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料理家と建築デザイナーが選んだ、昭和レトロな一軒家(三鷹)|みんなの部屋×東京R不動産

2017/02/23 22:00 投稿

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人気連載「みんなの部屋」vol.58。部屋づくりのアイデア、お気に入りの家具やアイテムなどの紹介を通して、リアルでさまざまな「暮らしの在り方」にフォーカスする。

今回は、新しい視点で不動産を探し、個性的な物件を数多く掲載している東京R不動産との特別コラボレーション版! 東京R不動産でレトロな一軒家を見つけた方の暮らしを紹介する。こんな暮らしがしたいと思った人は、記事末尾の賃貸物件情報をチェック!

新宿からJR中央線特別快速で13分に位置する三鷹市。都会と郊外の両面を持つ三鷹には、便利さと静寂が同居する不思議な魅力がある。この街に約1年前に移り住んできたのが、石橋直樹さんと平野智子さん。出張料理人/食卓デザイナーのご主人と、建築デザイナーの奥様が選んだ築60年の三鷹の家は、まるで祖父母の家を訪ねたときのような、懐かしさと優しさが漂っていた。

名前:石橋直樹さん 平野智子さん
職業:食卓デザイナー/出張料理人ニジノハシ代表(直樹さん) 建築デザイナーAtelierはな緒代表(智子さん)
場所:三鷹市
面積:76.72㎡
家賃:12万円程度
築年数:60年 定期貸家


お気に入りの場所

直樹さんにぴったり合うように改修したキッチン



大きな木製カウンターが鎮座するキッチン。シンク周りは料理人である直樹さんこだわりのオールステンレスの業務用だ。吊り棚以外は入居する際に改修を施している。背が高い直樹さんが作業しやすいよう、木製カウンターは少し高め。設計は智子さんが手がけ、天板には東京都檜原村産の杉が使われている。

カウンターの内側には、食器やカトラリーを収納。手持ちの食器を測ってぴったり収めている。限られたスペースを最大限に生かすことで動線をキープ。

改修前のキッチン

「もともとは普通のシステムキッチンだったのですが、調理するときの動線や調理器具の収納のしやすさなどを考慮して、妻につくり直してもらいました。通常販売しているシステムキッチンは低くて、腰を痛めてしまう料理人さんも多いんですよ(直樹さん)」

「キッチンって、ワークトップ(作業台)、シンク、コンロとオールワンタイプが一般的ですが、それだと細かいパーツを選ぶことができず、自分に最適なキッチンになりませんよね。ひとつひとつを分けて考えれば、オーダーメイド感覚のキッチンがつくれます。しかも、自分で探せば意外と安くできる利点もあるんですよ(智子さん)」

押入れを改装した収納とピアノ置き場


智子さんの嫁入り道具のピアノは、押入れだったスペースを改装して収納した。自然光がよく映えることを考慮して、引っ越し前に友人たちに手伝ってもらいながら塗った白い漆喰の壁が、部屋全体を明るくしている。

本棚はもともとあった飾り棚をそのまま使用。料理、建築、音楽、写真などさまざまなジャンルの本と、友人が作ったワインやアートも並ぶ。ふたりの大好きなものがつまった本棚は、人との出会いや交流を大切にするふたりの人柄が見えてくるよう。

一部レンガ貼りにDIYした壁


大工さんに施工してもらった耐火ボードに、2人でペンキを塗り、その上にレンガを貼ってDIYした。壁一部分を変えるだけでも、部屋の雰囲気はガラリと変わる。

レトロなタイル貼りの洗面台

「オーナーの了解をとればDIYが可能」な物件だったが、一目見て気に入り、どうしても残したかったのがタイル貼りの洗面台。ひねるとキュッと音がする蛇口からは、タイルを打つ滴の音が聞こえてきそう。

「古さや不便さを愛おしく感じる暮らしが、この家にあります。家の歴史の一部になっていることを実感しながら暮らしていますね(智子さん)」

この部屋に決めた理由

種採取用のトマトと干し野菜、果物の皮

東京R不動産で見つけたというこの家。智子さんは数多くの店舗・住宅設計を手がけてきたなかで、日本の暮らしについて考えられている昭和の家に強く惹かれていた。これまで集合住宅にしか住んだことがなかった直樹さんにとって、一戸建てでの暮らしは想像がつきづらいものだったが、暮らしてみると日本ならではの住宅のあり方がとても気に入ったという。

「暮らしのなかで四季を感じられ、自然と共存できる家に住みたいと考えていました。高気密高断熱の家は寒さや暑さをシャットアウトする構造ですが、昔の家は風の通り道がきちんと考えられています。夏は窓を開ければ心地よい風がスーッと通り抜けるから、エアコンを使わなくても快適に過ごすことができるんですよ(智子さん)」

