Anneta Konstantinides – BUSINESS INSIDER US[原文]訳:山口佳美 BUSINESS INSIDER JAPANより転載:

Anneta Konstantinides/Insider

家族の誰かが体調が悪くなると、筆者の父はいつもアヴゴレモノスープを作ってくれた。 ギリシャ伝統のこのスープには鶏肉、米、卵、レモンが使われている。 筆者の父のレシピはものすごくシンプルだ。

筆者はギリシャ伝統のアヴゴレモノスープを食べて育った ━━ 鶏肉と米にアヴゴレモノソースを加えて作るスープだ

この写真とは異なり、伝統的なギリシャのアヴゴレモノスープにはスライスしたレモンは入っていない。Candice Bell/Getty Images

「アヴゴレモノ」はギリシャ語で「卵」と「レモン」を意味する。卵とレモン汁を混ぜて、ブロスと一緒に温めたシンプルなソースのことだ。

ドルマデス(ブドウの葉の詰め物)やラハノドルマデス(ロールキャベツの詰め物)の上にこのアヴゴレモノをかけて風味をプラスすることもあるけれど、アヴゴレモノが真価を発揮する料理はスープだ。アヴゴレモノスープはギリシャ人にとって”特別”だ。

筆者の父(パティシエの父親の下で育った料理上手)はこれまでわたしに伝統的なギリシャ料理の作り方をいくつか教えてくれた ━━ 寒くなってきた今回はアヴゴレモノスープだ

筆者の父。Anneta Konstantinides/Insider

家族の誰かが体調が悪くなると、父はいつも夕食にアヴゴレモノスープを作ってくれる。このスープのレシピにはいろいろなバリエーションがあるけれど、父は古典的なレシピを守って鶏肉と米だけを使う。

「あまり重くしたくないんだ。体調が悪い時は何か軽いものがいいからね」 と父は言う。

アメリカでは体調が悪くなるとチキンスープを食べる人が多いかもしれないけれど、筆者の父はアヴゴレモノスープの方が圧倒的に良いと考えている(筆者も同感だ)。

さすがにキャンベルのスープ缶を開けるほど簡単とはいかないものの、父のレシピはものすごくシンプルだ。作り方を紹介しよう。

普段からキッチンにありそうなシンプルな材料

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父の伝統的なアヴゴレモノスープ(4人分)を作るのに必要な材料は:

鶏むね肉 2枚 ※ドラムスティックも4本使用 卵 2個 チキンブロス 2カップ(またはチキンブイヨンのキューブ2個) レモン 1個 中粒米 2/3カップ 玉ねぎ 1/2個

好みに合わせて、鶏肉は自由に組み合わせていい。もも肉を入れてもいいし、丸ごと鶏を使ってもいい! 肉を使いたくなければ、使わなくても美味しくできる。

我が家のレシピは常にシンプルだけれど、父いわく、にんじんやセロリを入れても美味しいそうだ。ただ、主役はあくまでアヴゴレモノだ。

まずは玉ねぎを刻んで…

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食感を多少残したいので、それほど細かく刻む必要はない。

鶏肉に味付け

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父は鶏肉の両面に塩コショウをしておくことをお薦めしている。

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オリーブオイル(大さじ1)を圧力鍋または鍋に入れて温める

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アヴゴレモノスープを作る時、父は圧力鍋を使っている。そうすることで、20分ほどでスープが完成するからだ。ただ、自宅に圧力鍋がなくても、このレシピは普通の鍋を火にかけて作ることもできる(調理時間は30~35分くらい)。

オリーブオイルが温まったら、玉ねぎ、鶏肉を順番に入れる

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玉ねぎは中火で炒める。

鶏肉は玉ねぎが完全にきつね色に変わる前に鍋に入れ、両面をそれぞれ1~2分ほどきつね色にまで炒める。

そこへ水と、チキンブロスまたはチキンブイヨンのキューブを入れる

父はチキンブイヨンのキューブで作ったことも、チキンブロスで作ったこともある。Anneta Konstantinides/Insider

チキンブイヨンのキューブを使う場合は、水5カップとキューブ2個を鍋に入れるといいと父は話している。チキンブロスを使う場合は、水3カップとチキンブロス2カップだ。

好みに応じて、塩で味を調える(ただし、チキンブイヨンやチキンブロスにはすでにそれなりの量の塩が入っているので、入れ過ぎないよう注意が必要だ)。

そこへ米を入れる

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鍋に蓋をし、鶏肉と米に火を通す。圧力鍋を使う場合は高圧で11分ほどでできるはずだ(ただし、調理時間は使用するモデルによって異なる)。

スープを煮込んでいる間に、アヴゴレモノを準備する

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まずは卵を割って、小さい鍋の上で黄身と白身を分ける(白身を鍋の中に)。

黄身は慎重に脇に置いておく

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すぐにまた必要になるので、捨てちゃダメ!

泡立て器またはフォークで白身をふわふわになるまで泡立てる

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ソースはこれでほぼ完成したようなものだ!

そこへ黄身を入れて、全体を泡立てる

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「最初から白身と黄身を一緒に泡立ててもいいけれど、先に白身だけ泡立てておいた方がアヴゴレモノがふわふわに仕上がるんだよ」と父は話している。

そこに絞ったレモン汁を加える

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全体を泡立てれば完成! 自分だけのアヴゴレモノソースができた。

鶏肉と米に火が通ったら、鍋から鶏肉を取り出して置いておく

Anneta Konstantinides/Insider

この後の手順のために、スープは2~3分ほど冷ましておこう。

おたまでスープをすくい、アヴゴレモノの入った鍋にゆっくりと注ぐ ━━ 泡立て器またはフォークでかき混ぜ続けるのを忘れずに

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アヴゴレモノは冷たくてスープは熱いので、ソースを一気にスープに入れることはできない。アヴゴレモノの卵が熱で凝固し、スープが台無しになってしまうからだ。ゆっくりと少しずつ混ぜていくことで、滑らかでクリーミーなスープになる。

この作業を3~4回繰り返す

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この頃までにアヴゴレモノも十分温まってきたはずだ。

それを残りのスープが入っている大きな鍋(または圧力鍋)に戻す

Anneta Konstantinides/Insider

あともう一息…

器に鶏肉とスープを入れ、お好みでコショウを振ったら完成!

Anneta Konstantinides/Insider

アヴゴレモノスープはコクがありながら、レモンのおかげでさっぱりしているところが筆者は大好きだ。

シンプルなレシピでありながら、満足感がある。この味を表現するには「優しい」という言葉がぴったりだと思う。胃の不調や喉の痛み、あるいは疲れた心を癒したい時に持ってこいだ。

筆者は父が作るアヴゴレモノスープのおかげで何度も体調不良や寒い夜を乗り越えてきた… このレシピがどうかあなたの癒しになりますように

Anneta Konstantinides/Insider

子どもの頃、具合が悪い時はいつもアヴゴレモノスープが食卓に並んでいた。実は父からこのレシピを教わった時も、筆者は喉が痛かったのだけれど、レモンの風味が効いたこのスープの匂いを嗅いだだけですぐに元気が出てきた。筆者にとって、このレシピは故郷を思い出させるだけでなく、薬なのだ。

寒い季節を乗り切るために、父のアヴゴレモノスープが少しでもあなたの癒しになることを願っている。

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