6月5日(水)に東京・ゲンロンカフェにて行われた東浩紀氏と堀江貴文氏によるトークインベント、「電子書籍はなぜ使われないのか」で、東氏が挙げていた懸念点についての考察、その2です。
東氏は上記のイベントにて、現在の「電子書籍」は、他のメディアで成功した人間が進出してマネタイズに成功しているだけであり、「電子書籍」の中だけでは「教育」が行われていないと指摘します。ここでは「電子書籍」を狭義の「有料メルマガ」に限定して考察を行います。
◆成功した人間が成功を重ねるだけ
「有料メルマガ」の売り上げを考えるとき、しばしば、Twitterのフォロワー数との関連が取りざたされます。私としては、フォロワー数が売り上げに直接関連するとは思っていないのですが、そう思われる背景は理解できます。それは、最も「有料メルマガ」を効果的にプロモーションできるSNSがTwitterだからです。自分の投稿を「友だち」しか閲覧できないSNSでプロモーションをするよりも、不特定多数の人間に閲覧される可能性のあるTwitterの方が宣伝に向いていることは、誰にでも想像できます。
また、Twitterのフォロワー数が多い人間の方が有利にプロモーションを行えることも自明の理です。そして、Twitterのフォロワー数が多い人間というのは、基本的に、Twitter以外の手段で有名になった人間となっています。つまり、「電子書籍」に限らず、SNSにおいても、他のメディアで成功した人間が進出して、大量のフォロワー数を獲得しているのです。Twitterで有名になったと言われる津田大介氏も、Twitterがサービスを開始する以前から単著を出していたという事実を忘れてはいけません。
◆携帯公式サイトのプロモーション
私は以前、携帯公式サイトの編集長(サイト管理者)という役割をしていたのですが、そこで最も有効なプロモーション手段は、NTT DoCoMoのプロモーションサイト(iモードメニュー)からリンクを貼ってもらうことでした。DoCoMoがお勧めするサイトとなれば、アクセス数は数十倍、数百倍にはね上がりますし、プロモーションが行われている期間は、入会者数も普段の数十倍、数百倍となります。(※プロモーションはサイト側がNTT DoCoMoに申請。その後、NTT DoCoMoが審査を行い、審査を通れば、無料で実施されました。現在のことは不明です。)
また、キャリアが発表しているジャンル別のランキングで上位に位置することも重要でした。例えば、サッカーの携帯公式サイト(DoCoMo)は72サイトあるのですが、4位以内にランクされると、上位カテゴリである「スポーツ」の一覧に表示されることになります。結果、アクセス数や入会者数がベースアップされることになります。
このように、携帯公式サイトのプロモーションは、携帯公式サイト中だけで完結することも可能でした。もちろん、TVでCMを流したり、雑誌に広告を出したりする携帯公式サイトもありましたから、必ずしも携帯公式サイト中だけでプロモーションが完結していたとは思いません。ただ、「携帯公式サイト」という限られた世界の中だけのプロモーションでも、マネタイズに成功できたということです。
◆圧倒的なプロモーション能力
携帯公式サイトのプロモーションが、携帯公式サイトの世界だけで完結することも可能だった背景には、キャリアによるプロモーションという圧倒的な手段が存在したことがあります。これはPC環境に例えるならば、「Yahoo!」や「Google」が、有料メルマガや有料Webマガジンの宣伝を行っていた(しかも、無料で!)ということになります。
いや、それ以上の効果があったと言うべきでしょう。なぜならば、携帯電話には決済機能が備わっているため、そもそも有料会員になることへのハードルがPC環境よりも低かったからです。そういう意味で、日本の携帯電話は「ガラパゴス」などと揶揄(やゆ)されていますが、コンテンツ配信者にとっては夢のような端末だったのです。
ぶっちゃけ、「Yahoo!」や「Google」が無料で「有料メルマガ」の宣伝を行うぐらいしなければ、「有料メルマガ」市場はじゅうぶんな開拓がされないと思うのですが、そんな非現実的なことを訴えても仕方がないので、現実的なプロモーションを考える必要があります。
◆有料メルマガ市場の予測
私は4月21日(日)に配信された津田氏の有料メルマガ、『メディアの現場』73号で連載している「週刊有料メルマガレビュー」のあとがきに、次のような文章を掲載しました。
この文章は、有料メルマガ市場が発展する過程の予測を記しています。まず、有料メルマガ市場をリードする、有料会員数が数万人規模の有料メルマガが登場する。それは、『メディアの現場』、『堀江貴文のブログでは言えない話』、『水道橋博士のメルマ旬報』の3つである。そして、有料会員数が数万人規模の有料メルマガがレコメンドを行い、数百人規模の有料メルマガを「育成」するというシナリオとなります。
