◆今回の概要
巻頭言に当たる「今週のあいさつ」では、『アウトブレイク・カンパニー』について記しました。日記は、本当に平凡なおっさんの日常となっています。なお、『堀江由衣ベストライブ~由衣と時間泥棒~』をついに視聴しました。本当に素晴らしいライブでしたね。12月25日(水)に発売される『堀江由衣をめぐる冒険Ⅳ~パイレーツ・オブ・ユイ 3013~』が、楽しみでなりません。
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◆今週のあいさつ
ごきげんよう。有料メルマガ評論家の渡辺文重です。10月20日(日)に「2013年秋アニメ展望」(http://ch.nicovideo.jp/sammy-sammy/blomaga/ar371616)という記事を掲載したのですが、「少し評価が低かったかな」と思う作品が1つありました。それは『アウトブレイク・カンパニー』です。1話のみ視聴で星3つという評価だったのですが、3話まで視聴した結果、かなり面白い作品だと思うようになりました。
作品の舞台となるファンタジー世界・神聖エルダント帝国では、人間同士の階級はもちろん、種族間での差別も存在しています。これは、現実世界における人種差別と置き換えられる問題です。こうした差別は、自由や平等が憲法で保障されている日本人の主人公・加納慎一(声優:花江夏樹)にとっては、許しがたい問題と言えます。
しかし、私たちの価値観からは受け入れがたい問題を抱えている一方で、神聖エルダント帝国は平和な国でもあります。詳しい説明はありませんが、皇帝のペトラルカ・アン・エルダント三世(声優:渕上舞)は16歳の少女で、オタク趣味にかまけたり、自由に外出したりできるため、それなりに平和と言えるでしょう。
この場合、「自由・平等・博愛」の精神を持った主人公は、どのように立ち振る舞うべきなのでしょうか。「自由・平等・博愛」の精神が広まれば、確実に、支配階級の人間と、それ以外の人間・種族との対立が発生し、多くの血が流れることは間違いありません。実際、3話では、そうした危惧を抱いた集団が、主人公たちを排除しようとの動きを見せています。
自由や平等であることは素晴らしいことですが、果たして、平和を犠牲にしても手に入れるべきことなのか。非常に重たいテーマと言えるでしょう。過去の作品に目を向ければ、『ゼロの使い魔』の主人公・平賀才人(声優:日野聡)は、自らが英雄になることで道を示しました。また、『まおゆう魔王勇者』の魔王(声優:小清水亜美)は、戦争を加速させることで「丘の向こう」という理想を実現しようとしています。
『アウトブレイク・カンパニー』の主人公は単なるオタクで、現時点では日本国の傀儡(かいらい)に過ぎませんが、どのような世界を目指そうとするのか。注目したいと思います。
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