ごきげんよう。有料メルマガ評論家の渡辺文重です。今回は、有料メルマガは一切関係ない、私の趣味であるアニメに関する記事となります。年末年始はほとんどの有料メルマガがお休みなので、私も「有料メルマガ評論家」業をお休みし、ひたすら、アニメオタクとしての原稿を公開していきます。

今回は2013年のベストアニメを決める企画の第5弾。秋アニメ振り返り編となります。

◆2013年夏アニメ2クール作品

私が視聴したタイトルは、以下の通りとなります。

・義風堂々!! 兼続と慶次
http://gifuu.jp/

・<物語>シリーズ セカンドシーズン
http://www.monogatari-series.com/2ndseason/

『義風堂々!! 兼続と慶次』は、絶対に面白くないと思っていたのですが、めちゃくちゃ面白かったです。
「義」の文字は「我」と「羊」である。
なるほど! 確かにそうだ。
「羊」は「美」と同じである。
え?
故に「義」とは「我を美しゅうする」の意となる。
えぇっ!?
繰り返す。「義」とは、まさに「己にとって美しく生きる」ということになるのである。
大事なことなので二度言った!

自分大好きな2人、直江兼続と前田慶次が酒を飲みながら、互いの「武勇伝」を語るという「トンデモ」の部類なのですが、「真善美」が一体なので分かりやすい。そして、「義」と「義」がぶつかるクライマックス。とにかく格好良かったです。

月下に交わす、杯と契り[義風堂々!!~兼続と慶次~EDテーマ]

しかし、物語の面白さで言ったら、『<物語>シリーズ セカンドシーズン』が上回っていることは間違いありません。物語は、終わりに向かって進んでいるからこそ面白いのですが、『<物語>シリーズ セカンドシーズン』は、まさに、終わりに向けてアクセルフルスロットルと言う印象でした。『義風堂々!!』も終わりに向かっているのですが、『<物語>シリーズ』はエンディングが分からない。このアドバンテージだけは、どうやっても越えられないのです。

終物語 (上) (講談社BOX)

◆2013年秋アニメ(1話15分以上のTV放送作品)

・COPPELION(コッペリオン)
http://www.starchild.co.jp/special/coppelion/

・境界の彼方
http://anime-kyokai.com/

・アウトブレイク・カンパニー
http://www.tbs.co.jp/anime/obc/

・フリージング ヴァイブレーション
http://freezing.tv/

・勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。
http://yu-sibu.com/

・リトルバスターズ!~Refrain~
http://www.litbus-anime.com/

・WHITE ALBUM 2
http://whitealbum2.jp/

・世界でいちばん強くなりたい!
http://www.sekatsuyo.com/

・夜桜四重奏 ハナノウタ
http://yozakura-anime.jp/

・メガネブ!
http://mgnb.tv/

・ワルキューレロマンツェ
http://walroma.com/

・ぎんぎつね
http://gingitsune.net/


・機巧少女(マシンドール)は傷つかない
http://www.machine-doll.com/

・のんのんびより
http://www.nonnontv.com/

・蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-
http://www.aokihagane.com/

・俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している
http://noucome.jp/

・革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン
http://www.valvrave.com/

『京騒戯画』と『IS<インフィニット・ストラトス>2』、『BLAZBLUE ALTER MEMORY』、『ガリレイドンナ』はHDDレコーダーに残されているので、今後、鑑賞する可能性がありますが……。これらの作品が「2013年のベストアニメ」にランキングされる可能性は低いと思うので、気にしないことにします。また、『DIABOLIK LOVERS(ディアボリックラヴァーズ)』は地上波で放送されるようなので、その時に視聴します。

さて、私が視聴した中で印象に残っている作品を2つ挙げるならば、『WHITE ALBUM 2』と『世界でいちばん強くなりたい!』でしょうか。『WHITE ALBUM 2』は「渡辺文重のアニメ視聴日記(12月28日:240分間)」で感想を書いたばかりなのですが、8話が印象に残っています。

