石のスープ
定期号[2013年8月23日号/通巻No.87]

今号の執筆担当:渡部真


渡部真 連載コラム【勝手気ままに】vol.24
「あまちゃんロケ地に行ってきました!」(後編)
 
「あまちゃんファンブック」の内容を紹介します!




 前号でお知らせした通り、7月19〜20日、岩手県久慈市などで取材をしてきました。NHK朝の連続小説「あまちゃん」のロケ地をめぐる取材でした。
 今回は、その続きです。
 →※「あまちゃんロケ地に行ってきました!」(前編)はこちら←

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 まず、この取材で食べた食事を一挙に紹介します。


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 最初はここ。三陸鉄道・久慈駅構内の「リアス亭」。メインは立ち食い蕎麦などですが、ここの名物は何といっても、うに弁当。毎朝7時から販売、限定20個しか作らないため、1人2個までという販売制限があっても、週末や休日は朝9時頃には完売してしまいます。僕が買った時も、開店前から並ぶお客さんが数人いました。

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 「あまちゃん」の中で度々登場する、袖が浜のうに弁当はこの店のものがモデルになっているという話もあるとか。蒸したウニがびっしり敷き詰められて、ご飯にはウニの煮汁が染み込んでいて香りが凝縮されています。


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 ドラマの中で「喫茶リアス」のモデルになったとされている「喫茶モカ」のナポリタン・スパゲティ。春子(小泉今日子)が、ユイ(橋本愛)に「アバズレの食べ物だよ」と差し出すシーンは、何度見ても泣けてきます。もちろん、チーズもたっぷりかけました。

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 喫茶モカで人気のメニュー、玉子サンド。スクランブルエッグをハムとパンで挟んでいます。ちなみに、喫茶モカは、ロケで久慈を訪れたドラマ出演者達の御用達のお店で、能年玲奈さんや小泉今日子さんはじめ、出演者の皆さんの写真やサイン色紙が飾られています。店内は、「あまちゃん」だけでなく、読売ジャイアンツ愛に溢れており、同じジャイアンツ・ファンである僕にとっては、たいへん居心地のいいお店です(笑)。


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 小袖海岸のキッチンカーのラーメン屋さんで、海女磯ラーメン(半玉)をいただきました。塩味スープに、ウニ、エビ、ホタテ、ムール貝、ワカメなどが入って500円。こんなに磯の香りがたっぷりでも安いのは、さすが現地直産です。


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 前号で紹介した小袖海岸のタコの塩ゆで。穫れたてのタコをその場で茹でて切り売りしています。好きな分だけ切ってくれて、右下のお皿の量で300円。塩加減も良い塩梅です。


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 三陸鉄道のお座敷列車で、海の幸ホタテ弁当(手前)、海の幸アワビ弁当(左奥)、ウニ弁当(右奥)。こちらも、リアス亭に負けないほど、香りが凝縮されています。


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 久慈の市街地を歩いていたら、何だか不思議な佇まいの喫茶店がありまして……

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 近寄ってみると、「ここでしか食べられない、超うまい!!チーズケーキあります」というサインボード。怪しい雰囲気ながら、これは入ってみるしかないと……

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 ということで、チーズケーキとコーヒーを注文しました。なるほど、「ここでしか食べられない」かどうかは別にして、たしかにおいしいチーズケーキです。甘すぎないけ
ど、味はしっかりしていて、ベタベタしない上品なベイクドチーズケーキ。コーヒーもなかなかの味で、強気な看板なだけはありました。
 喫茶モカは王道的な喫茶店で、それも素敵なのですが、この喫茶フラワーのような雰囲気も、ドラマで登場する喫茶リアスのように独特な雰囲気を醸し出していて、僕はこういう喫茶店も好きですね。


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 久慈駅からほど近い季節料理の店「ひさご」にお邪魔しました。この店は、ドラマの前半ロケが終わった際に、キャストやスタッフが勢揃いして打ち上げで使われたところ。この地域のすいとん「ひっつみ汁」をご馳走になりました。
 宮城の「はっと汁」に似ていますが、違いは、練った小麦粉を餃子の皮や、山梨の「ほうとう」のように平たく伸ばしてる事。この地域では、平たくする事を「ひっつむ」というそうで、そこから名付けられています。

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 さて、後述する「あまちゃんファンブック」でも紹介をしていますが、この取材の案内役をしていただいたのが、「北いわて観光大使」のサトウコウスケさん。「ひさご」で一緒に記念撮影をと言われたので、「JJガールズ」のポーズで撮影した写真を、ここで紹介します(写真提供:サトウさん)。
 ちなみに、サトウさんが描かれた「ロケ地マップ」は、サトウさんのブログでダウンロードできますので、ロケ地巡りをされる方は、ぜひダウンロードしてください。

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 ◆あまちゃん「聖地巡礼」ロケ地マップ①【久慈駅前編】   
 ◆あまちゃん「聖地巡礼」ロケ地マップ②【袖が浜(小袖)編】

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 ここで、もう一人、紹介します。サトウさんを影に日向に支えるのが、久慈広域観光協議会の久慈三紀さん。「久慈の久慈さん」です。サトウさんと一緒に、今回の取材を様々な形でサポートしていただきました。昼間は、三鉄・久慈駅のお土産売り場などにいる事が多いそうですので、三鉄の久慈駅を訪れた際は、久慈さんを捜してみてください。


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久慈市街地の歴通路(れとろ)広場にある、「たむら」の牛串焼き。


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 歴通路広場の「かだっ亭」で、ようやくマメブ汁が食べられました。「まめぶ」というのはクルミや黒砂糖を包んだ団子で、それと一緒に、野菜、油揚げなどをだし汁に入れたのが「まめぶ汁」です。
 ただし、まめぶは久慈市の中でも内陸の山側の郷土料理で、久慈市在住の人でも、食べた事ない人は結構いるらしいのです。久慈の内陸に山形町というところがあります。「ビッグダディ」(テレビ朝日)のお父さんが住んでいた事もある地域で、テレビを見て知っている人もいるかも知れません。その山形町の郷土料理だそうです。
 ドラマで言っているように、甘いのと、しょっぱいのが、口の中で同時に存在していて、何とも不思議な味です。

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 この他にも、盛岡の冷麺、将棋好きのマスターが営む怪しい喫茶店、小袖浜の海産物、久慈の地サイダー、まめぶクッキー、名産とろろ昆布などなど、とにかく食べまくった取材でした。とりあえず、今回のところはこの辺で……。


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 さて、すでに書いたように、今回の取材は「あまちゃんファンブック」のための取材でした。

■あまちゃんファンブック〜おら、「あまちゃん」が大好きだ!


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 以下、少々長いですが目次を紹介します。僕が制作に関わったページは、内容の説明を入れていますので、参考にしてください。