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日常は「輝く瞬間」のオンパレード?関西の血が流れる東京っ子ふたりのお馬鹿な毎日に、その瞬間をみつけて

2017/12/03 11:00 投稿

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「なんてことのない毎日も、見渡せば、実は輝く瞬間のオンパレードである」

なんて、言うのは簡単。毎朝・毎夜ストレスフルな満員電車に揺られ、営業先から社内の上司にまで気をつかう日々。コンビニコーヒーを飲み干すまでの10分間が、一日のなかで唯一、束の間のエスケープ。

……と、せわしなく現代を生き抜ける人には、わざとらしく幸せを謳う標語なんて、実感を伴わない“きれいごと”でしかないかもしれない。「輝く瞬間なぞ、どこに転がってるんだい」と。そう、この本を、手に取るまでは。

フリーランスのカメラマンとして東京を拠点に活動する加瀬健太郎さん。外では「天才」なんて呼ばれたりする彼も、家のなかではどこにでもいる“普通のお父さん”である。そんな加瀬さんが日常の写真を撮りためつつ、何の気なしにはじめたブログから発展したのが、この『お父さん、だいじょうぶ?日記』。

この本が特別なのは、冒頭で触れた“日常の輝く瞬間”が、ほんとうにそこに実在することを僕に教えてくれたから。

もちろん、せわしなく現代を生き抜けるみなさんには、そんなこと信じがたいかもしれない。それでも「それってぜんぜん特別なことなんかじゃなくて、あくまで、日常にいくらでもある“あたりまえ”なんやで」と、訴えてくる加瀬一家の毎日を、半信半疑でもいいからちょっと覗いてみてほしい。

主人公は、加瀬さんの息子ふたり。関西の血が流れる、東京っ子だ。そこには高尚な会話も、前衛的なストーリー展開もない。子どもならではのチャーミングな言い間違いや、飾り気のないお馬鹿エピソードのオンパレードだ。

それでも、日々すこしずつ成長していく息子たちと、それを見守る成長しないお父さんとの掛け合いに、ページを捲る手が止まらない。ところどころ、うっかりホロリなんてして。

また、鼻くそほじりの達人である“嫁さん”はじめ、葬式代を値切る父、レーシーな下着を着る姑など、脇をかためるキャラ立ちした関西人にも要注意。声を出して笑える場所で読もう。

特別なシチュエーションや、わざとらしくつくりだした演出はいらない。そばにいる大切なひとと時間を共有すれば、“その瞬間”はいくらでも生まれてくる。あなたもそれをみつけたら、日記やブログにそっと残しておくのも、ええんちゃう?

そんな『お父さん、だいじょうぶ?日記』の発売を記念した展覧会が、12月6日(水)からスタート。会期中には、ついつい突っ込みたくなるような副題のワークショップも開催される。”日常の輝くべき瞬間”を素敵な写真に収める方法を、教えてくれるのか、くれないのか……どちらなのかは参加してみてのお楽しみだ。

『お父さん、だいじょうぶ?日記』発売記念展覧会 加瀬健太郎 写真展「よその子 うちの子」
開催日:2017年12月6日(水)~23日(土)18~23時/土曜日のみ15~23時
定休日:日、月、火曜日
場所:東京都中野区上高田5-47-8 スタジオ35分

▼ワークショップ「カセケンの子どもの撮り方写真講座~そんなの僕にもわからない~」
12月16日(土)14〜15時半
用意するもの:デジカメ(スマートフォンでも可)、自分の子ども、もしくはよその子(合意の上連れてきてください)
費用:2,500円(お土産に『お父さん、だいじょうぶ?日記』が付いてきます)
要予約


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