実兄弟である堀込泰行(vo/gt)、堀込高樹(gt/vo)の二人で結成、97年のデビュー以来これまでオリジナル・アルバム10枚を発表してきたキリンジ。2013年春のツアーをもって弟・堀込泰行が脱退しましたが、兄・堀込髙樹がバンド名義を継承し、田村玄一/楠均/千ヶ崎学/コトリンゴ/弓木英梨乃を新メンバーに迎え、6人編成のバンド「KIRINJI」として再始動。待望のニューアルバム『11』をリリースした彼らに、今の心境やミュージシャンとしての生活についてインタビューを行いました。

■キリンジからKIRINJIへとバンド名が変わったのはどういった理由からなのでしょうか?

堀込高樹(以下、堀込):メンバーが2人いたうちの1人が辞めて、5人が加入するというとても大きな変化があったので、ある程度「ここから違いますよ」という線引きをしたほうが世の中に伝わりやすいなと思ったからです。それとカタカナ表記がちょっと前時代的な気がしていて…。というのも、キリンジがデビューした97年頃って、そういうカタカナやひらがなでの短い文字数のバンド名のバンドが多かったんですよ。最近は「ゲスの極み乙女。」とか「踊ってばかりの国」とか「忘れらんねえよ」とか長いバンド名が流行っているみたいですけど、

田村玄一:「森は生きている」とかね(笑)

堀込:でもさすがに僕らがそれに乗って行くこともできないので(笑)アルファベットに変えて気分を変えてみた、という感じです。

■今回、コトリンゴさんと弓木英梨乃さんという女性2人が新しく加入しましたが、それによって変わったことはありますか?

堀込:まず、単純にステージが華やかになりましたね。もちろん彼女たちの演奏がすばらしいというのもあるんですけど。弓木さんみたいな女性がギターをバリバリ弾いて、コトリンゴさんみたいなエレガントな人がピアノをパワフルに弾く。そういう対比もあったりして、バンドに膨らみをもたらしてくれていますね。男3人でもいい感じにはなっていたとは思うけど「なんだこれは」みたいな驚きは無かったと思うんです。

■ジャケットがすごく素敵ですけど、どんなイメージだったのでしょうか?

堀込:大島依提亜さんというデザイナーの方がやってくれたんですけど1曲目の「進水式」がモチーフになっているんだと思います。船っぽいアイテムで揃えられていますね。あとメンバーが刷新されたということで、メンバー写真が使われているという感じですね。大島さんのなかでは「この人がこういう人」みたいなのがあるみたいで、キャラが立つ衣装になっています。千ヶ崎くんと楠さんはペアになっていて面白いなと思いました。

千ヶ崎学:写真の撮影方法もちょっと変わってたよね。

■ミュージシャンとして日々の生活の中で習慣にされていることなどありますか?

堀込:写真写りを気にして、食生活は晩飯のライスを抜くみたいなことはしますね。あとは、よく寝ることですかね。寝ていないと頭がボーっとして曲ができないんですよね。それと小さい子供もいるので、朝6時には起きています。ウォーキングやランニングなり体を動かして気持ちを上向きにしておくことも曲作りに役立つので、気をつけてやるようにしていますよ。家にこもってばかりだと歌詞を書くネタにも困りますからね。

■この新作『11』はどのようなシチュエーションで聴いてほしいと思いますか?

堀込:今の時代、スピーカーの前に座ってじーっと聴くのって難しいじゃないですか。だから正座して聴くとかじゃなくて、家のことをやったりしながらかけて聴いて欲しいですね。昔は「ヘッドフォンとかスピーカーの前で正座して」みたいなのを求めていたんですけど、今はリラックスして楽しんでほしいと思っています。あと、ジャケット写真をよく見ると小物が色々置いてあるんだけど、収録曲の歌詞にちなんだものが置いてあるんですよ。それも含めて楽しんでもらえるとうれしいですね。

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