この予測が楽観的であることは、私自身、自覚しています。しかし、「Yahoo!」や「Google」が無料で「有料メルマガ」の宣伝を行うことに比べれば現実的ですし、これぐらい楽観的に考えていないと、有料メルマガを取り扱おうという気にはならないのです。
◆『有料メルマガ批評』の役割とは
さて、実を言うと、ここからが本題となります。私は『メディアの現場』にて、「週刊有料メルマガレビュー」という連載コーナーを持っています。このことは、私の予測を現実にする上で、2つの役割が与えられていることを意味します。まずは、『メディアの現場』が数万人の会員数を獲得するために、魅力的なコンテンツを提供し続けること。そして、数百人規模の有料メルマガを「育成」することです。これまでも、面白い有料メルマガを紹介してきたと自負していますが、より購買意欲を誘うような文章を執筆したいと思っています。
そして、3つの目の役割を担当することを考えています。それは『渡辺文重の有料メルマガ批評』が、数百人規模の有料メルマガに「育成」された例となることです。『渡辺文重の有料メルマガ批評』が『メディアの現場』を利用して、数百人規模の有料メルマガになれば、私の予測の説得力が上がることは間違いなしです。
数百人規模とは非常に低い目標に思われるかもしれませんが、現在の更新頻度で、それぐらいの収入があれば「御の字」ですし、横展開の可能性も広がると考えています。
というわけで、この記事を読んで『渡辺文重の有料メルマガ批評』の有料会員になってくださる方がいれば、幸いです。
◆津田大介の「メディアの現場」/不定期/630円
http://www.targma.jp/tsuda/
◆堀江貴文のブログでは言えない話/毎週月曜日/840円
http://yakan-hiko.com/horie.html
◆水道橋博士のメルマ旬報/10日・25日/500円
http://www.webdoku.jp/premium/merumaga/page/s_hakase.html
東氏は上記のイベントにて、現在の「電子書籍」は、他のメディアで成功した人間が進出してマネタイズに成功しているだけであり、「電子書籍」の中だけでは「教育」が行われていないと指摘します。ここでは「電子書籍」を狭義の「有料メルマガ」に限定して考察を行います。
◆成功した人間が成功を重ねるだけ
「有料メルマガ」の売り上げを考えるとき、しばしば、Twitterのフォロワー数との関連が取りざたされます。私としては、フォロワー数が売り上げに直接関連するとは思っていないのですが、そう思われる背景は理解できます。それは、最も「有料メルマガ」を効果的にプロモーションできるSNSがTwitterだからです。自分の投稿を「友だち」しか閲覧できないSNSでプロモーションをするよりも、不特定多数の人間に閲覧される可能性のあるTwitterの方が宣伝に向いていることは、誰にでも想像できます。
また、Twitterのフォロワー数が多い人間の方が有利にプロモーションを行えることも自明の理です。そして、Twitterのフォロワー数が多い人間というのは、基本的に、Twitter以外の手段で有名になった人間となっています。つまり、「電子書籍」に限らず、SNSにおいても、他のメディアで成功した人間が進出して、大量のフォロワー数を獲得しているのです。Twitterで有名になったと言われる津田大介氏も、Twitterがサービスを開始する以前から単著を出していたという事実を忘れてはいけません。
◆携帯公式サイトのプロモーション
私は以前、携帯公式サイトの編集長(サイト管理者)という役割をしていたのですが、そこで最も有効なプロモーション手段は、NTT DoCoMoのプロモーションサイト(iモードメニュー)からリンクを貼ってもらうことでした。DoCoMoがお勧めするサイトとなれば、アクセス数は数十倍、数百倍にはね上がりますし、プロモーションが行われている期間は、入会者数も普段の数十倍、数百倍となります。(※プロモーションはサイト側がNTT DoCoMoに申請。その後、NTT DoCoMoが審査を行い、審査を通れば、無料で実施されました。現在のことは不明です。)
また、キャリアが発表しているジャンル別のランキングで上位に位置することも重要でした。例えば、サッカーの携帯公式サイト(DoCoMo)は72サイトあるのですが、4位以内にランクされると、上位カテゴリである「スポーツ」の一覧に表示されることになります。結果、アクセス数や入会者数がベースアップされることになります。
このように、携帯公式サイトのプロモーションは、携帯公式サイト中だけで完結することも可能でした。もちろん、TVでCMを流したり、雑誌に広告を出したりする携帯公式サイトもありましたから、必ずしも携帯公式サイト中だけでプロモーションが完結していたとは思いません。ただ、「携帯公式サイト」という限られた世界の中だけのプロモーションでも、マネタイズに成功できたということです。
