2000年以降、アメリカの西海岸からはじまった、コーヒーの第3のムーブメント「サードウェーブ・コーヒー」は、瞬く間に、ニューヨーク・英ロンドン・独ベルリンといった、世界のトレンド発信地へと伝播し、2013年頃からは、日本でも少しづつ広がってきましたが、ようやく、仏パリにも、この新しいコーヒー文化が伝来しています。
パリ10区ポルト=サン=マルタン地区(Porte-Saint-Martin)の「HolyBelly」は、パリのサードウェーブコーヒー界を代表するカフェです。
豪メルボルンのスペシャリティコーヒー専門店「Market Lane Coffee」の元バリスタが丁寧に淹れてくれる、とっておきのコーヒーは、地元のパリジャン・パリジェンヌに大人気。私が訪れた、ある日曜日の午後には、外で行列する人々の姿が多く見られました。
HolyBellyのカフェラテは、独特のコクと香りを持つコーヒーと、細かな泡が心地よいスチームミルクとの相性が抜群。どちらかというと、とろりとした飲み口です。
スターバックスなどの深煎りコーヒーの味に慣れている人には少し違和感があるかもしれませんが、ゆっくりと飲み進めるにつれて、サードウェーブコーヒーならではの個性的な味わいが、クセになってきますよ。
パリのカフェは、かつて、思想家や作家、歌手、俳優らが集う文化的活動の拠点としてにぎわい、現在も、人々の日常生活に根付く場所。
「サードウェーブコーヒーという“新しい波”が、伝統あるパリのカフェ文化にどのような影響を及ぼしていくのか?」という観点でも、パリでのサードウェーブコーヒーの今後が気になります。