『Miitomo』という、天下の任天堂が作ったゲーム、
ではなくアプリがありまして。

どんなものかと言うと、アプリの中に自分の分身(Mii)を作り、
ソイツからの質問に答えていくという、


基本的にはそれだけのアプリです。


そんな分身が、Miitomoをやっている人の数だけ居るので、
もし誰かとフレンド関係になった場合は、そのフレンドの分身が自分の所に訪ねて来て、
質問を投げ掛けてきたり、あるいは質問に対するフレンドの回答が見られたり――、


簡単に言えば『ask me を任天堂がやるならこうじゃ！』
っていう感じではないかと思うのです。


僕はツイッターにしろインスタグラムにしろ、
新しいコミュニケーションツールが出るたびに、
とりあえず触ってみる事にしております。


携帯電話の普及がミステリ小説に多大なる影響を与えたと言われていますが、
新たなツールの出現により、ひょっとしたら僕でも西村京太郎的トリックが閃くかも知れません。


変化やムーブメントが起こった時、
それについていかないと、取り残されてしまいますから。


ただし、触るからには全力で！


真剣に触らないと、僕の分身は僕にとって適当な存在になってしまうので、
それではひょっとしたらツールの核心に触れられない可能性もあるだろうからです。


ようし、やってみるぞ！ と意気込みもそこそこに、
まずは我が分身のMiitomoを作成。


カメラ機能を利用してMiitomoを作成できるようなので、それをベースに

「もっと目が釣り上がっているだろう……」
「もっと鼻がデカイだろう……」

などとコネコネこね回しながら分身を作り上げてみました。



そうして出来上がった分身から、質問攻めにあいます。

なるべく真剣に答えていきますが、しかしこれだけでは自分との対話でしかなく、
コミュニケーションとは呼べません。


フレンドが必要です。


僕は現実世界では、まあこれでもかと言うほど友達がおりませんが、
幸運にも、インターネットを介して構ってくださる方がいらっしゃるので、
こういうツールを使う際に「友達が多いフリ」が出来るのです。


ありがたやありがたや。


試しにツイッターにてフレンドを募集してみたところ、
多くの方々からフレンド申請を頂きました。


しかし、いきなり大勢の「フレンド」を追加してしまうと、
初見なのに『強くてコンティニュー』から始めるみたいな感じになってしまい、


（これではフレンドを増やしていく喜びが味わえないかな……）


と、なんとも贅沢な判断した僕は、
とりあえず一人のMiitomoとフレンドになってみました。





彼の名は『ゴリラ』。
理由は、名前のインパクトが凄かったので。
（※プライバシー保護のため、顔にはモザイクを掛けさせて頂いております）


ゴリラからの質問に答えたり、ゴリラの答えに反応をしつつ、
10分ほど時間を費やした後、

さて、もうちょっとフレンドの数を増やそうかなと
フレンド欄をタップしてみると……、


『読み込みに失敗しました』


あ、あれ……？
なんでだろう。さっきはゴリラをフレンド登録出来たのに……。


『読み込みに失敗しました』




フレンド申請欄すら開けない状態になってしまいました。
おまけに画面上部では、なんかゴリラに圧迫面接されています。


どうやらこれはMiitomoのバグのようで（ゴリラは違う）、
フレンド数が多い状態でツイッター連携してしまうと、
フレンド欄が開けなくなってしまうというバグのようです。


なんてこった……。


インターネットを介せば、僕には無限のトモダチが居たはずなのに、
このMiitomoの世界ではゴリラだけ……。


そんなわけで、僕とゴリラとの共同生活が始まったわけです。





僕の部屋にゴリラがやって来ています。
まるで動物園の檻の中みたいな様相を呈して来ました。


僕にはゴリラしかいないので、
ゴリラと会話する事と、ファッション機能を楽しむ事くらいしか
やる事がありません。





まだゴリラのこと考えてる……。

症状はかなり悪化しているようで、
しばらくはゴリラが抜けきらないと思う次第でありました。