学び、試行錯誤し、切磋琢磨する。そして、受け継ぐ。手仕事はそうやって、日本の文化を作り上げてきた。

そんな日本の素晴らしい手仕事の価値は、本当にうまく伝わっているのだろうか。

「日本の文化を、そのよさを国内外に発信する」ため、伝統文化の技を伝える職人さんとコラボレーションした製品を作るプロジェクトを始めたのが、エディットジャパンの坂元晃之さんだ。坂元さんは16歳で海外留学し、外資系企業で勤務を経て2015年に独立し、日本文化を海外に発信している。

そんな坂元さんのプロジェクト第1弾は「藍包丁」。徳島の藍染めと大阪の堺の刃物という2つの異なる分野の職人技から生まれたこの包丁は、それぞれのよさを活かしつつ、まったく新しいものとなっているのだそうだ。


徳島県は、もともと仏壇や木工家具などの木工芸と藍染めが有名だ。そこには布や衣服ではなく、木を藍染めするという徳島独特の発想と技術を持つ職人がおり、彼らだけがこのグラデーションを実現できるという。


600年の歴史を持ち、日本最大の刃物産地である大阪・堺。日本刀の技術を受け継いだ職人さんたちが作る刃物は本格的な切れ味を堪能できる。

2つの技術が掛け合わさることで、腐りづらいヒバと抗菌効果があるとされる藍染めで衛生的な柄を持ち、切れ味抜群の「藍包丁」が誕生した。


肉、魚、野菜など幅広い材料を切ることができる「三徳」


肉やスジなども切りやすい「牛刀」


刺身などを切るのにピッタリな「柳刃」

クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で資金調達を行い、見事目標を達成した注目のプロジェクト。

いままで包丁といえば、全体がステンレスで覆われた銀色、もしくは無垢の木を使った自然な雰囲気のどちらかというイメージが強いが、「藍包丁」は柄に使われている木の部分の藍染めに、いままでになかった美しさを感じる。

確かな職人技を感じることができ、機能性も兼ね備えた包丁は1つのプロジェクトで2つの産地の活性化を図ることもできる。試作の写真を海外のSNSに投稿したところ、数多くの海外シェフから問い合わせがあったそうだ。

元々ある素晴らしいもの。そこにアイデアを加え、新しい価値を与える。「藍包丁」は、きっと世界へ羽ばたいていくに違いない。

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