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年間100本部屋で映画鑑賞。多彩な趣味が交差する住まい(方南町)|みんなの部屋

2017/04/27 06:00 投稿

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人気連載「みんなの部屋」vol.65。部屋づくりのアイデア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスする。

丸の内線で新宿から約10分。駅前に並ぶチェーン系の飲食店やスーパーの合間には昔ながらの商店も多く、幅広い年代の人々が行き交う方南町。会計士の鮫島さんが暮らすのは、駅からほど近い住宅街に建つマンションの1階部分。塀はあるものの一面すりガラスの外観にドアが1つ。事務所のような外観の内側には、趣味のための空間が広がっていた。

名前:鮫島 陽太郎さん
職業:会計士
場所:東京都杉並区
面積:59㎡ 1R
家賃:12万円
築年数:27年


お気に入りの場所

部屋中央のソファ


実家から持ってきたという白い革張りのソファ。1年間に映画館で100本、家で100本、計200本は観るという映画好きの鮫島さんが、この部屋でほとんどの時間を過ごす特等席だ。

「ここでお酒を飲みながら映画を1本観るのが平日の夜の定番。なくてはならない時間です。ジャンル問わず何でも観ますね」

正面の白い壁に映された映像は、想像以上の大きさ。映画を大画面で独り占めできるプライベートシアターは、映画好きの羨望の眼差しが見える。

手持ちのDVDの中でのベストワンを聞いてみた。

「ロブ・ゾンビがリメイクしたハロウィン。何度も繰り返し観ています」

玄関横のテラス

柵に囲まれた玄関横のテラスのような部分は、植物が茂る癒しのスペース。

「日当たりがあまりよくないので、丈夫な植物しか生き残ってないんですが……水やりをする時間が割と好きです。今後はもっと植物を増やしていきたいと思っています」

この部屋に決めた理由


以前はマッサージ店だったという少し変わった作りのこの部屋。決め手は何だったのだろう。

「物件を探していたら、ちょうど親戚が持っているビルの1階が空いていると聞いて。広いワンルームに住みたいと思っていたので即決しました。駅から近く、新宿にすぐ出れるアクセスのよさも気に入りました」

都内のひとり暮らしでこの広さは羨ましい限り。物件のチョイスを住居用に絞らないことで、広々とした暮らしが実現している。

残念なところ

日当たりの悪さ

「隣で工事が始まって塀が建ったので、日当たりが悪くなってしまって。入居時は部屋の東側が駐車場だったので、窓から結構日が入ってきたのですが……。でも、工事をしている会社に問い合わせてみたら光が入るように塀に穴を開けてくれて(笑)、ちょっとマシになりました」

冬は寒く、夏は暑い


「道路に面した部分が一面ガラス張りなので、外の気候が割とダイレクトに反映されます」

寒さ、暑さを防ぐため、暖房器具や扇風機も本格的。Amazonで購入したというアラジンのストーブと「寒いくらい涼しくなる」という山善の工業用扇風機が、部屋の雰囲気作りにも一役買っている。

お気に入りのアイテム

映画を観るプロジェクター

「これは2代目で、実家の頃から7年くらい使っています」

映画はもう生活の一部。なくてはならないアイテムだ。

部屋に点在する、鳥の置物たち



部屋に置かれるオブジェもなかなか興味深い。とくに鳥は、部屋のどこに目を向けてもたいてい設置されている。

「鳥のフォルムがかわいくて、見つけるとつい連れて帰っていまいます。海外の旅行先やインテリアショップで購入したものが多いですね。遊びに来たことのある友だちがたくさん置いてある鳥を見て、きっと鳥好きなんだろうとプレゼントしてくれたりもします」

アマゾンで実際に使われる吹き矢

バックパックでよく旅行にも出かけるという鮫島さん。旅先で買ってきたアイテムが、部屋に独特な雰囲気を添える。

「この吹き矢はブラジルに旅行した時に買ってきました。現地の人がアマゾンで実際に使っているものらしいです」

自作の陶器


部屋を見渡してみると、鳥の置物同様に陶器が多い。それも水差しや壺など結構大物が置かれている。

「大学の時に陶芸部だったので、その時の作品が多いです。今は年に一度くらいですが、友だちと一緒に益子の窯元に数日こもって作ったりします」

キッチンのシーリングラック

男子の台所といった雰囲気のキッチンで目を引くのは、コンランショップで購入したというHahnのシーリングラック。

「上にも物を載せられるし便利ですよ。料理も一応します」

ドーナツ状のコンセントタップ

部屋で3つも愛用しているというコンセントタップは、PLUGO。生活感が出がちなコンセント関係もこれで統一するとスマートだ。

暮らしのアイデア

収納のほとんどはDIY


住居用の物件ではなかったため、収納がまったくない状態だったというこの物件。本棚や靴箱、収納BOXなどは少しずつ自分で作ったという。

「歩いていける距離にホームセンターがあるので、材料はほとんどそこで調達しています。板を切ってもらって、持って帰ったら組み合わせて釘を打つだけなので簡単ですよ」

棚に並べた木箱は、酒屋さんの軒先に売っていたお酒のケースを活用。一式揃えたという登山グッズやスーツケースなどがパズルのように収納されている。


とはいえ増え続ける本でDIYした棚もそろそろ容量オーバー。かなりの読書家でもある鮫島さんおすすめの一冊はロベルト・ボラーニョの『売女の人殺し』。

ホームシアター用の空間

「プロジェクターからの投影を遮らないように、機材から壁までの空間には家具などは置けません。スクリーン代わりの西側の壁際も空けておく必要があります」

映画のために空けたスペースが、映画を観ない時間も部屋をより広く見せている。都内の住まいで何も置かない空間の確保ほど難しいものはないのではないだろうか。なんとも贅沢な空間の使い方だ。

これからの暮らし

「5年ほどここに住んでいるので、面白い部屋があれば引っ越しもしてみたいですね。千駄ヶ谷とか神楽坂が気になっています」

前情報からさぞかし映画漬けの日々なのかと思いきや、趣味の幅広さと奥深さを知ることとなった今回のみんなの部屋訪問。好きなものたちが混ざり合った、鮫島さんの頭の中にお邪魔したような感覚になった。

趣味を楽しむ隠れ家というには、あまりにも広く開放的な雰囲気の鮫島邸。まだまだ新しい趣味が加わりそうな予感だ。

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