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広大な庭園や館内施設で花見ができる、都内の美術館・博物館5選

2017/04/06 10:30 投稿

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ライフハッカー[日本版]より転載:

桜も開花し、春、真っ盛り。この時期、お花見といえば、そう、すっかりお馴染みになった美術館でのお花見ですね?

美術館や博物館という施設は公共の施設であることが多く、広大な庭園を備えているところも珍しくありません。また、人が多く集まる場所と隣接している場合もあり、素晴らしい景観を持つところがたくさんあります。

今回は館内敷地や隣接した場所でお花見を堪能できる、館内で花を愛でる事ができる、あるいは花を描いた作品が展示されている美術館・博物館をご紹介します。

1. 美術館でお花見を、といえばトーハク:東京国立博物館

毎年、花見の時期は大賑わいになる上野。普段の閑静なアートエリアとしての上野が好きで、この時期は敢えて行くのを避けているという人もいるかもしれませんが、東京国立博物館で開催中で、すっかりお馴染みになった「博物館でお花見を」を見逃す手はありません。

「春の庭園開放」は5月7日まで

「東京国立博物館」では「博物館でお花見を」と銘打って、この季節だけの鑑賞プログラムを4月9日(日)まで開催しています。本館日本ギャラリーでは「桜めぐり」として、桜をモチーフにした作品として、『源氏物語図屏風』や『国宝 花下遊楽図屏風』といった名品が館内のあちこちに展示されています。これらの桜をモチーフにした作品には、桜のマークがつけられており、これらを探しながらの鑑賞も一興です。

源氏物語図屏風(若菜上)伝土佐光則筆 江戸時代・17世紀 個人蔵(展示期間 3/22〜4/23、本館7室にて展示)
国宝 花下遊楽図屏風(右隻部分)狩野長信筆 江戸時代・17世紀 東京国立博物館蔵(展示期間 3/14〜4/9、本館2室 国宝室にて展示)
本館展示室の5つのポイントを回って、スタンプを集めると、オリジナル缶バッジがもらえます!

恒例の「春の庭園開放」も行われており、5月7日(日)まで、本館北側の庭園が公開されています。ソメイヨシノをはじめ、オオシマザクラ、ヤエベニヒガン、エドヒガンシダレなど、約10種類の桜が次々と開花し、春爛漫の庭園がとりわけ美しい表情を見せてくれます。また、庭園には由緒ある5棟の茶室が点在しており、桜の花びらが舞い散る庭を散策できるのは、この期間だけの貴重な機会となります。

ライトアップによって、ここが都内・上野とは思えなくなってしまうほど素晴らしい夜景が楽しめます

今回、4月11日(火)より開催される特別展「茶の湯」にあわせ、4月11日〜5月7日(日)の間は茶室「転合庵」の内部を外から見学できます。3月31日(金)、4月1日(土)、4月7日(金)、4月8日(土)にはライトアップを実施します(16:00〜19:30)。こちらもお見逃しなく!

また、「東京・春・音楽祭─東京のオペラの森2017─」の関連プログラムとして、3月31日(金)に「桜の街の音楽会 チェロ・ソロ」(本館大階段)、4月3日(月)に「桜の街の音楽会 ヴァイオリンとヴィオラのデュオ」(法隆寺宝物館・エントランス)の演奏が行われます。

公式サイト:東京国立博物館

2. 桜の名所の美術館:東京国立近代美術館

上野と並ぶ、都心の桜の名所といえば皇居周辺。中でも、千鳥ヶ淵や北の丸公園は桜を楽しみながら散策するには最適のロケーションと言えます。この桜の名所に隣接するのが「東京国立近代美術館」です。同館では全館イベント「美術館の春まつり」を3月25日(土)〜4月9日(日)に開催しています。

ライトアップで、桜もイサム・ノグチの「門」も、夜はまた違った趣です

イベント期間中に開催されている展覧会は、初代長次郎、本阿弥光悦の作品をはじめ、千利休が愛した名碗が揃い、樂家450年の伝統と技を堪能できる「茶碗の中の宇宙 樂家一子相伝の芸術」(〜5月21日)と所蔵作品展「MOMAT コレクション」(〜5月21日)。

「MOMAT コレクション」は、国内最大規模1万3000点を超える所蔵作品の中から約200点を厳選して展示するもので、年に1度だけの展示となる水面に散る桜を描いた川合玉堂の『行く春』(重要文化財)や、菊池芳文の『小雨ふる吉野』など、春らしい名作の数々が出展されます。なお、『行く春』と『小雨ふる吉野』の展示は4月16日まで。

川合玉堂《行く春》右隻 1916年 重要文化財(展示期間2/18〜4/16)
菊池芳文《小雨ふる吉野》左隻 1914年(展示期間2/18〜4/16)

「MOMATコレクション」では参加型スペシャルプログラム「春まつりトークラリー」が4月2日(日)に行われます(正午受付開始、先着1000名)。ガイドスタッフとの対話により、約20作品を鑑賞しつつ、スタンプラリー方式でコレクション展を巡るものです。好きな作品を巡ってスタンプを集め、2つ以上集めると特製カンバッヂがプレゼントされます。

