さて、東洋経済ONLINEに掲載された記事「だからニコニコの有料記事に10万人が集った」(http://toyokeizai.net/articles/-/24868)を読み、興味深いと感じました。特に、『週刊金融日記』で知られる藤沢数希氏の「メルマガで有料読者が1000人以上いる発信者は15人ぐらいしかおらず」という発言には、「そんなもんだよな~」と共感しました。しかし、そうは思いつつも、「それでは、その15人ぐらいとは誰のことか?」ということが気になり始めました。そこで、私なりの考察を記したいと思います。
まず、参考にしたデータは、まぐまぐ!の「週間総合ランキング(有料メルマガ版)」(http://www.mag2.com/ranking/rankingwp.html)です。この中で、基準となったのは『井戸実のブラックメルマガ』でした。『井戸実のブラックメルマガ』は「まぐまぐ!」のみで配信されているため、その有料読者数が分かれば、おのずと、周辺のランキングの会員数も推測できるようになるからです。
『井戸実のブラックメルマガ』の有料読者数ですが、以下の発言がヒントになります。
「このメルマガだけで毎月80万円の入金がある」(http://toyokeizai.net/articles/-/9008?page=6)
この発言に加え、2013年4月3日に配信された『井戸実のブラックメルマガ』86号の「Q&Aコーナー」の回答を総合すると、『井戸実のブラックメルマガ』の有料読者数は約2000人と推測されます。つまり、『井戸実のブラックメルマガ』よりも上のランキングにある有料メルマガは、確実に、有料読者数1000人以上ということになります。
また、『井戸実のブラックメルマガ』よりも下の順位でも有料読者数1000人以上の可能性はあるため、藤沢数希氏の「メルマガで有料読者が1000人以上いる発信者は15人ぐらいしかおらず」という発言は、当を得ていることになります。
しかし、世の中には、まぐまぐ!以外にも有料メルマガを配信しているサービスが存在します。まぐまぐ!のランキング上位に入っていない有料メルマガとしては、勝谷誠彦氏の『勝谷誠彦のxxな日々。』(正確には有料配信メール)、日垣隆氏の『ガッキィファイター』、藤沢数希氏の『週刊金融日記』、佐々木俊尚氏の『佐々木俊尚の未来地図レポート』、やまもといちろう氏の『人間迷路』、島崎英純氏と福田正博氏による『浦研プラス』あたりが、有料読者数1000人以上だと推測されます。
また、スケール感が全く分からないのですが、ブロマガでは上位3つに挙げられている、GACKT氏の「GACKTちゃんねる」と岡田斗司夫氏の「岡田斗司夫のニコ生では言えない話」は、もしかすると有料読者数1000人以上なのかもしれません。(残り1つは堀江貴文氏の『堀江貴文のブログでは言えない話』)
このように書くと、有料読者数1000人を超える有料メルマガはまだまだありそうな気がしてきますが、岩崎夏海氏は、2013年9月10日の記事(http://ch.nicovideo.jp/huckleberry/blomaga/ar338979)で、1000人が高いハードルとなっていると明かしています。また、池田信夫氏の『エコノMIX』でも1000人に達するか微妙(2013年6月9日配信号から推測)となっています。なお、『エコノMIX』はまぐまぐ!の「週間総合ランキング(有料メルマガ版)」30位(2013年11月25日更新)ですが、これより上の有料メルマガが、有料読者数500人以上と推測されます。
要するに、私が取材した限りでは、メルマガで有料読者が1000人以上いる発信者は15人よりも多く、20人ぐらいはいそうだけど、おおむね「だからニコニコの有料記事に10万人が集った」に書かれている市場規模は正しいのではないか、ということです。
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