Photographed by Megumi Uchiyama 神奈川県横浜市で暮らす設計士のSさんと、インテリアコーディネーターのharuさん。お子さまの誕生を機に、築23年、広さ70㎡の中古マンションを購入しました。
もともと3LDKだった間取りをSさんの設計により「明るく気持ちよく暮らせるようなワンルーム」にフルリノベーション。
北欧とミッドセンチュリーの家具がミックスされたお部屋は、とても2歳になるお子さまがいるようには思えないほどスッキリしていて暮らしやすそうです。
おふたりの住まいのように居心地の良い空間を作るには、どうしたら良いのでしょうか? そのヒントやアイデアを伺いました。
名前:Sさん(設計士)、haruさん(インテリアコーディネーター)、お子様(2歳)場所:神奈川県横浜市
広さ:70㎡、1R
リノベーション費用:非公開
築年数:23年
間取り図:
Sさん、haruさん作成
詳しいお部屋のインタビューはこちらから↓
住まいのプロが3LDKからワンルームにリノベ。機能性とデザイン性が両立した暮らし(横浜) - ROOMIE(ルーミー)
暮らしのアイデア①
物を置く場所を増やさない
「衣類を収納するスペースは、クローゼット付きの小部屋だけ」と話すSさんとharuさん。収納スペースは最小限にとどめ、その分、空間を広く使っているのだそう。
「せっかく広い家を買ったのに、その半分が収納で埋まっているのは寂しいと思うんです。収納スペースが最小限だと余計なものを買わないですし、買ったものを大事に使うことにもつながるので、結果的に豊かに暮らせると思います。
北欧の人たちのように、僕たちが買って大切に使ってきたものを子どもたちや次の世代に譲るような文化が日本にも広まっていったらいいなと。
スクラップアンドビルドを繰り返すのではなく、古き良きものを直しながら長く使っていくような暮らしができたら素敵ですよね」(Sさん)
「子どものおもちゃも一定数に決め、それ以上増やさないようにしています。
おもちゃが1つ増えたら、帰省用として実家に持っていったり、どなたかに差し上げたり工夫しています」(haruさん)
荷物の量に収納を合わせるのではなく、収納スペースに荷物の量を合わせることがポイントなんですね。
暮らしのアイデア②
ペーパーレスにする
設計士のSさんはリビングの一角にあるワークスペースで仕事をしています。
ハーマンミラーのセイルチェアと一枚板のテーブルが素敵なワークスペースには、パソコンが1台。それ以外に余分な書類などは一切なく、驚くほどすっきりと片付いているのです。
「ペーパーレス主義なんです。残さないといけない資料はpdfにして保存し、いらないものは捨てるようにしています。
どうしても必要な紙類はワークスペースの下の収納ボックスにしまっています。キャビネットを置こうと思っていたのですが不要でした」(Sさん)
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暮らしのアイデア③
ベースカラーに差し色を入れてバランスをとる
おふたりの人柄をあらわしているかのように、お部屋は温かみのある柔らかい雰囲気。
ついつい長居してしまいそうなほど居心地が良いのは、色使いに秘密が。
「部屋の壁を真っ白にしてしまうと眩しい感じになるので、あえて若干ベージュを入れたんです。そうすることで部屋全体のトーンが落ちるので、それに合わせて周りの色も考えていきました。
キッチンの面材は少しくすんだピスタチオグリーン、ソファの座面やリビングとベッドルームを仕切るカーテンはグレーと寒色系でまとめています。
そのままだとつまらないので、ちょっと濃い色のアートやクッションを差し色的に置いてバランスを取っています。
子どものおもちゃは原色のものが多いのですが、HAYで買った寒色系のボックスにまとめて入れておくと、インテリアとも馴染んで悪目立ちしません」(haruさん)
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暮らしのアイデア④
新しいものと古いものを組み合わせて、温度感を出す
新しいものと古いものが両方ある空間が好きと話すharuさん。それがお部屋全体の温度感につながっているようです。
「新しいキッチンに、エイジングを施した足場板を使った飾り棚を付けました。そうすることで空間に暖かさや馴染みやすさが出てくるんです」(haruさん)
キッチンの飾り棚のほかに、リビングのソファに使っている木もエイジング加工を施しているそう。
リノベーションして間もない空間に、北欧やミッドセンチュリーの家具が馴染んでいる背景には、こうした工夫があったのですね。
暮らしのアイデア⑤
余白を作る
インテリアの一部にも、主役にもなっているピスタチオカラーのキッチン。
飾り棚には、おふたりの好きなコーヒーやお茶を淹れるためのツールが並んでいるのですが、ごちゃついた感じが一切ありません。お部屋の中でも生活感が出やすいキッチンをセンスよく見せるために意識していることはあるのでしょうか?
「余白を作ることを意識しています。そのために、本当に自分が好きな物が何かを知ることはとても大切です。
たとえば、私の場合、コーヒーとお茶が好きというより、その時間が好きなのでコーヒーやお茶を淹れる道具類はある程度の数があればいいんですね。でも本当にコーヒーが好きな人は、もっとたくさんの道具や機械などを持っているかと思います。
インテリアコーディネーターとしてお客様からご相談を受けるときには、その方が何を好きかについてお話をしながら進めて、その範囲で必要な収納を作ったり、必要なものを配置するようにしています。
私もこの家に住んで、自分が何が好きなのか発見がありました。リノベーションは、ある意味自分との対話でもあるかもしれません」(haruさん)
自分の好きなものを知ることや、余分なものを持たないことで空間に余白を持たせることが快適なお部屋づくりの大切なポイントなのですね。
詳しいお部屋のインタビューはこちらから↓
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