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いま「台湾産コーヒー」がおもしろいらしい。各賞総なめにした農園オーナーにインタビュー

2023/12/28 12:30 投稿

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Text by TNL JP 編集部 The News Lens Japanより転載:

注目ポイント
台湾の「青葉 珈琲荘園」をご存知だろうか?

行政院農業部(旧農業委員会)土壌水利局が推進する「初めての珈琲」キャンペーンを機にその名が知られ、産出するコーヒー豆の品質の高さは日本のカフェでも注目されている。

現地コーヒー農園のコンテスト「阿里山荘園珈琲精英交流賽」では2019年にウォッシュドプロセス(水洗式精製)、ハニー(半水洗式)プロセス、ナチュラル(乾式)プロセスの各精製部門で入賞を果たし、21年には乾燥式精製部門の特等賞を受賞。ウォッシュドプロセス(水洗式精製)のコーヒー豆では台湾史上最高の販売価格で取引された農園だ。

編集部では農園オーナーの葉世遠さんを直撃し、上質のコーヒー豆を生み出す秘訣についてインタビューした。

「八八水害」機にコーヒー豆栽培へ

もともとは観光茶園を経営していたで「青葉」だが、転機は2009年の8月の台風8号がもたらした。

同月6日から10日にかけ中南部および南東部で発生し、未曽有の爪痕を残した「八八水害」だ。青葉のある嘉義県梅山郷でも大規模な土石流が発生し、それまで茶園とともに経営していた観光施設・青葉山荘と民宿が2年間休業を余儀なくされたことが契機となった。

休業期間中に友人とコーヒーを飲む機会が増え、コーヒーに興味を持った。施設再建の際には敷地内にコーヒーを栽培するだけの充分なスペースがあることに気づき、自家栽培のコーヒーを販売しようと、「青葉珈琲荘園」ブランドを立ち上げる決心をし、コーヒー豆の栽培から焙煎までを手がけるようになった。

「青葉珈琲荘園」のコーヒーガーデン=嘉義県梅山郷 ®青葉珈琲荘園提供

コーヒー栽培を決心したものの、当初葉さんにはノウハウが一切なく、ゼロからのスタートだった。だが茶葉栽培とコーヒー栽培には共通する点も少なくない。それまでの豊富な茶葉栽培の経験が結果的に役に立ち、さほどの苦労もなくコーヒー栽培への切り替えに成功したという。

顧客獲得に苦慮した黎明期

しかし最大の難関は、新規事業の経営と、販売ルートの開拓だった。

当初は自分の農園で作ったものだけでなく、仲間の農家と協力して他の栽培農家からコーヒー豆を仕入れ、それを自家焙煎していた。大量のコーヒー豆を扱うことにはなったものの、業界に関する知識に乏しかったため、経営を支えるだけの顧客網ももたず、販売面においては手も足も出ない状態だった。

のちに青葉珈琲荘園は、現在台湾で最も優れた業界団体「嘉義県珈琲産業発展協会」に加入し、コーヒー豆の栽培や精製技術を研究。協会の仲間と情報を共有しながら、多くのことを学んだ。

この協会は2010年に設立され、高品質なコーヒー豆の栽培を専門とする200人以上の会員を擁する。葉さんは2019年の現地コーヒー農園対象のコンテスト「阿里山荘園珈琲精英交流賽」に出品し、一年目にウォッシュドプロセスで金賞、ハニープロセス(パルプドナチュラル)で銀賞、ナチュラルプロセスで銀賞を受賞した。21年にはウォッシュドプロセス部門の最高賞である「特等賞」にも輝いた。

コーヒーの主な精製法としては、すっきりと爽やかな味わいを演出することで一般的なウォッシュドプロセス(水洗式精製)をはじめ、フルーティな風味を生むナチュラルプロセス(乾式精製)、両者の中間にあたり甘さや質感に富むハニープロセス(パルプドナチュラル=半水洗式精製)などがあげられるが、同コンテストでも全5部門のうちこの3部門が主流で、初参加でこの3部門で入賞した快挙により、業界で注目を集め、多くのコーヒー生産者やバイヤーと交流を広げるきっかけとなった。

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