同館内にある三國清三さんがプロデュースするレストラン「ラー・エ・ミクニ」のテラスカフェでは、お花見弁当などのフードをはじめ、ドリンク・スイーツなど桜の季節の特別メニューが楽しめます。また、1階前庭には京都の老舗「一保堂茶舗」による期間限定(3月29日〜4月5日)の茶店と特設のお休み処がお目見え。煎茶や抹茶など本格的なお茶と和菓子を販売します。

レストラン「ラー・エ・ミクニ」のお花見弁当

公式サイト:東京国立近代美術館

3. 絵の中の花々を愛でる美術館:山種美術館

絵の中の花を楽しむなら広尾にある「山種美術館」がおすすめです。同館は横山大観や上村松園、奥村土牛、速水御舟といった日本画の巨匠の作品を数多くコレクションする日本画専門の美術館で、毎回、日本画の楽しさを発見させてくれる企画展を行っています。

この春には「企画展 花 * Flower * 華 ─琳派から現代へ─」が4月22日(土)〜6月18日(日)を会期に開催されます。春夏秋冬の花を描いた多彩な作品約60点により、美術館内がまさに満開の花園となります。

田能村直入《百花》(部分)1869(明治2)年 絹本・彩色 山種美術館

酒井抱一の『月梅図』や『菊小禽図』、鈴木其一の『四季花鳥図』といった琳派の絵師たちが草花を描いた名品が並び、さらに横山大観、小林古径、奥村土牛といった近現代を代表する画家が描いた花の表情も見逃せません。とりわけ、四季の草花100種をまさに植物図鑑のように細緻に描いた田能村直入の『百花』は必見です。

横山大観《山桜》1934(昭和9)年 絹本・彩色 山種美術館

小林古径《白華小禽》1935(昭和10)年 絹本・彩色 山種美術館

公式サイト:山種美術館

4. 京の春を感じる美術館:泉屋博古館 分館

六本木一丁目のオフィスビル街にあって、京の華やぎを感じることができるのが「泉屋博古館 分館[東京]」です。京都・鹿ケ谷にある住友家が蒐集した美術品を保存、展示する美術館「泉屋博古館」の東京の分館で、同館が位置する泉ガーデン、アークヒルズの周辺には桜並木があり、この時期、桜のトンネルが見事です。

《二条城行幸図屏風》(左隻)江戸時代・17世紀 泉屋博古館蔵

同館も華やかな春の世界を楽しめる「屏風にあそぶ春のしつらえ ─茶道具とおもてなしのうつわ」が5月7日(日)まで開催中で、江戸時代・寛永3年(1626)に徳川秀忠、家光の招きに応じ、後水尾天皇が京都・二条城に行幸する様子を描いた『二条城行幸図屏風』をはじめ、後期展示には俵屋宗達にはじまる俵屋工房制作の「伊年」印『四季草花図屏風』など、春を感じられる作品が並びます。

伊年印《四季草花図屏風》(右隻)江戸時代・17-18世紀 泉屋博古館蔵(展示期間 3/30〜5/7)

公式サイト:泉屋博古館 分館

5. かならず満開の桜に会える美術館:郷さくら美術館 東京

まだ咲いてると思って、重い腰を上げないとあっという間に散ってしまうのが桜です。もし満開の時期を逃しても、あるいは桜の名所に行けずとも、間違いなく満開の桜を堪能できるのも美術館ならではです。

《櫻雲の目黒川》中島千波

大勢の花見客で賑わう目黒川のほとりに立つ「郷さくら美術館 東京」では、現代日本画画壇で活躍する中島千波や平松礼二といった日本画家たちが描き下ろした桜の絵が、企画展として常時展示されており、1年中いつでも花見が楽しめるところと言えます。

特にこの時期は恒例となった桜花賞の受賞作品を展示する「第5回 郷さくら美術館 桜花賞展」を5月28日まで開催しており、大賞を受賞した山浦めぐみさんの『春覆う』などを鑑賞できます。また、同館から歩いてすぐの場所を描いた、中島千波の『桜雲の目黒川』も展示されており、この時期なら絵と実物をいっぺんに楽しむ贅沢ができます。

桜花賞大賞《春覆う》山浦めぐみ

また、住宅街の一角にひっそりと建つ同館のファサードは、桜の花がデザインされた無数の陶板で覆われており、建物そのものがアートと言えます。設計はブルースタジオが手がけています。

公式サイト:郷さくら美術館 東京

この他にも、世田谷美術館のある砧公園、小金井にある江戸東京たてもの園、横浜の三渓園など、アートと桜をいっぺんに楽しめるところはたくさんあります。また、地元の小さな美術館や博物館、資料館のような場所にも、きっと多くの人には知られず、地元に愛されている花が咲いているはず。どちらも美しい、アートと花を愛でに出かけませんか?

(チバヒデトシ)

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