筆者は写真を撮り歩くのが好きなのですが、それにともないカメラも大好き。今回、富士フイルムのINSTAXチェキシリーズから面白そうな新カメラが仲間入りしたらしいという情報を入手したので、さっそく試してみることにしました。

ファインダーもモニターも、印刷もでき“ない”撮影特化のカメラ

富士フイルム「INSTAX Pal」 13000円(税込) ※Amazon価格

2023年10月5日に新発売となった「INSTAX Pal」。撮影に特化した“一風変わった”チェキです。

INSTAX Palは手のひらに乗るぐらいのコンパクトなサイズ感。

チェキといえば、シャッターを押したらすぐに印刷できるというのがこれまでのデフォルトでしたが、ゴルフボールほどの大きさの本体には、当然フィルムを入れる場所も、モニターも、ファインダーすらありません。

搭載しているのは広角レンズ、フラッシュ、スピーカー、電源ボタン、シャッター、電源ポート、microSD用の挿入口、ストラップホルダーのみという潔い商品です。

使ってみて感じたこと、気づいたことなど、リアルな使用感をまとめました。

起動するまであっという間!

起動までにかかる時間がとてもはやいです。

電源ボタンを押してからものの1秒くらいで起動するので、撮りたい瞬間を逃しません。撮影までのステップもとても簡単で、本体上部にある電源ボタンを押してから本体背面にあるシャッターボタンを押すだけという手軽さも良いです。

とはいえ、ファインダーもモニターもないカメラなので、ちゃんと撮影できているかどうかはわからないのですが……(笑)。

簡易ファインダーとしても使用できるストラップが付属してはいるものの、これで画角を把握するのは相当難しいと思います。

データを送信するのにけっこう時間がかかる

撮った写真はスマホで確認します。INSTAX Palの電源をONにした状態でアプリを起動すると、INSTAX Palの中に溜めていた写真が勝手に送信される仕組みです。

ただ、1枚送信するのに15秒かかるので、枚数を溜めてしまうと大変かも。筆者は試し撮りも含めて30枚溜めてしまったのですが、ちょっと後悔しました。こまめにアプリを立ち上げるようにしたほうが良さそうです。

意外と自由度が高め! 専用アプリで、楽しみの幅が広がる

タイマー、フラッシュ、露出補正などの各種設定はスマホにインストールした専用のアプリから行います。さらにシャッターサウンドの選択、エフェクトやスタンプ、文字の挿入、画像の回転・拡大縮小など、アプリ上でできることの多さに驚きました。

そしてこれまでのチェキ(ハイブリッドタイプに限る)では、プリントしたもの以外は加工した画像をDLすることはできませんでしたが、INSTAX Palは加工した画像をそのままDLすることができるんです! 

しかも撮影特化のINSTAX Palには、フィルムサイズがありません。専用の用紙サイズがないので、ミニ・スクエア・ワイドのどのタイプにもサイズ変更することができます。もちろんプリントする場合は自分が持っているフィルムの大きさになってしまうけど、データとして保存するなら、被写体や好みのフィルムサイズで残せます。ちなみに筆者は今、スクエアにハマっています!

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プリントよりもデータ保存向きの画質かも?

撮った写真をデータで残す場合は、スマホに専用アプリをインストールしてそこからDL保存すれば良いのですが、チェキのフィルムにプリントするためには、INSTAX LinkシリーズもしくはINSTAX mini EvoやINSTAX mini LiPlayなどのハイブリッドタイプのチェキと接続する必要があります。

ただ、使ってみて思ったのは、プリントをするよりもデータとして残すほうがチェキっぽい画質になっている気がするということ。

以前から使っているINSTAX mini LiPlayでは、画質自体がもう少し高画質だったのか、プリントするとちょうど良いエモさになっていたのですが、INSTAX Palはスマホの画面上でちょうど良いエモさになっているため、フィルムにプリントすると少しぼやけた写りになる印象です。

撮影時の画質はナチュラルとリッチの2種類から選べますが、正直そこまで大きな差は感じられませんでした。個人的には、プリントして残すよりも画像データとして保存しておくほうが良いかもしれないと思っています。

操作音が消せない&手から滑り落ちそうなフォルムに注意

操作音やシャッター音、起動音などは消音にできません。一番小さくすればそこまで気にならないけれど、それでも静かな場所での撮影は気をつかうかも。また、本体がさらさらした質感なので注意して持たないとうっかり手から滑り落ちそうになり焦ります。

筆者は滑り落ちを防止するため、シリコンカバーを追加購入しました。キーホルダーと合わせて持ち運んでいると、おもちゃみたいな可愛さがあります。

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撮影するタイミングを選ぶけど、概ね好印象の技ありカメラ

まず、撮った写真をすぐに確認できることに慣れてしまっている今、それができないことが不便。また、しっかりしたファインダーがないため画角も把握しにくく、写真が曲がっていることが多くあり、撮り直しのきかない写真を撮影するのには不向きかも。

とはいえ、シンプルな操作性とコンパクトなサイズ感はとても好印象。小さいサイズ感に加えて、約41gと軽量なので、これまでのチェキシリーズと比べると持ち運びのしやすさは桁違い! 

普段の何気ない日常を面白く個性的に切り取れるので、サブカメラとして持ち運ぶぶんにはじゅうぶん楽しめそうです。大切な瞬間を切り取るよりも、何気ない瞬間を切り取ることに長けているカメラだと感じました。

価格が少しお高めなのと、防水機能がなく使用範囲が限られてしまう点が残念に感じますが、それでもいろいろなところに持っていって、手軽にスナップ撮影を楽しむにはじゅうぶん“アリ”なカメラだと思います。

「写ルンです」っぽい写真が簡単に撮れるアイテムを見つけたよ

ミニプロジェクターで迫力映像を楽し見たい!

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