キャンドルのような柔らかな光を楽しめるこの照明は、アーティスト高橋理子さんと、照明メーカーである「マックスレイ株式会社」との取り組みから生まれました。
明かりを点けると柄が浮かび上がるシェードは、紙メーカー竹尾の特殊紙「パチカ」を使用しています。パルプに樹脂を混ぜて作られているパチカは、印刷の箔押しなどと同じように型を使い、熱と圧力をかけることにより、溶けた樹脂がパルプに染み込むことで透ける効果が生まれます。
明かりを点けていない時にも、パチカの立体感のある表情を楽しめる照明になりました。
このパチカに柄を施すために必要なヒートプレスの技術は機械で行なうため、一見簡単そうに思えますが、実際には職人の経験と勘、そして高い完成度を追求する情熱が欠かせないもの。
小さな面積であれば、さほど気にせずに加工できるのですが、このシェードのように一面に柄が施され、光を均 一に透けるように加工するためには、とても繊細な作業を繰り返す必要がありました。
銅の腐食版や鉄製台座に見られるほんの些細なゆがみと、目に見えないほどの紙の厚みの乱れが影響し、紙の全面に均一に熱を加えることはとても難しいものでした。
それをクリアするために、分厚い鉄製の台座の下に小さな紙片を挟むなど、ごく微細にゆがみを調整していく作業が、最も大切な工程となったのです。
台座の部分は大阪のへら絞り職人により、照明器具としての安定性を考慮したバランスで作られています。転倒時の安全装置もあり、照明専門のメーカーならではの完成度と安心感のあるライトに仕上がりました。
暮らしの中に溶け込むような、キャンドルのように柔らかな光を楽しめるテーブルライトです。
HIROCOLEDGE テーブルライト/EN[ARIGATO GIVING]