『2001年宇宙の旅』『シャイニング』『時計じかけのオレンジ』など、言わずと知れた名監督スタンリー・キューブリックの回顧展。気になっている人も多いはず。といっても、行ったのはぼくちんじゃないるみ(汗)。
某レコード会社勤務のエラいひと、スズキタカユキさんからのレポート。よろしくお願いしますー。
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「Los Angeles County Museum of Art」、通称LACMA(ラクマ)にて開催中の「スタンリー・キューブリック展」に行ってきました。
キューブリックが使用したカメラ等の機材、作品ごとに集められたミニチュア、小道具、衣装など、見応えのある構成。『2001年宇宙の旅』『シャイニング』『時計じかけのオレンジ』等の超有名作から、『バリー・リンドン』『スパルタカス』といった大作まで、部屋ごとに作品の世界観に合わせた展示形式を体験することができます。
『2001年宇宙の旅』コーナーでは“人類の夜明け”パートの類人猿のスーツに、“スターゲイト”を通り抜けてたどり着いたロココ調の白い部屋のミニチュアに加えて、LACMAらしく西海岸ミニマリズムのアーティスト、ジョン・マクラッケンの「モノリス」との関連性を指摘される作品「Planks」が展示されています(※)。
『シャイニング』コーナーには例の双子が壁に印刷され、すぐ隣に斧が二本ささっていたり、横には庭園迷路を再現した模型もありました。
『時計じかけのオレンジ』コーナーは、「コロヴァ・ミルク・バー」にあった模型が展示されており、あの世界観を追体験する事ができます。
個人的に興味深かったのは、一緒に展示されていたロバート・ラウシェンバーグの作品「Sky Garden」(1969)です。説明文を読んだところ、彼はNASAから招待されアポロ11号の打ち上げを管制室から見学したそう。その体験からインスパイアされた作品とのことです。NASAも粋な事をしますね。
その他、常設展ではリチャード・セラ、ナム・ジュン・パイク、クリス・バーデン、ウォルター・デ・マリアの西海岸らしいダイナミックな大型アートが楽しめます。
キューブリックファンの方も現代美術ファンの方も楽しめるこの展覧会。2013年6月30日まで開催中なので、ゴールデンウィークなどに訪れてみてはいかがでしょう。
※ジョン・マクラッケンが最初に制作した「Plank」は、『2001年宇宙の旅』が公開される2年前に制作されており、その類似性は偶然だとインタビューで語っている。
Stanley Kubrick[Los Angeles County Museum of Art | LACMA]