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見晴らし抜群のバルコニーに、緑のアーチ。グラフィックデザイナーの家(早稲田)|みんなの部屋

2017/10/26 06:30 投稿

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人気連載「みんなの部屋」vol.93。部屋づくりのアイディア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスする。

東京に唯一残る路面電車、都電荒川線。その早稲田駅周辺はレトロな雰囲気が漂っている。

学生らしき客で行列のできたラーメン店、昔ながらの面影を残す定食屋などをチラ見しながら歩くこと約5分。フリーランスで壁画やグラフィックデザインなど手がける、カトウアヤコさんの暮らすマンションを訪ねた。

名前:カトウアヤコさん
職業:AKdesign TOKYO/グラフィックデザイン、壁画、イラスト、看板
場所:東京都豊島区
面積:約46㎡が2部屋
家賃:持ち家、8年前に購入
築年数:築40年

「雑誌の挿絵など、その瞬間だけスポットライトを浴びて消費されるデザインが好きなんです」と語るカトウさんは、専門学校でプロダクトデザインを専攻。木工、彫金、FRPを使った造形などを幅広く学んだ。

卒業を控え、「一般の人が買える一番大きい工業製品が自動車。それに関係する仕事ができたらと思ったんです」と選んだのがインテリアクレイモデラー。デザイナーが思い描いたイメージを工業用粘土=クレイを使って立体化する仕事だ。

本田技術研究所四輪R&Dセンターに約8年半在籍。29歳で退職するとアジアを旅したり、オーストラリアで暮らしたり。帰国後の2015年から「AKdesign TOKYO」として、グラフィックデザインや壁画、イラスト、看板などを手がけている。

最近は落語家のオリジナル手ぬぐいや、スマホケースのデザインなどの仕事も。

玄関の壁は海外の海を思わせる色鮮やかなブルー。部屋に一歩入ると大きな植物が私たちを迎えてくれた。「ジャングル」をテーマにしたカトウさんの部屋は、アートそのものといった雰囲気だ。

お気に入りの場所

見晴らし抜群、広々としたバルコニー

カトウさんが真っ先に「お気に入りの場所」として挙げたのが、バルコニー。芝生が敷かれ、見晴らしが良く、開放感があってとても気持ちが良い。ここに30人くらい集まって、BBQをすることもある。

「仕事で行き詰まったらバルコニーのベンチに座って、お茶を飲みながら本を読んだり、ぼーっとしたりしています」(カトウさん)

バルコニーの片隅には、サボテンやローズマリー、盆栽も。

自分でペイントした、キッチンの赤い壁

「インドネシアで行ったメキシカンレストランの壁画に感化されて日本に帰ってきてからすぐに描きました。海外で経験したものは再現したくなることが多いんです。

今後、部屋を改造するならピンクや赤のメキシコ風にしたいですね」(カトウさん)

この部屋に決めた理由

この部屋を購入したのは8年ほど前。

「当時付き合っていた人と千駄ヶ谷で同棲していたんです。でもその部屋は狭いのに家賃が高くて。更新で30万円近くかかると言われて、家を買う頭金と変わらないなって、軽いノリで家を探しているときにこの家に巡り会いました」(カトウさん)

風通しの良いこの部屋を内見した瞬間、「ここに住みたい! ここしかない!」と思ったそう。

残念なところ

トイレ

「洗面所とトイレの間にはもともと壁があったんですが、いらないと思って抜きました。今もそのままにしているので、天井、壁などむき出しなんです。ここはどうにかしたいけど、どうしていいかわからなくて」(カトウさん)


天井からはスイッチがぶら下がったまま。床もベニヤ板を隠すために線を描いてる……まるでだまし絵のよう。

エアコンの配管が目立つ

「緑があるといいんだけど……造花にしようかと思ったのですが、それはあまりいけてないなと思って手を加えられずにいます。ここは一番気合いが入ってないところです」(カトウさん)

