ヨスガノソラ
都市部から遠く離れた片田舎、奥木染(おく
こぞめ)。
春日野悠は、妹の穹を連れてその町に向かっ
ていた。そこは幼少の頃夏休みに何度も訪
れ、過ごした祖父の家があり、懐かしい場所
であった。
不慮の事故により両親を亡くし、拠り所を
失った2人は、今は誰も住んでいない祖父の
家に引っ越し、そこで暮らす事を決める。
小さい頃から、あまり変わっていないように
感じた町並みや人。
懐かしい想い出や、静かな環境が、悠を癒し
ていったが、徐々に変化が訪れる。
想い出として心に刻まれたときからもう始
まっていた未来。今まで傷つき、不器用な生
き方しかできなかった相手と、
悠はどう向き合うのか……日差しが強まる初夏
の空の下、物語が動き始めるのだった。