フリーランサーズ・マガジン「石のスープ」

渡部真【勝手気ままに】vol.10「『さようなら原発』への複雑な思い」

2012/09/29 20:37 投稿

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週刊 石のスープ
定期号[2012年9月29日号/通巻No.43]

今号の執筆担当:渡部真
※この記事は、2012年9月に「まぐまぐ」で配信されたものを、「ニコニコ・チャンネル」用に再配信したものです。


【9月24日発売『週刊金曜日』増刊号〜さようなら原発 路上からの革命〜】

 すでに先週の月曜日のことですが、『週刊金曜日』から臨時増刊号が発売されました。3月から始まった首相官邸前の抗議行動、7月16日の代々木公演の集会など、全国にひろがる「さようなら原発」運動をテーマにまとめた1冊です。
 この増刊号の編集を、古くからのフリーランス仲間である樋口聡さんと一緒に担当しました。
 今号では、その増刊号の編集ウラ話をお送りします……と思ったのですが、原稿を書いていたら長くなったので、2回に分けて、今回は、僕が編集をすることになるまでの前段をご紹介したいと思います。僕自身の「さようなら原発」運動への思いを知っていただけるかと思います。

*  *  *  *  *  *

■市民ディアの先駆けだった「週刊金曜日」

 『週刊金曜日』は1993年に創刊された週刊誌です。
 当時、ジャーナリストの本多勝一氏や筑紫哲也氏、作家の井上ひさし氏らが、市民の立場から社会を追究する新しい雑誌を創刊するという事で、非常に注目されました(初代編集委員は、上記3人のほか、石牟礼道子氏〈作家〉、久野収氏〈哲学者〉)。その編集委員の面子を見れば、新たなる硬派な反権力視点、もしくはその前年に廃刊となった『朝日ジャーナル』の系譜の雑誌になる事を予感させる、ものでした。
 また、広告に依存しない発行形式も話題になりました。いまでは、数少ないとはいえ一般書店でも販売されるようになりましたが、当時はほとんどの書店で取り扱っておらず、購読するためには半年以上の定期購読をしなければなりませんでした。しかし、広告などに依存しないその発行形態こそ「市民の立場から主張できるジャーナリズム」「権力を監視し物申せるジャーナリズム」「タブーなきジャーナリズム」を目指す事ができたのです。今でこそ「市民ジャーナリズム」「オルタナティブ・メディア」という言葉も時おり聞くようになりましたが、当時は、広告に依存せず、徹底して権力を監視する姿勢は、とても新鮮でした。

[参考]「週刊金曜日」〜創刊のことば〜
http://www.kinyobi.co.jp/consider/about/about_index.php


 93年11月に創刊されるまで、創刊準備号として「月刊金曜日」が4号発行され、まだ広告制作会社の会社員だった僕でしたが、学生時代に本多勝一氏のルポやノンフィクションを読みあさっていたこともあって、「月刊〜」を読み、一読者として大いに期待して定期購読をしていたのを覚えています。

 同誌を支えていたのが、創刊前から全国各地で発足した「読者会」でした。同誌を読んで感想を話し合ったり、編集委員などを呼んで講演会をおこなう、『週刊金曜日』の支援組織が「読者会」。実は、長野・松本などの読者会の立ち上げに関わっていたのが、当時、『長野日報』で記者をしていた渋井哲也さんです。同誌が創刊される以前から、長野県で後に読書会に繋がる支援グループに携わっていたそうです。
 いま、市民ジャーナリズムやオルタナティブ・メディアというものが、過渡期というか、新たなる展開をしつつありますが、その先駆けとなった『週刊金曜日』の創刊当時のエピソードなどについて、渋井さんが次号で原稿を書いてくれるそうですので、同誌については、改めてそちらで紹介してもらうことにします。
 

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