渡辺文重の有料メルマガ批評

「校正」をするために「文章」を書く(海燕『ゆるオタひきこもり生活研究室』ほか)

2013/09/15 23:15 投稿

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記者ハンドブック 第12版 新聞用字用語集

◆今回の概要

「ライター」と「編集者」、両方の職種を経験したことから見える、「文章」に対するアプローチの違い。文章を練ることの楽しさ。そして、「子供」「子ども」論争について記しました。

◆参考にした有料メルマガ

海燕『ゆるオタひきこもり生活研究室』/ほぼ毎日/315円
http://ch.nicovideo.jp/blog/cayenne3030/nico

小寺信良『金曜ランチボックス』/毎週金曜日(第5週は除く)/630円
http://yakan-hiko.com/kodera.html

◆まずはあいさつから

ごきげんよう、有料メルマガ評論家の渡辺文重です。私は『有料メルマガ批評』や『津田大介の「メディアの現場」』での原稿執筆以外にも、さまざまな仕事を行っています。例えば、有料メルマガ以外のことに関する原稿執筆であったり、送られてきた原稿を校正してインターネット上に掲載する仕事であったり、パソコンの便利屋であったり、Web事業に関するコンサルタントだったり、といった具合です。

2005年ごろまでは「パソコンライター」を名乗っていたのですが、原稿を執筆していたパソコン関連の雑誌が次々と廃刊・休刊となり、携帯公式サイト(『速報!サッカー24』)の編集者に転職することになります。ちなみに、当時、編集長として『レッズプレス!!』の編集長と対談を行ったのですが、この対談(http://supportista.jp/column/34)は今読んでも面白いと思っています。

原稿を「書く」仕事から、原稿を「発注」し、ライターから送られてきた原稿を「校正」する仕事になったのです。同じ文章に関わる仕事ですが、役割が異なると見える風景も異なります。

ライター時代は、極端な話、与えられた「文字数」で、与えられたテーマについて書き、そして、「締め切り」さえ守っていれば「それでよい」と思っていました。つまり、文章の「クオリティー」は、それほど気にしていませんでした。もちろん、それなりのクオリティーが担保されていたからこそ、職業ライターを続けられたのですが、「文字数」や「締め切り」に比べれば、「クオリティー」の優先順位は、明らかに低かったのです。

一方、編集者の仕事は「クオリティー」を上げることです。ライターから送られてくる文章は、だいたい、何らかの問題を抱えているので、それらを修正することが仕事となります。そして、編集者としての経験を積んでいく過程で「あること」に気付きます。それは、評価の高いライターは、校正の必要な箇所が少ないということです。なるほど、優れたライターは「クオリティー」を上げることにも注力しているのです。このことにライター時代から気付いていれば・・・。

「後悔先に立たず」ですが、また、こうしてライターとして活動できています。つまり、編集者時代の経験は無駄ではなかったのです。
 

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