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慶長5年から続く伝統工芸。熊本・来民で生産される「栗川商店の渋うちわ」

2017/08/04 10:30 投稿

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夏の暑さをしのぐ手軽なアイテムと言えば、うちわではないだろうか。暑いと感じると、とりあえず扇ぐ仕草をしてしまうもの。日本の夏に、うちわはマストアイテムだ。

今回は、うちわの中でもこだわりが感じられるアイテムをご紹介。

かつて三大産地のひとつとして数えられてきた「来民うちわ」

今回紹介する「栗川商店の渋うちわ」は、「来民うちわ」という、かつて日本の三大産地のひとつとして数えられてきた伝統的なうちわ。

香川県丸亀市で作られる「丸亀うちわ」は、全国シェアの9割を占める、うちわ三大産地のひとつ。太い竹を切り、先端を細かく裂いた「平柄」という種類が丸亀うちわの多くを占めている。京都の「京うちわ」は、細かい竹ひごを並べ、両面に紙を貼り、絵を差し込むタイプ。「みやこうちわ」とも呼ばれているものだ。この丸亀・京都と並び、かつて「来民うちわ」は三大産地のひとつだった。

現在は丸亀・京都の2種類に、千葉県南房総市・館山市で生産される「房州うちわ」が加わり、丸亀・京都とともに「日本三大うちわ」と呼ばれている。

「来民うちわ」の始まり


熊本・来民で作られる「来民うちわ」は、慶長5年(1600年)に四国・丸亀の旅僧が一宿の謝礼にうちわの製法を伝授したことから始まった。

最盛期には、年間600万本を生産していたというこのうちわだが、現在は栗川商店が唯一、熊本の伝統工芸として生産を続けている。

丈夫で長持ちする縁起物

渋うちわは、渋柿をうちわに塗ることにより和紙を丈夫にし、長持ちさせることができる。防虫効果の役目も果たすのだとか。

また「来民」という名称から、民が来ると言う意味で商売が繁盛するとされ、縁起物として贈り物にも使われてきた。

左から「仙扇」「小丸」「仏扇」という種類。

「仙扇」は、明治時代に筆屋とお茶屋とうちわ屋が書が書けて茶室で使えるうちわを共同で考案し、細川家の茶室で愛用されていたという由緒正しきうちわだ。

「小丸」は、昭和初期に生産していた子供うちわを復刻したもので、小振りで柄が長くモダンでシンプルなデザインは、ちょうど良いサイズ感。

「仏扇」は、お灯明を消すのに用いられてきたが、最近では小振りでバッグに収納できることから使い勝手の良いカタチと言えよう。

栗川商店の渋うちわ

「仙扇」
¥2,160(税込)
サイズ:25.0×37.0×0.1cm
重量:20g

「小丸」
¥1,620(税込)
サイズ:19.5×37.5×0.1cm
重量:12g

「仏扇」
¥1,080(税込)
サイズ:15.0×30.0×0.1cm
重量:10g

素材は全て、阿蘇外輪山産真竹、手漉き和紙、澱粉糊、自家製柿渋

1600年(慶長5年)から伝わる貴重な伝統工芸品で、材質にもこだわるうちわだが、意外にも値段が手頃なところがうれしい。和風な空間にはもちろん、洋風な場所でも邪魔をせずシンプルに使える。

家用・携帯用として、いくつか持っておきたいアイテムだ。

栗川商店の渋うちわ [職人.com]

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