いつも見慣れている相手の髪型が変わったことを、見過ごしてしまったことはありませんか?

着眼点と言いますか、その人の見方が甘いのかもしれませんね。

盆栽をとにかく枯らさないように何をすれば良いかという記事を、以前の記事で解説させていただきました。

今回はその続編の盆栽の見方についてです。

盆栽をみるって?

そんなものただ見れば良いだけでは……。 と思いますよね。

しかし、これがなかなか、盆栽の本質に迫る話になります。 

あなたが気に入っている1鉢を用意します。

大事にしている盆栽でも、出会って連れ帰った盆栽でも、山野草の鉢植えでもいいです。

目の前に置いて、まずは正面を決めてあげましょう。 

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えっ、正面?

ここが正面でもいいなぁ。今の所候補は3つ。くるくるっと。

盆栽には正面があります。

それを決めるのは、盆栽の持ち主、つまりあなたです。

テーブルに盆栽を置いたら、少し離れて樹と目の高さを合わせましょう。

鉢をくるくる回して、その樹が一番良く見える位置を探してください。

「うーん!ここだな。」って思ったらそこが正面です。 

良く出来た盆栽でも山に植えたとしたら、それは盆栽ではなくなってしまいます。

作者が決めた正面がないからです。

作者が見立てた正面があるというのが、盆栽なんです。

言い換えれば盆栽というモノがあるのではなく、盆栽という行為があり、それは見ることから始まるのだと思ってください。(一つの考え方ですが)

では、見つけた正面と向かい合って、じっくり観賞しましょう。

流れ? 閉鎖空間? なんの話

この正面を選んだので、この樹は左流れ

まず盆栽の根元から上へ、じーっと見てあげます。

すると、自然と右か左のどちらかに目線がズレて行きます。

目線が左に行くものは左流れ、右に行くのは右流れの樹と言います。

流れのない盆栽はありません。

どんな樹にも、草盆栽にも流れがあります。 あなたの盆栽は左右どちらに流れていますか?

左流れの樹だったら左側に、対になるように、何かもう一つ置いてみましょう。

樹や草でも、なければ松ぼっくりでも、石でも、ガチャガチャのフィギュアなどでもOKです。

メインの樹が左流れなら、その左側に置くものは、右流れにします。

左流れと右流れを衝突させて、閉鎖空間を作るのです。

メインの樹から外れた目線が、もう一つのモノで止まって、また戻るような状態が良いのです。

この閉鎖空間に、季節感や情景を入れ込んで行くのが「盆栽を飾る」遊び方です。

何も考えずに流れを逆にして飾ってしまうと、閉鎖空間ができていないので、目線が定まらずにギクシャクした印象です。

盆栽を飾る時の空間作りは、不等辺三角形をイメージするのが基本です。

何か手頃な台に乗せて、立体的にするとよりかっこいい飾りが作れます。

台に乗せると鉢もよく見えるんですよ。

飾って見る という行為を日常に持ち込もう

ぜひぜひ一番美しく見える角度に気をつけて、いろいろな飾りを作ってみてください。

5度くらい右に向けた方が良いかな〜とか、もっとあっさりした空間にするために2本の間隔を広げた方が良いかな〜とか……。

楽しいんですよ、この試行錯誤は! 皆さん夢中になります。

重厚な樹や、高価な樹が美しい飾りになるとは限りませんからね。

自宅の玄関やテレビ台の端などに普段から、飾りを作ってみましょう。

飾りを意識することで、盆栽はぐんぐんうまくなります。

ずっと育てる、すっと愛でる ということ

さらに、飾りをじっと見てください。 本当にその位置が一番美しいのか? 

もっと良く見える位置があるのに、自分はこの樹の本当の美しさに気がつけていないのかも? 

何度も何度も、自分に問いかけ、樹と対峙していきます。

今の姿がとても美しく見える時と、なんだかアラばかり見える時もあります。

1年間いろいろな飾りをして見て、その樹がもっとよく見える本当の正面を探し続けて、次の植え替えで修正していく。

その樹の持つ美しさを、エンドレスでプロデュースしていく行為が盆栽なんです。 (きっと諸説あるだろうけどね。)

盆栽だけでなく、多肉植物やコケ玉の魅力をもっと引き出してあげたり、恋人の髪型の変化に気づけるようになったり……。

広く参考にしていただけると嬉しいです。

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