ごきげんよう、有料メルマガ評論家の渡辺文重です。私は「編集者」という肩書で仕事をしているのですが、ごくまれに、とんでもなく不自由な日本語の文章に出会うことがあります。そうした場合、読める日本語の文章に整形することが私の仕事となるのですが、基本的には面倒なので、原稿を書いたライターには、どのように直したかは伝えないことにしています。そして、そのまま、その人とは仕事をしないように、いわゆる「フェードアウト」という流れになります。

翻って、私は「ライター」という立場でも仕事をしているのですが、こういう「編集者」の性質を知っているため、時折、不安に襲われることになります。果たして、自分の文章は、じゅうぶんなクオリティーが維持されているのだろうか? と。一度、不安になってしまうと、もう、不安で不安で仕方がなくなってしまいます。

そこで、そうした不安を解消できればと思い、12月13日(金)、東京都・青山の宣伝会議セミナールームで行われた、編集・ライター養成講座の「無料体験講座」(http://www.sendenkaigi.com/class/detail/editor_writer-taiken.php)に参加しました。やっぱり、学ぶって大切ですよね。

◆編集・ライター養成講座を受けたみた!

宣伝会議による「編集・ライター養成講座」は、企画力・取材力・文章力の向上を主軸に、これからの編集者・ライターを育成する講座とのこと。編集者とライターを分けていない理由は、これからは編集者とライターの境目がなくなっていくため、両方のスキルを身に着けることが重要との意図だからだそうです。確かに、私も「編集者」と「ライター」の両方の仕事をしています。両方のスキルを身に着けた方が良いという話には、説得力があります。

さて、「無料体験講座」で講師を務められたのは、ネットニュース編集者として有名な中川淳一郎氏です。講座の内容は、主に、自身の体験を交えた、これからの時代をライター・編集者として生き抜く上での心構えでした。紙やWebにおけるライター・編集者のギャランティー(年収)など、具体的な数値を示しつつ、ポジティブな要素とネガティブな要素を、バランスよく指摘していました。

ポジティブな要素は、今後、企業や官公庁などは情報を出していく必要があるため、ライター・編集者の需要は増えるだろうとのこと。また、「売れた」本を出すことで人生が変わる、一発逆転型の職業であることも説明していました。売れる本、出したいですね……。

ネガティブな要素は、競争が激化していること。ただし、これは、まともなライター・編集者には仕事が集中することを意味しているので、必ずしも悪いことではないようです。また、どのような文章であっても、訴えられるリスクが存在し、また、クレーマーの相手をする可能性も指摘していました。私は訴えられた経験はないのですが、文章を書いたり、編集者をしたりすることで、クレーマーの相手をせざるを得ない状況になったことがあります。このリスクだけは、避けようがないのでしょう。

中川氏によれば、元手が不要(※ただし、パソコンは高性能なものを買っておいた方が良いそうです。)で、努力と運次第で切り開ける可能性があるのが、ライター・編集者の魅力とのこと。ウェブに強くて、マネタイズを考えられる人間。また、突撃的の若手ライター、特に男子は需要が高いとのことでした。

なお、35歳までに専門分野を持つことが重要なようです。その例として、コンビニアイス評論家のアイスマン福留氏の名前が挙がっていました。……専門分野ですか。私の場合、そういうマニアックな知識がないので、ヤバいですね。しかも、今年で40歳ですし……。周りの席を見回してみると、若い受講者がたくさん。男女比は半々でしょうか。不安を解消すべく受講したつもりが、これから、私は大丈夫なのだろうかと、かえって将来に不安を覚える結果となったのでした。

◆記事のタイトルをどうするか問題

以上、茶番のような受講レポートを書いてみたのですが、それはともかく、今回、受講しようと思ったキッカケは、岩崎夏海氏によるご意見でした。

https://twitter.com/huckleberry2008/status/411280441161678848

「有料メルマガ批評は記事のタイトルがどれも似てるので、読んだかどうか分かりにくい。一目でまだ読んでないと分かると嬉しいです」という、岩崎夏海氏からの指摘に対し、私は

https://twitter.com/sammy_sammy/status/411309260375457793

「工夫します!」と答えたのですが、もちろん、ノープラン。そこで、講義の後に設けられるであろう質疑応答の時間を使って、講師の中川氏に以下のような質問をすることにしました。

「私はブログを更新しているのですが、読者から、どれも似たようなタイトルなので、どれを読んだか分かりにくいと指摘されました。中川さんは、どのように記事の見出しを付けているのでしょうか? コツを教えてください」

それに対して、中川氏の回答は「タイトルは28文字にすべし」とのことでした。この文字数が、人間が一目で認識できる限界だろうとの見解でした。また、タイトルに人名を入れる場合は敬称を付けること。呼び捨ては、対象の人物を不快にするため、やめた方が良いとのことでした。そのほか、ウソは言わない範囲で、やや釣りの要素を含めた方が良いとのアドバイスをいただきました。

また、他の人の質問に答える形で、記事のタイトルには、ネットで人気のあるワードを含めた方が良いとの見解も示されました。例えば、「北朝鮮、張成沢氏の死刑執行」というニュースであれば、ネットで人気のある「金正男は大丈夫か?」などの文章を加えることが重要とのことでした。また、「Gカップ」のように、人間の本能に訴えるワードも有効とのことでした。

以上の中川氏のアドバイスを参考に、今回の記事タイトルを作ってみたのですが、感想はいかがでしょうか?

ワルキューレロマンツェ もふもふミニタオル スィーリア

ちなみに、Gカップのアニメヒロインを探してみた結果、『ワルキューレロマンツェ』のスィーリア先輩が該当するようでした。