「Migaru GRAY-BAG」と相性抜群の“アレ”を組み合わせたおすすめのセットです! いままさに飛ぶ鳥を落とす勢いといえる人気セレクトショップ「フリークス ストア」が「フリークス電気」なるものをローンチ。
その仕掛け人であるデイトナ・インターナショナル執行役員ブランディング本部部長の清宮雄樹さんにお話を伺いました。
フリークス電気とはいったい何?
フリークス ストアを運営する株式会社デイトナ・インターナショナルの執行役員ブランディング本部部長の清宮雄樹さん
――セレクトショップであるフリークス ストアが「フリークス電気」というものを始めたと伺いました。
まず最初にお伝えしたいのが実は「フリークス電気」は事業ではないんですよ。収益を出すビジネスモデルということで始めた訳ではないんですね。
「みんなの電力」を運営する電力会社の「アップデート」 さんと一緒に、このフリークス電気というパッケージをプロデュースするという企画で、実際にフリークス ストアが売電をしていることではないんですね。
販売とか送電の部分とかっていうのは、みんなの電力さんのインフラを使わせていただいてるので、プロジェクトに近い立ち位置と考えています。これが2022年6月にプロジェクトとしてローンチしました。
――それにしても、ファッションのセレクトショップである業態が電気、という点が驚きでした。
ある日突然、「電気やろう!」となったというわけではなくて、フリークス ストアの、これまでの長い歴史の中でローカルとか、地域課題とか、そういったサステナブルという言葉が一般化される前からやり続けてきたものがあるんですが、それが形になってきたんです。
――フリークス ストアといえば洋服屋さん、というイメージが強いですが元々サステナブルな活動をされていたんですね。
フリークス電気は、サステナブルといった言葉が一般的になり、そんなタイミングの中で必然的に生まれた取り組みだと思っています。
いま企画としては、長野の「耕作放棄地に新しい魅力」をテーマにしてるんですが、それ以前にも同じく長野で別のジビエ企画が進んでいたりとか、割とストーリーの中で生まれてきた企画と言えますね。
フリークス電気のボランティアスタッフ用のキャップ(非売品)
みんなの電力さんは再生可能エネルギー自体を売電してるだけの企業ではなくて、電力の畑で誰が作ってるかという生産者の見える化を実現しているんですね。
どこで作られたどんな電気かわからないものを使うのではなく、どこで誰が作った電気を使うか、といったことを選択できるシステム作りを彼らはやっているんです。
――なるほど。まさに農作物と同じですね。ところで、フリークス電気の仕組みを教えてください。
長野県の上田市にある太陽光パネルに太陽光が蓄電されます。
お客様はその数ある発電所さんの中からフリークス電気パッケージをお選びいただくと、月の契約金の中から100円の応援金が、長野の耕作放棄地の活性化活動をされているNPO法人「シナノソイル」さんの方に活動資金という形で支払われます。
それらの資金を使って、シナノソイルの方々が耕作放棄地としてかなり生い茂ってしまっているところにポップコーンを植えるんです。
――ポップコーンですか……? なぜポップコーンなのでしょうか?
ポップコーンは日本国内で流通しているもののほとんどが外国産なんです。国産ポップコーンを作ることで貴重な価値が生まれ、新たなそのご当地の名産品として開発していこうというのが企画の狙いです。
耕作放棄地を有耕地にして作られたポップコーン。
――耕作放棄地の有効活用にもなるし、さらにポップコーンも名産品にできるし一石二鳥ですね。
そうなんです。さらに、耕作放棄地って言葉で聞くと放棄されているだけのように聞こえるんですが、薮が生い茂ってしまっていて、そこに山から下りてきた鹿や猪などの格好の隠れ家になっているんです。
するとその隠れ家のそばで作っている農作物が食べられてしまうなどの被害があります。いま現状でいうと2020年の被害が年間7.4億円(※長野県野生鳥獣被害対策本部資料より)と言われていて、獣害で作物がやられてしまっているんです。
数年前に比べると対策も進み抑えられてはいるのですが、それでもかなりの額の被害が出ているので、耕作放棄地をポップコーンの有耕地に変えていくことで被害を減らすことができます。
また、ポップコーンはすごく栽培がしやすいんです。加工品としても広く使えるので、乾燥させれば日持ちもします。
ポップコーンって映画を観る時の欠かせないお菓子という点で、アメリカンカルチャーを感じさせるところもあって、フリークス ストアとの親和性もありますよね。
若い世代に向けて認知してもらいたい思いはあるんですが、どこか重たいというか、かしこまりがちなので、例えばポップコーンだったらどうか。キャッチーだし、なんか可愛いし、映えそう、と思ってもらえたらと。
――なるほど。フリークス ストアのファン層にも届けたいんですね。
「デザインが素敵!」みたいなところから入って、知ってもらうきっかけを作るという部分では非常にいい形のコラボレーションができているのかなと考えています。
地域課題の解決にキャッチーなビジュアライズで介入
長野県庁のジビエ振興室との取り組みで制作した「ジビエフリーク」では、鹿の害獣問題について深掘りしている。
――さらに獣害問題の解決にも貢献しているんですね。一石三鳥というか。
以前、長野県庁のジビエ振興室との取り組みで「ジビエフリーク」っていう冊子を作成しました。その内容は、鹿の獣害問題についてでした。
ハンターの減少や、ハンターの役割の認知度が下がり、獣害が非常に増えてきているとか、お肉が利活用されないまま捨てられてしまっている現状など、いろいろな地域課題があったんですよね。
それを複合的に解決するための僕らの出したアンサーは、地域課題をキャッチーに、鹿肉を食べたらどんなSDGsになるだろう、みたいなものを図解したメディアを作ろうと。それが「ジビエフリーク」という形になりました。
さらに、ジビエ自体をもっと食べてもらう企画を地元のレストランと一緒にメニューも含めて開発をしていく。
ふるさと納税の返礼品にもなっている「ジビエカレー缶」。ジビエを長期保存するために缶詰にする発想から生まれた。
ジビエのお肉って、今までは新鮮な肉を新鮮な状態で食べるのが当たり前でした。なので僕らは保存の効く缶詰にすることで長く食べられようにしました。それがご好評いただき、この「ジビエカレー缶」は、ふるさと納税返礼品にもなりました。
――まさに他社とのシナジーによって生まれた素敵なコラボですね。
ローカルごとの地域課題を若い世代に発信したり、課題を持ってる方々や、逆に電気みたいにソリューションを持っている方々を繋げて、フリークス ストアが得意とするビジュアライズや商品化を手がけることで、さまざまな形で課題を解決できること。それがフリークス ストアのミッションとも言えると思います。
店頭で配布しているフリーペーパー「FREAK」。今のフリークス ストアの動きのみならず、どんな課題に対して取り組んでいるのかも垣間見える。
――フリークス電気のことから伺いましたが、地域が抱えている課題解決などにまで踏み込んで活躍されていて、フリークス ストアの勢いを感じました。
「何かやりたい」「提供したい」と思っているものがすごくあること。それがフリークス ストアの原動力ですね。
今回のフリークス電気だけではなく、エントリーとなるきっかけ作りみたいなものは得意とするところなんで、それをこれからも活かしていきたいです。
デザインで「太陽からポップコーンが」みたいな。やっぱりこのフリークス電気っていう、謎の響きを聞くと一旦何だこれってなるじゃないですか。そういったところからでも興味を持っていただけたら大変ありがたいですよね。
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ポップコーンのコレがあればおうちでも映画館気分!
Photographed by Junmaru Sayama
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