先日、渋谷の書店で素敵な写真集を発見し、以来何度となく見返しては、驚きと感心のため息をついています。
その写真集とは
『Advanced Style–ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ』大和書房刊(アリ セス コーエン 著 岡野 ひろか 訳)
写体は60歳から100歳までのニューヨークに住むおばあちゃん達。
年齢を恥じることなく、誰よりもオシャレを楽しんでいるように見えるのはお国柄のせいでしょうか? 日本では50オーバー、60オーバーと人生を年齢で区切るのが常。寄る年波と増える体重、弱っていく体力にため息をつき、その年齢なりの生き方を考えるのが一般的です。しかし、彼女たちにとっては年齢は単なる記号に過ぎず、Oldという言葉を否定的に捉えていない、と感じられるのです。
少女のような表情が実に魅力的な80歳のジョイス。彼女は「大人の女性として、わたしは流行を追いかけずに、エレガンスを求めているの」と言い、人生の遍歴こそが彼女のスタイルを完璧かつ洗練されたものにしているのだと思います。
ベルト、ネックレス、イヤリングのゴージャスな小物使いにファッショニスタの風格さえ感じるローズは100歳。「もしみんなが着ているものであれば、それは私の着るものではない」という彼女の言葉は、流行を追うこと=オシャレの日本の若者たちへの警鐘のようにも聞こえます。
自分の好きなものを自由に着こなし、心底おしゃれを楽しんでいる彼女たちを見ると、年齢を超えた美しさを感じざるを得ません。一生涯、女性として生きるために…、是非、自身のバイブルとして手に取っていただきたい写真集です。
Advanced Style–ニューヨークで見つけた上級者のおしゃれスナップ[アマゾン]
撮影:Ari Seth Cohen