ライフハッカー[日本版]より転載:
こんにちは。家計再生コンサルタントの横山光昭です。
あなたは「この1000円を有意義に使ってください」と渡されたら、どのように使いますか? いろいろなものが買えそうでも、すぐに無くなる金額です。
このお金の使い方で、あなたが貯金できる人か、できない人かがわかります。日ごろのお金の使い方を思い出して、自分の貯金する力について考えてみてください。
横山光昭(よこやま・みつあき)マイエフピー代表取締役、家計再生コンサルタント、ファイナンシャルプランナー。お金の使い方そのものを改善する独自のプログラムで、これまで1万人以上の赤字家計を再生。書籍・雑誌の執筆や講演も多く手掛け、「はじめての人のための3000円投資生活」は40万部を超え、著書累計は205万部。公式サイト
1000円あったら、何に使う?
1000円。これで何を買おうかと考えると、いろいろなものが買えそうですよね。日常的に使う文房具やスマホのアクセサリー、間食用の食品。たばこやお酒も買えます。
ではここで、何かを買ったとします。その理由やその時の気持ちについて考えてみましょう。
「何となく」「購入できたから」というような、目的のないお金の使い方をしているなら、それはお金が貯まらない人。お金の使い方に自分なりのこだわりや目標がないので、特に目的もなくお金を使ってしまうわけです。
一方で、「1000円とはいえ、有効に使いたい」と考え、スキルを身につけるために書籍を買ったり、家族が喜びそうなプレゼントは何かと頭をひねって購入したり、意味のあるものや喜ばれるものにお金を使おうと考える人は、お金が貯まる人といえます。
では、お金を貯められる考え方ができるようになったり、お金を有効に使えるようになるにはどうすべきか。次に紹介する5つの力を鍛えることが大切です。5つの力を1つずつ身につけていけば、一生ものの貯金力を備えることができるようになります。
お金を貯めるための5つの力
1. ぶれない力暮らしや人生で、何を大切にしていきたいかがわかっていれば、何にお金を使うと良いかがはっきりし、ムダな支出がなくなります。これは自分軸をしっかり持っているということです。
自分軸がないと、周囲に流されてお金を使ってしまいがちで、気が付くとお金が無くなっているということもよく起こります。お金を支払うときに、「これは本当に必要な買い物なのか」を自問自答するように考えることを習慣化すると少しずつ改善できます。
2. 把握する力自分の収入がいくらで、毎月何にいくら支払っているのかなど、支出の状況も把握できてくると、お金の流れが見えてきます。そうすることで、自分のお金についての把握が次第に整い、ムダな支出をカットしていくことにつながります。
この力が足りない人は、お金を管理したり、家計簿をつけたりするのが苦手で、お金の管理がなかなかうまくできないことが多いもの。「家計を見直すときに行うべき、3つのポイント」で紹介した、支出を3つに分けて記録する家計の三分法や、簡単にできる家計管理法を取り入れ、やりくりをシンプルにして継続しやすくすると、徐々に自分のお金の使い方について把握できるようになります。
3. 計画する力「いつまでにいくら必要だ」といったお金の見通しを立てることや、使うための優先順位を決める力を養うことはお金を貯めるために重要です。日々のお金の使い方が変わり、必要な支出にはお金を出し、あまり必要ではないと思う支出にはお金をあまり使わなくなるなどのメリハリもつきます。
この力が不足すると、先のことを考えることが苦手で、衝動的な買い物や急な出費でせっかくの貯金が崩れがちになります。臨時の出費が貯蓄を崩す原因となるので、計画していなかった支出があるときは、一度立ち止まり「あの支出より、この支出より、必要な支出かな」と優先順位を考えることをおすすめします。
4. 工夫する力「足りないものはあるものでカバー」「こんな新しい料金プランがでたので変更しよう」など、適応力を身につけて情報収集力を磨けば、ムダな出費は減らせますし、今まで必要で支払っていた金額も減らせるようになります。
この力が足りないと、せっかくアンテナを張ってお得な情報を入手ても「面倒だから今まで通りでいいや」となってしまい、せっかくの情報を生かせません。節約のチャンスを逃し、貯まるはずだったお金も逃しています。まずは契約当初のままの通信費や光熱費などを見直して、面倒くさがらず行動してみましょう。
5. 継続する力お金との付き合いは一生続きます。ですから、無理なくできる、自分に合ったやりくりを見つけ、続ける仕組みをつくっていくことが大切です。そうすると、失敗も少なくなり、挫折もしにくくなります。要するに、ストレスなくお金と付き合うことが大切なのです。
やりくりを完璧にやろうとすると、それがプレッシャーとなり、ストレスを生んで、失敗や挫折してしまうということにつながります。まずはハードルを下げて、できることから続けていきましょう。
1000円の使い方で何が見えたか?
たかが1000円の使い方であっても、その中身により、その人のお金との付き合い方や考え方、将来的にお金につまずくのかそうではないのかが大まかに見えてきます。
5つの力を自分と照らし合わせて、不足している力を身につけるように意識して改善してみてください。きっと、あなたのお金の使い方に変化が起こり、無理なく自然と貯金ができる人になれると思います。
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横山光昭