212キッチンストアでは、接客が好き、お料理が好き、キッチングッズが好きというスタッフが働いています。
働く理由は一人一人違いますが、ひとつ共通しているのは、接客や料理を通じて生まれる「笑顔」が好きということ。そんなスタッフが思い入れのあるレシピを、エピソードと一緒に紹介します。
第一回目は、212キッチンストア・札幌店 水木 拝代よりお送りします。
私には今、密かに食べるのをとても楽しみにしている料理があります。それは友達が作ってくれる「朝ごはん」です。
今から9年前、私は新店舗の店長として茨城県つくば市に赴任しました。それまで札幌で暮らしていた私にとって、遠い遠いつくば市は、知り合い一人といない土地でした。
しかし、幸いにもつくばで過ごした3年間は、たくさんの素敵な出会いに恵まれ、楽しく充実した生活を送ることができました。そこでの出会いの一人が、笑顔が素敵で料理上手な「みなちゃん」です。
同じショッピングセンターのアパレルのお店で働いていた彼女は、柔らかい笑顔がとても印象的で、仲良くなる前から話してみたいなと思う存在でした。
ある日の休憩室でのこと、彼女が休憩を終え部屋から出ていった後、彼女が座っていた席に忘れ物を見つけ、慌てて追いかけて忘れ物を届けるという出来事がありました。その事件(?)があってからは、休憩室で一緒になった時など、どちらともなく声をかけ話をするようになりました。
私がキッチン雑貨の専門店で働いているということもあり、料理好きな彼女とはすぐに意気投合。しばらくすると仕事場だけでなく、お互いの家で料理を作り合ったり、パーティーしたり、プライベートでもよく一緒に遊ぶようにもなりました。
余談ですが茨城県、栃木県は知る人ぞ知る素敵カフェの宝庫です。オーガニックや器に拘りのあるカフェがたくさんあります。彼女の車で所々の素敵カフェまでドライブしたり、もともと、彼女の働くショップを好きで利用していましたので、新作が入る度にお店に遊びに行ったりしていました。
料理の話に戻しますと、彼女の作る料理には、彼女の実家から送られてきた野菜がよく使われます。
彼女の実家は群馬県片品村。2月のまだ雪がしんしんと降る雪深い季節に一度だけ、彼女の実家に遊びに行ったことがあります。山の上にある彼女の実家は、辺り一面真っ白で自然に囲まれた空気のおいしいところでした。
彼女のお母さんはとても気さくな笑顔で迎え入れてくれ、地物の食材で作った、たくさんの手作り料理でもてなしてくれました。おいしい空気で育った食材はどれも素材の味が濃く、とてもおいしかったことを覚えています。
あれから9年が経ちました。今はお互い勤務地が変わり、彼女は東京、私はつくばを離れ地元札幌で働いていますが、年に何度か東京の彼女の家に泊まりにいきます。昔のように、作って、食べて、飲んで、話して……少し寝て。
そして朝、出勤前にも関わらず、必ず作ってくれる彼女の絶品な朝ごはんが待っています。地元の野菜と、料理上手なお母さんを持つ彼女が作る料理。間違いなくおいしいはずだと、心の中でうんうんといつもうなずきながら、楽しくおいしい朝時間を過ごすことが定番です。
彼女が作ってくれた料理は、特別にレシピを教えてもらい、自分でも作るようになりました。
おいしいだけじゃなく、つくばで過ごした頃のあたたかい時間を思い出すことができる、私のとっておきのあったかレシピです。
今回は、彼女が作る朝ごはんの中でも、私の一番のお気に入り「かぼちゃのミルクスープ」をご紹介します。
最初は不安だらけだったつくばでの3年間の思い出は、素敵な出会いがあったことで、今では大切な大切な宝物になりました。
追伸:
みなちゃん、いつも時間の無い中、朝ごはんを作ってくれてありがとう。
212キッチンストア 札幌店 水木 拝代
「かぼちゃのミルクスープ」
【材料】(2人分)
ベーコン ………2~3枚
たまねぎ…………1/2個
かぼちゃ…………1/8個
しめじ……………1/2房
水 ……………200cc
牛乳 …………200cc
コンソメ ……………1個
バター ……5g(炒め用)
しお・こしょう ……少々
【作り方】
1.ベーコンを1センチ幅位にカットし、たまねぎはうす切り、かぼちゃは種とわたを取り除き、5ミリ厚位のいちょう切りにする。
2.鍋にバターを入れ、ベーコンを炒め、火が通ったらしめじを加えさっ と炒める。炒め上がったら皿に取り出す。
3.ベーコンを炒めた鍋で玉ねぎを飴色になる位まで炒め、飴色になったら半量を皿に取り出す。
4.同じ鍋にかぼちゃ、水、コンソメを入れて柔らかくなるまで茹でる。
5.柔らかくなったら、皿に移してあったベーコン、しめじ、玉ねぎを鍋に戻して牛乳を加え、弱火で沸騰させない 様に煮込む。
6.仕上げに塩こしょうで味を調える。