午前の仕事は戦争です。

最も集中できる時間だからこそ、創造性とハードルの高い仕事を詰め込む。

そして午前奮闘した自分を、ランチで労ってやる。これぞ職業人たる喜びなのです。

こだわりの一店を紹介したい…

そこで、ROOMIE編集部が腰を据える渋谷で、こだわりの一店をご紹介。

初回はタイ東北、イサーン料理を味わえる『モーラム酒点』です。

目印はペンキで大胆に表現されたゴールド寝仏。

実家のような穏やかさ…だが…?

奇抜な外装とは対照的に、中はおとなしい印象を受けるでしょう。

メニューにはポピュラーなタイ料理が並びます。おや、イサーン料理らしいものはあまりない……?

まぁ、まずは小手調。ガパオでも頼んでみようじゃないか。

ほのぼのルックの伏兵

ふむ、見た目はよくあるガパオそのもの。

セットのサラダ、スープ、ゼリーもシンプルです。飾り気のない食器には、どこか小学校の給食を思い出すほのぼの感。

凶悪ッ…!

しかし、パクリと一口含んだ瞬間、度肝を抜かれます。

辛ッッッ!!!!

え……

辛ーーーッッッッッ!!!!

「しばしの休戦……」 そう思ってやってきた場所での唐突な奇襲。再戦の火蓋は今ここに切って落とされた!

タイ人シェフと日本人シェフの確信的犯行

現地の辛さをそのまま再現しております。

こだわりは、包丁で叩いた鶏肉、半熟目玉焼き、タマネギ・赤ピーマンなど、甘みや水分が出る野菜類は入れない事。

ふくみ笑いさえ聞こえてきそうな、オーナーによる悪魔の囁き。

しかも、水を飲んでも全然辛さが和らがない。呪い?

あぁもう……食べるのをやめたい。あまりにも辛い。なのに……なのに……。

ウマいんである。

もう、しょうがない。これはしょうがないほどにウマい。

まるでジリジリと体を焼かれながらも、太陽に向かって手を伸ばすイカロスのよう。

愚かにも、何度も何度も口にガパオを運ぶ僕は、まさに食という快楽に溺れる罪人。あぁ人間の業はどこまで深いのか……。

それでも……それでも……。

汗流した顔に11月の風は心地よかった

この戦いに勝ったのか負けたのか、僕にはわかりません。

でも、ただ一つわかっていること。それは、こだわりある食を求めるこの足は、止まらないということ。

人類最古のエンタメ、食。

人間である喜びを、この肌で感じるために、僕は今日も渋谷の街を歩くのです。

※いちおう辛さ控えめ、もしくは辛さ強めも対応してくれますよ

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