裁縫は得意ではないし、流行にも疎い私は服飾についての知識はまったくないが、服を作るときに「はぎれ」はほぼ必ず出るものだろうとなんとなく思っていた。できるだけはぎれを出さない方法やはぎれの再利用などはされているかもしれないが、それでも、はぎれは出るのだと思う。
だからこそ、“はぎれ”を出さずに造形したシャツがあると聞いて、驚いた。
それがmag design labo.オリジナルブランド「knot(ノット)」の「NEW PATTERN」だ。
mag design labo.の代表で、「knot」のデザイナーでもある花澤啓太さんと外部パタンナーの高部葉子さんが協業し、古代ギリシャのチュニック、南米の民族衣装、台湾の先住民の方衣、日本の千早などに代表される単純な構成の衣装である「貫頭衣」や着物の要素から独自のパターンを創造し、衣服づくりでは必ず出てしまう“はぎれ”をなくした新しい意匠が実現したのだという。
「knot」のコンセプト「旧き良きものを愛でるだけでなく、10年後、50年後、100 年後に定番となっているはずの形にあるであろうさまざまな条件を探し、新しい定番を見つける」という意図をもとにものづくりをしているからこそ、今までの「あたりまえ」を覆し、これからの定番となっていくようなアイデアが生まれたのかもしれない。
ビジネスシーンでもデイリーユースでも「シャツ」は誰もが着るものだから、こんな風に1枚の布を余すことなく使って作ることができたら、そこからさらに新しい進化を遂げていくのかもしれない。
NEW PATTERN [knot]