お気に入りのアイテム

緑のアーチ


大きなモンステラが部屋のあちこちに。

「買った時は今の2/3くらいの大きさだったのですが、だんだん大きくなって今では自立しなくなってきました。大きければ大きい方がいいんです」

こんなに大きくなるならと、去年、緑のアーチを作ったそう。肥料は米のとぎ汁だけというから驚く。

先輩から譲り受けたトランク

クラシカルなデザインがおしゃれなトランクはイギリス王室が使うもの。ベッドルームのワンポイントになっていて目をひくが、もともとポーターが運ぶトランクなので旅行には向いていないそう。

「これでインドネシアに行ったのですが、重くて重くて運ぶのが大変! 今度ブラジルに行く予定があるので、その時は別のトランクを買います」(カトウさん)

今は中に冬物衣料を入れ、収納として使っている。

専門学校時代に作った&DIYした家具


仕事するデスク、バルコニーのベンチなど、部屋にはDIYした家具がたくさん。

「父親がアマチュアの彫刻家なので、実家には木がいっぱいあるんです。脚はヤフオクで買って作ることが多いです」

オーストラリアで暮らしていた頃に描いた絵

4年くらい前に描いたという絵は構図が印象的。

「おひつじ座、乙女座など全部は入らなかったけど星座をイメージしています」(カトウさん)

拾ってきた茶箱で作ったクーラーボックス


「クーラーボックスとして使っています。めっちゃ便利です!」(カトウさん)

車用の塗料で描いた絵


ピンストライプという車用の塗料で描いた絵は、カトウさんならではの作品。

「知り合いにその道のプロがいて、一時修行させてもらいました」(カトウさん)

蝶を描いた最新作もこの塗料を使っている。

暮らしのアイデア

100円均一で買ったフォトフレームにアクリルガッシュでペイント

好きなダリの絵を飾っているフレームは、100円ショップで買ったもの。すべてアクリルガッシュで黒にペイントしていて、とてもおしゃれ。

絵を描いた空き缶を活用




トマト缶など、使い終わった缶にアクリルガッシュでペイント。イラストはポスカで描いているそう。ペン立てに、植木鉢としてなど、部屋の各所にカトウさん手描きの絵が入った空き缶が置いてあって可愛らしい。

「コツは特にないですよ!なんでもいいから、とりあえず塗ってみましょう。お金がかからなくてオススメです」(カトウさん)

絵が苦手でも、これなら真似できそうだ。


ただし、デザインが美しいと感じる缶はペイントせずにそのまま使うそうだ。その例が、うずらの卵の入っていた缶と、ココナッツ缶。

「プロダクトとして素晴らしいのでそのまま使っています」(カトウさん)

拾ってきた桐箱を収納に

お金をかけず、使えるものは使う主義のカトウさん。棚に3つ並んだ桐箱は、もともと牛タンが入っていたもの。

「近所で拾ってきたんです。実は裏側に牛タンと書いてあるんですよ。全部アクリルガッシュで塗って、文字はポスカで書いてます。ポスカ最高です!」(カトウさん)

その他、アンチョビが入っていた空き瓶もシュガーボックスなどとして活用。

これからの暮らし

ベッドルームの壁を変えたいと語るカトウさん。職人の友人に塗ってもらった淡いイエローの壁に文字を描きたいそう。

「白い筆記体の文字で何かメッセージを描きたいんです。ベッドルームだからsweet dreamは恥ずかしいし。ベッドルームにあったら嬉しいメッセージを募集中です!」(カトウさん)

もう1箇所、変えたい場所がガラス窓。

「ガラスにも何か描きたいんですけど、どっちから見えるようにするかが問題。ウィンドーサインは1方向からのビューで完成するようにできているので、それを考えると手を出せずにいます。どっちから見てもいい絵とか。それが決まったら描くかもしれません」(カトウさん)

空き缶、空き瓶などを活用して、おしゃれに暮らすカトウさんの住まいは真似できそうなアイデアに溢れていた。

壁画やグラフィックデザインを手がけているからこそのクオリティの高い絵の数々は、ひとつひとつがアートそのもの。少しずつ手をかけて、暮らしを楽しくデザインする明るい部屋には、たくさんの人が集まってくるのだろう。

Photographed by Yutaro Yamaguchi

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