体験型テーブルというのか、このデザインはいろいろと考えさせられる。

まず「膝に天板を乗せてるけど、重くないの?」とか、「ワイングラス置いてるとき危なっかしい!」とか……。

「いや、そもそもこれカップル用かよ」とやさぐれそうでもある。

これはイスラエル在住、デザインと注意との関係を研究した、公私ともにパートナーであるTanyさんとSagieさんのデザインユニットの作品「Sati Tala」。

なになに、ラブラブカップルが作った新しいコミュニティツールなのかって? いや、これは大まかに言うと何気ない日常の動作に注意を払うと、違った体験ができるという実験的な製品なのだ。


食事=楽しい&リラックスという構図は成り立つかは不明。でも、相手も含めての動作、姿勢やテーブル上の物の安定などに注意する、集中することには成功しているかもしれない。

貧乏ゆすりや脚を組むのはもちろん厳禁だろう。むむ、なんだか落ち着きを得るための訓練のようだ。

いかに水平に保つか・注意を払うかは、二人の共同意識&共同作業。新しいコミュニケーションツールとして実験的でおもしろい。忙しく食事をとっている多くの人への注意喚起でもあるのかも。

つい「物が落ちる!」「トイレに行きたくなったらどうするんだ!」などと細かいことが気になるけど(ちなみにマナーとしてトイレなど済ませてから食事に臨む気持ちで、と製作者は言っている)、もっと気軽に、ちょっと笑ってしまうゲームのように使えば、何か新しい発見がありそうな気もする。

食事ではなく、単純にミーティングなどにどうだろうか。

物が乗ってなかったら、二人の共同作業はもっと単純。テーブルを落とさないようにするだけだ。それでも協力し合わないと危ないので、親交が深まるかもしれない。

ソロでは使えないところを逆手にとって、気になるあの娘と仲良くなるために……という使い方もアリ?

ちなみに使用者二人の身長の違い(ひざ下の長さの違い)は付属のクッションで調整するんだとか。

意味ある瞬間というものを探し続け、このテーブルを作ったTanyさん。彼女曰く、注意を払うことと楽しい気分は共存するらしい。お互いに注意を払って親交や愛情を深めて欲しいのとのこと。

いろいろ考えせられる作品なので、賛否ありそうなところも興味深い。

Sati Tala
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