ゴミをリサイクルして生み出される品物や作品っていろいろありますよね。そんなアイテムたちは私たちの「ゴミ」への価値観を変える、きっかけになることが多いものです。
イギリス・ロンドンには、美しいリサイクルドレスによって、ゴミについて少しでも多くの人に価値観を変えてもらいたいと活動する日本人女性がいます。コスチュームデザイナーとして、活動する谷公美子さんです。
2008年から、「Re-cycle-Style」というプロジェクトを立ち上げ、リサイクル可能な材料をつかって衣装を制作しています。
道を歩いている時に見かける大量のゴミを見て、価値のないとされているゴミを、価値あるものに変えたら人々の意識も変わるのでは?と思ったことがきっかけ。
私はリサイクルできるアイテムを使って、ドレスを制作することが多いのですが、ドレスは、例えばシルクなど良質な布を使うと、よい作品が出来上がる可能性は高くなります。
でも、価値のないとされているゴミを使って、いかに美しいものを作り上げることができるかということに挑戦するのがこのプロジェクト。私にとって歩きながら見かけるゴミは、新しいアイデアを与えてくれるし、無駄なものではないのです。
彼女はロンドンで展示会を開き、制作したドレスを多くの方々に見てもらう活動を行っています。
スーパーのビニールバッグで作られたもの、新聞紙を利用して作られたもの、コーヒー豆が入っていた麻のバッグを利用して作られたもの。どれもゴミだったものなのです。
そんな彼女の最新の展示会「One’s inner most thoughts(心に深く秘めた思い)」が、5月11日までロンドンで行われています。
今回は、北九州市の門司港で肉体詩人・金亀伊織さん、坊内由香さん、そしてフォトグラファーのKaori Itoさんで撮影した写真を始め、ドレス、展示会までの軌跡を追った映像、過去のアーカイブ作品も展示。
人の感情は無限大であり、自由であると信じています。しかし、この世の中には本心ではないことに、順応して生きていかなくてはならないこともあります。
例えて言うならば、体に布を纏うということは温もりや安心を感じることもできます。同時に感情を遮られたり、あるいは隠したりすることもできます。そのような人々の相互間の葛藤、心の思いを布と体を通じて表現します。
ヨーロッパ諸国は世界的にもリサイクルやエシカル、サステイナブルに対して意識関心がとても高く、いい刺激になっていると話してくれた谷さん。彼女のリサイクルドレスはロンドンという街から、ゴミへの価値観を少しずつ変え始めています。
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