フォトグラファーであり、食に関するさまざまなイベントを開催するフード・アーティストMIHO(saji)さん主催「まっくらごはん」にお邪魔しました。完璧な暗所での食事会です。
食べるものが見えないと、新たな発見があるはずというこの試み。以前、同趣旨で「まっくらおかし(動画)」という会があり、おかしで衝撃を受けてしまったので、晩ごはんともなればさらにすごいことになりそう…と、代々木Villageに向かいました。
会場はこのとおり、まっくら。テーブルにつくことすらままならならず、MIHOさんが手をとって案内してくれます。
暗闇の中は、野菜をサクサク切る音や、グラスがカチンとなる音など、アンビエントな環境音がBGMとして流れています。摩訶不思議な空間。
全員が着席すると、まずルールの説明です。「みなさんの目の前に食事が縦1列に並んでいるので、それをひとつづつ召し上がってください」。MIHOさんの合図と共に1品づつ手探りで食べます。
みんながモグモグ、サクサク、ゴクゴク食べる音だけが響き、たまに「あのー、今、私が食べてるのってあっているんですか」「見えないのでわかりませんが、たぶん大丈夫」みたいなやりとりで一同大爆笑したりします。
ひととおり食べ終わったところで明かりがつきます。容器がありますが、何を食べたのかはわからない状態。ここでやっと一同顔合わせです(笑)。
食事はデザートも含めて全部で5品。配られた記入シートにそれぞれ、色、調理方法、味、そして素材を記入します。まっくらな中で自分が何を食べたかを当てるゲームなんです。
記入が終わると答えあわせ。あらためて配膳された正解の食事はこちら。
トマトのミネストローネ→赤/酸/煮る
ゴーヤと胡麻のジェノベーゼズッキーニのパスタ仕立て→緑/苦/生
コロッケにした牛蒡→黒/塩っぱい/揚げる
カボチャのモンブラン→紫/甘い/蒸す
です。難しかった…。でも、全問正解の方がいて「すごい!」と盛り上がりました。
ちなみに自分は、まっくらだと食感だけで、まるで味がしないように感じました。辛い、甘い、にがい、といったごく基本的な味覚すら怪しい。特にわからなかったのは、一番右端のかぶです。いったん焼いたかぶをミキサーにかけてペースト状にしたものとか。
見ながら食べるとても豊かな味に感じるのですが..。そもそもの味覚が未発達なことを痛感しました。
「日本に古くから伝わる五味五色五法にのっとって開発した5種類のオリジナルごはんです。視覚を使えない中での食感や味覚がどんなものなのか、食べ物の味そのものを味わうということはどういうことなのかを知って欲しくて開催しました」とはMIHOさんの弁。
食事はぜんぶ美味しかった…当てられなかったけど…矛盾してるかな?
次回の「まっくら」シリーズを楽しみにしています。ごちそうさまでした!
まっくらごはん[saji-blog]