「よし、行くかー!」

そんな心の一言に従って決まった、今回の大阪行き。




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関係者やファンの間では
「虹オケ」の略称で呼ばれることも多いこの公演シリーズ。

ここからは、昨日の大阪昼公演をすべて鑑賞し終わった後の
感想記となります。




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◆ミュージカル風の舞台構成で、
 濃密な1つの物語を描きたいという
 40さんとGさんの強い想いを感じました。

 第1回の、それぞれの歌い手が1曲歌い終わって
 曲・人物紹介というアラカルト構成で始まり、
 第2回はうって変わって2時間ぶっ通し物語構成
 (対策不足で我慢できずこの時途中でトイレに行きました-ω-;)
 第3回・第4回もぶっ通し構成を引き継ぎつつ
 ダンスや振り付けも織り交ぜるミュージカルの萌芽的なものがあり、
 逆に第5回では歌い手11名の大所帯でアラカルト構成に戻り、と
 様々な試みがなされてきた虹オケですが、
 今回は物語(ストーリー)という面に非常に重点が置かれていました。




◆それを表すように、
 これまでの虹オケでは40さんのヒット曲やお気に入り曲が
 万遍なく豊富に演奏されていましたが、
 今回は『透明のシンフォニー』の物語に合う曲だけが選ばれ
 後は今回の舞台のための書き下ろし曲で物語が紡がれるという作りでした。
 書き下ろし曲と既存曲の数は2:1か、3:1の割合くらいであったと思います。

 既存曲の「どれを捨てるか」という部分に
 40さんとGさんの心苦しさがあったのではないかと推測します。

 その鬱憤(?)を晴らすがごとく、
 アフターライブでは皆さん弾けていましたね!




◆オーケストラのことが全くわからないヒビキ(演:Mayuさん)に対して
 トオル(演:天月さん)とアキラ(演:佐香智久 a.k.a.少年Tさん)が
 オーケストラの構成を説明する一幕は、
 同時にこの公演を鑑賞している観客への
 オーケストラ入門説明にもなっていました。

 初期の頃から、小中学生の観客のために
 公演終了時刻が深夜にならないように設定したり
 3000円台の格安席を用意したりと、
 できるだけ敷居を低く、間口を広く
 という40さんたちの御計らいが
 今回もこういう形で実現していました。

 私は吹奏楽出身の人間であるため、
 オーケストラの構成を再確認しながら楽しめました。

 幕中、オーボエファゴットの掛け合いパートは
 ハープの音色の魅力もあいまって
 小構成の吹奏楽にはない郷愁が漂う素晴らしい雰囲気でした。




◆2時間の舞台の中で印象的な場面はいくつもありましたが、
 その中でも特に強く印象に残った場面が――

 ヒビキが留学枠から漏れたことをトオルに告げる
 『トリノコシティ』につながる場面と、
 アキラが「何も知らないピエロだったってことかよーーーっ!」と叫ぶ
 『からくりピエロ』につながる場面です。

 『ドレミファロンド』や、最近では『だんだん早くなる』など
 ポップでファンシーな印象も強い40さんの曲ですが、

 40mPというアーティストの真骨頂は
 あの2つの場面のような、
 これでもかというほどにエグく攻めてくる
 S気質な部分にこそあると私は思います。

 40さんの楽曲は
 ご家庭を持たれて以来、曲も丸く柔らかくなった
 と評される向きもあるようですが、

 独身時代の(?)エグい部分もいまだ健在だなあと感じ、
 公演中ひとりで嬉しくなっていました。




◆今回の『透明のシンフォニー』の物語は
 日常から切り離された絵空事として描かれているのではなく、
 あくまでも我々の日常の中にもありそうな
 身近な出来事の延長線上のこととして描かれていました。

 観た方はおわかりかと思いますが、
 ラブライブのようなギャグや
 パンケーキのようなあるある話など、
 ニヤッとするシーンが多かったはずです。




トオル役の天月さんは過去の虹オケにも出演なさっていました。
 1つのフレーズの中で、変なところで切れたり
 強調すべきでないと思われる音節を強調していたりと
 前回の公演では気になった部分が多かったのですが、
 今回もその印象はさほど変わらず少し残念でした。

 ただ、天月さんは演劇パートでひときわ輝いていたように感じました。
 言葉尻の音を目立たせる彼の特性が
 演劇パートでは長所として遺憾なく発揮されていて、
 こなれた身振り手振りとあいまってとても素敵でした。
 「雨オケ」本番直前で会場になだれこんで来る場面、
 アキラとともに本当に客席の横から現れるという演出では
 天月さんの演技に圧倒されました。
 (あのシーンで「ビクッ!」となった方はきっと多いでしょう)




アキラ役の佐香智久さんは虹オケ初出演で
 今回はじめて佐香さんの生歌を聴きました。
 フレージング感と言うのでしょうか、
 上手い日本語が見つかりませんが
 音楽の「流れ」を作り出す力にものすごく長けていて、
 アフターライブも含め音楽パートで輝いていたように感じました。

 ヴァイオリニストとして楽団で演奏する演技で、
 佐香さんは弓を持つ右手だけでなく
 弦を押さえる左手もなるべく真に近づけようと
 運指なさっていたのが印象的でした。




タクト役のいかさんさんも虹オケ初出演で
 はじめて生歌・生演技を鑑賞しました。

 もう、今回の昼公演のMVPはいかさんさんで決まりでしょう!

