2つの生地を重ね合わせて留めるジッパー。その他にもファスナー、チャックなどいろんな呼び名がありますよね。そのいろいろある名前の由来ですが、YKKのWebサイトにこんな解説がありました。

1891年に米国ホイットコム・ジャドソン氏が、靴ヒモを結ぶ不便さを解決しようと考えたものがファスナーの起源とされています。1921年に米国のメーカーが、閉める時の「シューッ」という擬音の「Zip」からファスナーを「ジッパー」と命名し、その呼び名も浸透しました。日本では、1927年に尾道で「巾着(きんちゃく)」からもじって、ファスナーを「チャック印」として販売したところ評判になり、「チャック」という名前が定着しました。

引用:ファスナーのなるほど [YKK]

そんなジッパーを巨大化してアートにしたのがアーティスト北村純さん。トップの画像はとあるアート展での写真。池の真ん中に巨大なジッパーを設置したもの。巨大化すると開けた先が異次元につながっていそうになるのは、非日常的なところへのあこがれなんでしょうか。



こちらはハウスメーカーの住宅展示場をお借りしての作品。もうすぐこの住宅展示場が取り壊しになるということで、美術展をやることになったそうです。その一室を利用して3Dジッパーを制作。ジッパーをあけることで床下が見えるようになっていて、住宅の広告っぽいアートになりました。



時系列的にはこれが最初のジッパーアート。東京都庁が企画したストリートアートペインティングという事業に出展した作品です。そう、最初はトリックアート風のペイントだったのです。それが立体化してついには水面に異空間をつくることになったのです。

余談ですが、この作品を観た時最初に思い出したのは、マンガ『ジョジョの奇妙な冒険』の第5部に出てくるブローノ・ブチャラティというキャラクターのスタンド「スティッキー・フィンガーズ」(どこにでもジッパーを取り付ける特殊能力)。

もともとは2つのものをつなぎとめるジッパー。それを逆手に取って、普段開けられないところをあけるこのジッパーアート。さあ異空間への入口が開きましたよ。

ジッパーアート

[北川純]

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