理想の歯科衛生士像【DHブログ】Vol.1
『真の予防って何だろう?』
歯科院医で患者さんに接するたびに、『私は歯科衛生士として、目の前の患者さんの役立ち、幸せになる助けが出来ているのだろうか?』と考えます。
もっと、親身になって患者さんの「本当の主訴」を聞き出したり、患者さんの理解度に合わせた丁寧な説明や、癒しを体感してもらえるような施術ができるのではないだろうかと。
もちろん時間をかければ可能だと思います。しかし、歯科医院の経営を考えると、1人の患者さんに接する時間はどうしても限られてしまいます。そのため、正しい情報や思いが伝えきれないこともあります。
さらに、患者さんが医療に対し受け身で、「自分が変わる」なんて思ってもいなかったりすることもあります。
また、ほとんどの歯科衛生士は経営者(Dr.)に雇われているため、医院の方針に従い働いています。
そのため、歯科衛生士として自分の信念や熱い思いを持っていても、それが医院の方針に合わず反発してしまうと、患者さんに「真剣に向き合う」ことができなくなってしまいます。
歯科衛生士は経営者の方針に賛同し、歯科医師は歯科衛生士をパートナーとして認め、スタッフ全員がチーム医療として目の前の患者さんに接していかなければ、歯科衛生士の熱い思いは患者さんには伝わらないのです。
こんなジレンマを歯科衛生士になってから36年ずっと感じています。そして私は、歯科衛生士のミッションは、『歯科衛生士の口腔ケアと保健指導から、患者さんが自分の身体を大事に考えてくれるようになり、良い生活習慣を身につけてくれるようサポートすること』と考え、発信し続けています。しかし、理解者は極々わずかです。
私の考えが間違っているのか、私に思いを伝え広めていく知恵がないのか、私に多くの人を動かす資本や信頼が足りないのか、それとも単に私の行動力が足りないだけなのか・・・。そんな事を考えながら2020年を迎えました。悶々と考え続け、2020年1月31日 私は、この思いを毎日書き続ける事を決意しました。
私は、この思いを多くの歯科衛生士さんに知って欲しく、2019年8月にニコニコ動画で【学校では教わらない『患者教育』と『行動変容』】という学習チャンネルを立ち上げました。現在このチャンネルでは、①本日の患者(症例の紹介)、②親子対談(30代の息子と、世代の違いによる価値観の違いについて)、③患者教育(患者さんの行動変容を促す)、④Dr.とDHのコミニュケーションの難しさ(組織,チーム作りの弊害になる思考ついて)、という4つのテーマでほぼ毎日投稿しています。
一番多くアップしているのは、①本日の患者。2020年1月31日時点で[#12]まで投稿しています。その中で、歯科衛生士がどのように目の前の患者さんを観察し、関わり行動を見つけいくか、ということも話しています。
そして今日、撮影した自分の動画を見ていて、私はある事に気がついたのです。私の発言の多くは、現代のニーズに多くの歯科衛生士が応えられていないという内容でした。しかし、現場の歯科衛生士は目の前の業務を一生懸命こなしています。
なぜニーズに応えられる歯科衛生士が少ないのか。それは、教わり学ぶ機会が少ないからではないか。そう考えると歯科衛生士専門学校の教壇に立つ身として、歯科衛生士教育が不十分であることに、私は不甲斐無さを感じました。
現在私は、母校である北原学院歯科衛生専門学校ではコミニュケーション論という講義で、患者さんとの関わり方について教えています。
また、札幌ハイテクノロジー専門学校歯科衛生士科ではデンタルエステ専攻科の授業で美腔®︎ケアを通じて『真の予防のあり方』を話しています。
しかし、これだけではまだまだ世の中に影響を与えるパワーには至らず、ジレンマが募るばかりです。
私は自分の思いを毎日書き続けます。この思いが多くの歯科衛生士、関係者に届く事を信じて。
~素敵な私たちでありますように~
長岐 祐子
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