◆圧倒的なプロモーション能力
携帯公式サイトのプロモーションが、携帯公式サイトの世界だけで完結することも可能だった背景には、キャリアによるプロモーションという圧倒的な手段が存在したことがあります。これはPC環境に例えるならば、「Yahoo!」や「Google」が、有料メルマガや有料Webマガジンの宣伝を行っていた(しかも、無料で!)ということになります。
いや、それ以上の効果があったと言うべきでしょう。なぜならば、携帯電話には決済機能が備わっているため、そもそも有料会員になることへのハードルがPC環境よりも低かったからです。そういう意味で、日本の携帯電話は「ガラパゴス」などと揶揄(やゆ)されていますが、コンテンツ配信者にとっては夢のような端末だったのです。
ぶっちゃけ、「Yahoo!」や「Google」が無料で「有料メルマガ」の宣伝を行うぐらいしなければ、「有料メルマガ」市場はじゅうぶんな開拓がされないと思うのですが、そんな非現実的なことを訴えても仕方がないので、現実的なプロモーションを考える必要があります。
◆有料メルマガ市場の予測
私は4月21日(日)に配信された津田氏の有料メルマガ、『メディアの現場』73号で連載している「週刊有料メルマガレビュー」のあとがきに、次のような文章を掲載しました。
『堀江貴文のブログでは言えない話』、『水道橋博士のメルマ旬報』、そして『津田大介の「メディアの現場」』が「御三家」として、有料メルマガ界をリードする時代が来ると、私は予想しています。「御三家」の役割は、有料メルマガのレコメンドです。まずは圧倒的なコンテンツ量を誇る「御三家」が有料メルマガ購読者の絶対数を増やし、そこから、個人の有料メルマガへと購読者を誘導していく。こうした流れを作ることで、有料メルマガ市場、さらには電子書籍市場が広がっていけば、表現者にとって良い環境が構築されるはずだと信じています。
この文章は、有料メルマガ市場が発展する過程の予測を記しています。まず、有料メルマガ市場をリードする、有料会員数が数万人規模の有料メルマガが登場する。それは、『メディアの現場』、『堀江貴文のブログでは言えない話』、『水道橋博士のメルマ旬報』の3つである。そして、有料会員数が数万人規模の有料メルマガがレコメンドを行い、数百人規模の有料メルマガを「育成」するというシナリオとなります。
この予測が楽観的であることは、私自身、自覚しています。しかし、「Yahoo!」や「Google」が無料で「有料メルマガ」の宣伝を行うことに比べれば現実的ですし、これぐらい楽観的に考えていないと、有料メルマガを取り扱おうという気にはならないのです。
◆『有料メルマガ批評』の役割とは
さて、実を言うと、ここからが本題となります。私は『メディアの現場』にて、「週刊有料メルマガレビュー」という連載コーナーを持っています。このことは、私の予測を現実にする上で、2つの役割が与えられていることを意味します。まずは、『メディアの現場』が数万人の会員数を獲得するために、魅力的なコンテンツを提供し続けること。そして、数百人規模の有料メルマガを「育成」することです。これまでも、面白い有料メルマガを紹介してきたと自負していますが、より購買意欲を誘うような文章を執筆したいと思っています。
そして、3つの目の役割を担当することを考えています。それは『渡辺文重の有料メルマガ批評』が、数百人規模の有料メルマガに「育成」された例となることです。『渡辺文重の有料メルマガ批評』が『メディアの現場』を利用して、数百人規模の有料メルマガになれば、私の予測の説得力が上がることは間違いなしです。
数百人規模とは非常に低い目標に思われるかもしれませんが、現在の更新頻度で、それぐらいの収入があれば「御の字」ですし、横展開の可能性も広がると考えています。
というわけで、この記事を読んで『渡辺文重の有料メルマガ批評』の有料会員になってくださる方がいれば、幸いです。
◆津田大介の「メディアの現場」/不定期/630円
http://www.targma.jp/tsuda/
◆堀江貴文のブログでは言えない話/毎週月曜日/840円
http://yakan-hiko.com/horie.html
◆水道橋博士のメルマ旬報/10日・25日/500円
http://www.webdoku.jp/premium/merumaga/page/s_hakase.html
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渡辺文重の有料メルマガ批評
渡辺 文重
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