「庭があることも決め手になりましたね。小さいんですけど、緑があるだけでホッとします。自給自足の生活とまではいきませんが、野菜やハーブはできるだけ自分の手で育てたい思いもあって(直樹さん)」

残念なところ

住み始めた当初ネズミがいたこと

「古い家なので、引っ越し当初は多分ネズミがいたみたいで、コトコト走る音がしていました。しばらくすると出て行ったのか、しなくなりましたね。気になる人は気になると思います……」

お気に入りのアイテム

檜原村産の杉で作ったテーブル


キッチンカウンターと同じ檜原村産の杉で作ったローテーブルも、智子さんが設計。ずっしりと重い大きな一枚板は脚部分に乗せているだけなので、いつでも動かすことができる。普段は横並びで食事をしているそうだ。

こだわりの土鍋や器


「これで炊くごはんは格別!」と直樹さんが太鼓判を押す土鍋は、陶芸家・田宮亜紀さんによるもの。

そばちょこのような器は、阿佐ヶ谷にある器とcafe ひねもすたりで購入した、小野徹平さん手作りのものだという。

「食材もそうですが、作り手の顔が見えるものを大切にしたいと思っています。地産地消ならぬ“友産友消”が理想ですね。それで今の仕事を始めたところもあります(直樹さん)」

Microplaneのグレーター


チーズをまるで粉雪のようにふわふわにおろすことができる、プロ愛用のMicroplaneのグレーター(おろし金)。ニンニクを削ったりオレンジやレモンの皮のすりおろしにも使えて、料理をワンランクアップさせてくれる。

ご実家や骨董市で見つけて活用している、ガラスの器や椅子、お茶箱




廃材から宝物を見つけるのが得意な智子さん。かつてご実家でメダカを飼っていた水槽は花瓶や小物入れ、シャンデリアの一部だったガラスの花びらはキャンドル立てとして。お茶箱には、乾物を入れている。アンティークな風合いがこの家にしっくりくる。

暮らしのアイデア

食器棚は、目に入る高さに置く器を工夫する


「一番目に触れる高さには、白いものやガラスの器を置くと、抜け感があって明るい印象になります。また、漆塗の器などは直射日光が当たらないところに置くようにしています(智子さん)」

これからの暮らし


「借りている家だから我慢をしよう」そんなあきらめはとてもさみしいことなのかもしれない。直樹さんと智子さんの暮らしには、古きを愛し、不便すらも楽しむ心の余裕がある。家の中にあふれる懐かしいもの、手づくりのものはきちんと、丁寧に暮らすライフスタイルそのもの。「理想のおうちごはんカルチャー」をつくるサポートをしている、出張料理人として活動されている直樹さんがつくる料理もまた同じ。

「僕はケータリングのほか、食卓の悩みを解決したり、おいしさの法則習得ワークショップを行っていますが、食べることは生きることに直結すると考えています。だから“ちゃんと”食べてほしい。食事はとりあえず空腹を満たすだけのものではなく、おいしいごはんが並ぶ毎日の食卓にこそ生きる幸せがあるのではないでしょうか(直樹さん)」

「まずは、庭にいろいろな植物を植えて、育てていきたいですね。引っ越し当初からハーブやイチゴを植えて、今やっと整ってきたところです。そして、あたたかな食事、好きなインテリアに包まれた暮らしをこれからもずっと守り続けていきたいですね(智子さん)」

庭につくった燻製器

三鷹に引っ越してちょうど1年。これからどう変わっていくのかはまだわからない。しかし、この先どこに移り住もうと”ふたりらしさ”は変わらないことだろう。誰でも気軽に訪ねて来られるスペースがほしかったというふたりの言葉通り、あまりの居心地のよさに時間が過ぎるのを忘れ、すっかりくつろいでいる自分がいた。

番外編:石橋邸で見つけた、昭和レトロなアイテムたち

白熱電球

あたたかみのある白熱電球。メリハリのある陰影が空間に奥行きを持たせている。

木製の雨戸


かつて、日本の暮らしは雨戸を開ける音とともに一日が始まり、茶の間を中心とする畳の上の生が営まれていた。その暮らしが今も息づいている。

タンブラスイッチ

今ではあまりお目にかかることがない「タンブラスイッチ」。スイッチをつまんだときのパチンという音が心地いい。

東京R不動産オススメ、あこがれのレトロ一軒家物件

洋館での日々(目黒)
懐かしの実家にすまう(成城)
家族のゆとり(大倉山)
昭和平屋住宅のすすめ(平和台) Photograghed by Yutaro Yamaguchi

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