Text and Photographed by 小野瀬わかな
BUSINESS INSIDER JAPANより転載:
私たちが普段使っている食器。
毎日使うものにも関わらず、ゴミとなった陶器は埋め立てる以外に処理方法がなく、これまで陶器のリサイクルは難しいとされてきた。
ところが最近は、陶器を再利用した食器があるらしい。
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「リサイクル土」を使用
小田陶器株式会社 TOH Re50 19壱重 クリーム 税込1375円今回購入した「TOH(トウ)Re50シリーズ」は、回収した不要な食器を粉砕して、もう一度土に混ぜ込んだ「リサイクル土」を使用した食器だ。
このリサイクル土が50パーセント配合されていることから、「Re50」というシリーズ名がついているらしい。
一般的に陶器は1300度前後で焼き上げるが、リサイクル土の割合が50パーセントになると、その温度を200度程度下げられるようになるそうだ。結果として、焼成時の二酸化炭素排出量も大きく抑制することに成功している。
この食器を作っている小田陶器株式会社は、美濃焼の産地で知られる岐阜県瑞浪市にある企業だ。しかし、近年では、陶器の原料である「陶土」という土の枯渇が深刻化しているらしい。
陶器の再利用を実現しただけでなく、限りある原料の確保や二酸化炭素排出量削減に貢献しているサステナブルな食器となっている。
どんな料理にも使いやすい
色はクリーム色となっており、陶器ならではの温かくてやわらかいマットな質感がかわいらしい。
私は19センチの中皿を買ってみたのだが、夕飯時の取り皿として使ったり、朝食時のパンやフルーツを載せたりするのにちょうど良いサイズ感だ。
仕事、家事、育児と毎日忙しい中、料理に関してもどちらかというと義務感に駆られてやっているタイプなので、「テーブルコーディネート」とか「おしゃれな食卓」を楽しむ余裕はあまりない。
かといって、雑然とした食卓もなんだか寂しい。できることなら、何も考えずともその食器を使うだけで「なんだかいい感じ」に仕上がる食器が欲しいと思っていた。
その点、この食器は色・デザインともに非常にシンプルなので、合わせる料理や食器を選ばないところが使いやすい。
センスやこだわりがなくても、「なんとなくいい感じ」にまとまってくれる使い勝手の良さが嬉しい。
気泡の跡がある場合も
私が購入したものには見受けられなかったのだが、個体によっては気泡の跡がある場合もあるらしい。
リサイクル土は様々な陶器を非常に細かく粉砕し、土に混ぜて成土する。そのため、生産過程でどうしても空気を抱き込んでしまうそうだ。
結果として、本焼成時に中の空気が外に押し出され、気泡のようなクレーターができることがあるという。
使用には全く問題ないそうなので「リサイクル土を使用しているからこその個性」として愛することができればいいのだが、程度によっては個体差が気になる場合もあるかもしれない。
家族分揃えてもコンパクトに収納できるよう設計
小田陶器株式会社ホームページよりキャプチャ
このシリーズは、今回購入した中皿以外にも、豆皿からボウル、ディーププレートまで、さまざまな大きさ、深さの皿が展開されている。
どのように重ねても気持ちよく収納できるように設計されているらしく、ある販売サイトによれば、奥行30センチの食器棚に、4枚ずつ全10種類の器を収納しても横幅55センチに収まるそうだ。
家族の人数分揃えても収納に困らない食器は嬉しい。シリーズで集めていきたいと思う。
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