 <オーケストラ、燃ゆ!>の幕、
 彼の迫真の演技・歌唱にあっという間に引き込まれ、
 その後は「あの指揮者引きずり下ろしてぇーなー!」と
 思わず観客席を立ち上がりそうになってしまったことが
 何度あったことか!

 悪役を演じられる役者こそが真の役者だ
 というのはどこかで聞いた言葉ですが、
 もう、凄まじかったです。
 もっともっと、観ていたかったです。




ヒビキ役のMayuさんは舞台での演技は初とのことでしたが、
 トオルとアキラの間での機微人情を絶妙に演じておられました。
 またマダラメ教授役のいずみ尚さん、
 キサラギ教授役の狩野翔さんも
 『少年と魔法のロボット』公演から引き続きどっしりと脇を固めておられ、
 さすがと言う他ない演技でした。
 キサラギ教授のような変なひと臭のするキャラは大好きですw




事務員Gさん
 今回も来てよかった!
 次があったらまた行く!
 終演直後にそう思いました。
 近々またゆっくりお話しする機会をください(-ω-)ノ




40mPさん
 直接の面識はありませんが、
 以前より勝手にファンをやらせていただいています。
 40さんの作り出す、
 時に温かく、時にこれでもかというほどエグい、
 独特な世界観が大好きです。
 また40mPワールドに触れられる日が来るのを
 楽しみにしています。






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は、
40mPさん(https://twitter.com/40mP)
事務員Gさん(https://twitter.com/ZimuinG)
2名の音楽家がプロデュースする演奏会です。

演奏会中は基本的に40mPさん作の楽曲のみが演奏されます。
演出やアレンジ等を事務員Gさんが担当され、
40mPさんは全体の監修という御立ち位置です。

関係者やファンの間では
「虹オケ」の略称で呼ばれることも多く、
これまで5回の単独公演が開催されてきました。

・2012年10月 東京・日本青年館
・2013年05月 神戸・神戸文化ホール
・2013年12月 大宮・大宮ソニックシティ
・2014年03月 横須賀・横須賀芸術劇場
・2014年12月 東京・東京国際フォーラム




実は私、上記5回の虹オケ公演皆勤です。

今風に言うと、いわゆる全通ってやつです。

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第2回神戸へは虹オケのために
新幹線に3時間乗って行ったり、
(トマトラーメン食べてカラオケもしましたけどw)

第4回横須賀は前日の夜から当日の朝泊まり出張で長野にいて、
客先で無事稼働を見届けて即電車に乗り
スーツ姿のまま会場へ向かったりしました。

自分としても、思い出が詰まっている公演シリーズです。

そんな虹オケフリークの私ですが、
2015年4月の超会議ステージで皆勤が崩れることになってしまいます。

超会議で虹オケが演奏されている間、
私も別ステージで演者として出演していましたので
これは万事休す。

そこで皆勤が崩れ、
同年の超パーティーでも自出演時間とのバッティングで聴きに行けず、
翌2016年の超会議でも同じ理由で聴きに行けず、、、

自分が出演できるステージがあるというのは
自分の活動が認められている証拠でもあるので大変嬉しいのですが、
こうも立て続けに聴けない公演が続くと、どこかで
「もう、いいかなぁ……」
という気持ちが出てきてしまうもので。。。




事務員Gさんとベースのmaoさん(https://twitter.com/mao_alpaca_love)
とは個人的な付き合いがあり、
40mPさんはずっと好きなアーティストなので、
今回の虹オケ『透明のシンフォニー』開催決定の話も
夏終わり頃くらいからちらほら耳にしていましたが、

「今回もたぶん、行かないんだろうなぁ……」

と漠然とした思いを抱えながら、
12月末まで冬コミケの準備に追われて
29日の東京公演日が過ぎていきました。

しかし31日の冬コミケ出展を無事完了させ、
ひとまず自分のイベントが一段落したところで
ふと、思いました。

「お前、7日、大阪行けるじゃん」

そして気づいてしまいました。

虹オケ公演皆勤は確かに崩れてしまったけれど
虹オケ単独公演の皆勤は続いているじゃないか、と。

 それでちょっと調べて7日、
 大阪公演の会場はどうやら本町らしい、
 新大阪からすぐだから本当に日帰りで行けるぞ。。。

 今回の公演はオーケストラに所属するヴァイオリニストが主人公らしい、
 先日ちょうどオレもプロのヴァイオリニストと会話したばかりだ、
 よしこれは行けということだな。。。

 40さんも当日券あるって言ってるし。。。

 夜は東京で別の用事があるけど、
 昼公演終わって戻ってきても間に合うっしょ。。。

「よし、行くかー!」

こうして自分でもよくわからないノリと勢いで大阪行きを正式に決めたのは、
なんと公演前日の夜のことでした!




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そんなわけで昼公演潜入を目指して7日当日に新幹線で大阪入り。

会場のオリックス劇場は、
巨大レンガ倉庫のような外観の建物でした。

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できるだけ先入観なく今回の舞台を鑑賞したかったので、
事前情報は全く仕入れずに着席しました。

「どうせGさんのことだ、
 今回もIntermezzoなしで
 2時間以上ぶっ通しなんだろ!?」


行きの新幹線でもコーヒー紅茶は飲まず水だけを摂取、
会場に着いてから事前にトイレに2回行くという徹底ぶりで
G的演出対策もばっちり。

(そして案の定2時間半ぶっ通しでしたw)




そして昼公演鑑賞。




大阪滞在時間4時間、移動時間5時間という
絵に描いたような弾丸ツアーは無事に終了しました。