです。
上手いと感じる実況者の語り口や決まり文句などを、自分でも口に出して言ってみましょう。

「何のためのテレポなんだよ! 毎回使えねーじゃねーかよぉ!」

「さぁなんと第2ムービーだ!
 ムービーは1回では終わ゙ら゙な゙かったーーーっ!!」


上記は、少なくとも100回以上は口に出して真似しているフレーズの一例です。
他にもあります。
これを繰り返していると、どうしてその人は上手いのかが改めてわかり、
自分自身の上達のコツを掴みやすくなると思います。

「学ぶ」は「真似ぶ」から来ている言葉です。
魅力的なものは、まずはどんどん真似るべきです。

俗っぽい言い方をすれば、どんどんパクるべきです。
私の実況が何らかの参考になると思われた方は、
私の実況動画をどんどんパクってください。


好きな表現ではありませんが、こう言えば伝わりやすいでしょうか。

真似ることを繰り返していると、
「自分のオリジナリティって何だろう?」
そう思うこともあるはずです。しかし大丈夫です。

あなたのその声帯から作られる声が、
すでにこの世に1つだけのオリジナルのものです。
だから他の人と完全に同じものになんてなるはずがありません。
そのくらいの心構えでいてよいと思います。

細かい部分でのスタイルは、あとから自然に確立されていきますので。


次回、第6章「トーク内容について」では、
4章、第5章の内容を踏まえたうえで
実況動画収録時に意識すべきことについてお話しします。
どうぞお楽しみに。