学園祭の後、付き合うことになった北原春希(声優:水島大宙)と小木曽雪菜(声優:米澤円)。そして、冬馬かずさ(生天目仁美)の3人が仲良さそうに下校する様子を見ながら、北原春希の友人3人、水沢依緒(声優:中上育実)・飯塚武也(声優:寺島拓篤)・早坂親志(声優:杉山紀彰)が、次のような会話をします。
水沢依緒「なんで急いで決断しちゃったのかなぁ、春希」
飯塚武也「急いじゃ、まずいのかよ」
水沢依緒「そうじゃないけど、別に卒業してからでもよかったじゃん。あと、ちょっとなんだし」
早坂親志「でもまあ、やっぱ、あの2人の事は意外だったな。水沢とは違う意味で」
飯塚武也「もうやめろうよ」
早坂親志「けど、俺の予想じゃ春希の本命はさぁ」
飯塚武也「やめろって言ってんのが分かんないのかよ!」
水沢依緒「あんたが何を思ってるのか知らないけど、それ以上は誰にも言わないでよ」
早坂親志「何?いつの間にか俺が一番の悪者?」
誰がどう見ても、北原春希と冬馬かずさはひかれ合っていたのに、北原春希は小木曽雪菜の告白を受け入れてしまう。この構図を「友人」という重要なポジションから示したことに、しびれました。小木曽雪菜と冬馬かずさ。究極の選択ですが、主人公がしっかりと選択したことも、素晴らしいと思います。ぶっちゃけ、選択をしない主人公ほど、つまらないものは存在しないのです。

TVアニメ WHITE ALBUM2 かずさクラシックピアノ集

『世界でいちばん強くなりたい!』の萩原さくら(声優:竹達彩奈)も、選択のできる主人公でした。選べないならば、両方とも選べば良い。選択を先延ばしにしない姿勢は共感できました。しかし、そうした決断を納得させた功労者は、阿澄佳奈さんの演じる宮澤エレナであったことは間違いありません。「2013年のベストアニメを決める準備(夏アニメ振り返り)」でも触れましたが、2013年の阿澄佳奈さんは、圧倒的な存在感を発揮していたと思います。

Fan Fanfare!!!

また、竹達彩奈さんについても語る必要があるでしょう。竹達彩奈さんは、良い意味で「雑」な演技を得意とする声優だと思っています。表現が分かりにくいので、言い換えるならば、「期待以上に期待通り」のキャラクターを演じてしまう。それでいて、説得力があるということです。

先ほど、「選択をしない主人公ほど、つまらないものは存在しない」と記しましたが、実際には、重要な決断をホイホイ下せる人間は「まれ」なはずです。しかし、竹達彩奈さんの演じるキャラクターは、一瞬のためらいはあっても、びっくりするほど欲望に忠実で、あっさりと決断をしてしまう。ある意味、非人間的なのですが、それが納得できてしまうのは、やはり、竹達彩奈さんのスキルではないかと思うのです。

2013年は『世界でいちばん強くなりたい!』のほか、『神のみぞ知るセカイ 女神篇』と『たまゆら~もあぐれっしぶ~』で、竹達彩奈さんと阿澄佳奈さんの共演が見られたのですが、2014年も阿澄佳奈さんの「竹達彩奈LOVE」演技が見られることを期待しています。

たまゆら(OVA) 全巻セット(第1巻、第2巻) [DVD]

『WHITE ALBUM 2』と『世界でいちばん強くなりたい!』以外では、『COPPELION(コッペリオン)』と『革命機ヴァルヴレイヴ 2ndシーズン』が「惜しい」という印象でした。両作品ともディテール以外は良かったのですが……。ゼロから映像を作り出すアニメーションにおいては、ディテールこそが重要なのだと感じました。
REALISM(期間生産限定アニメ盤)(DVD付)

◆2013年秋アニメ(1話15分未満のTV放送作品)

・Super Seisyun Brothers-超青春姉弟s-
http://www.tv-tokyo.co.jp/anime/ssb/

・てーきゅう 第3期
http://te-kyu.com/

・ミス・モノクローム -The Animation-
http://www.starchild.co.jp/special/miss_monochrome_anime/

・声優戦隊ボイストーム7
http://www.ntv.co.jp/voicetorm7/

・てさぐれ!部活もの
http://www.ntv.co.jp/tesabu/

・殺し屋さん
http://www.5648.jp/

夏アニメが「谷間」だったこともあり、傑作そろいだった印象です。中でも良かったと思う作品は、『Super Seisyun Brothers-超青春姉弟s-』です。漫画家を目指す新本チコ(声優:山本希望)に対して、淡い恋心を抱く斉藤マオ(声優:石川界人)。このラインを軸に、互いの姉弟関係や友情を描く、秀作だったと思います。1話ごとに見ても面白いし、連続で見てもドラマがある。素晴らしい作品だったと思います。

SSB―超青春姉弟s―(スーパーセイシュンブラザーズ) (1) (ポラリスCOMICS)