代表の寺尾玄さん曰く、最高のトーストの次は、日本人として「最高のごはんを」という思いで、開発が始まった。オーダーは土鍋よりおいしく炊けること。土鍋だとコンロを1つ占領してしまうのも気にかかり、炊飯器を制作したかったという。
「BALMUDA The Gohan」のためにデザインされたロゴ
開発期間は18ヶ月。開発チームはおいしいごはんの秘密を探り、一時は「高いお米がポイント」という結論に達して、冷凍ごはんと専用電子レンジを開発する誤った道へ進んでしまった。けれど、炊きたてのごはんのおいしさが何よりも至福であることを思い出し、再び舵を切り返しての調査・開発となった。そこで発見されたのが、新しいエネルギーの使い方。
二重釜による「蒸気」で炊きあげるテクノロジー
一般的においしいごはんと言われるものは、土鍋など直火で炊いたもの。ガスの火力に比べて1/3という電気のエネルギーで、どう土鍋のおいしさを超えるか考えてたどり着いたのは、釜を二重にして蒸気の力で焚きあげる独自の構造。
開発中、土鍋ごはんでは炊飯中に米が踊らず、貴重なエネルギーを運動に変えていないことに気がついた。蒸気炊飯は、米粒を動かさずにごはんを炊き上げる最適な方法だった。
釜を分厚くせず中空にして、金属釜と比較して数倍〜数十倍の断熱性を持つ蒸気だけで、うまみを閉じこめて米を炊き上げる。「BALMUDA The Toaster」同様、温度変化をコントロールする、専用の温度制御ヒーターも内蔵だ。100°Cを超えない自然な加熱で、米の表面を傷つけない。
そしてできたのが、外は張りがあり中はふっくら、粒が立ち香りが抜ける、最高の食事を実現するごはん。なによりも食事を引き立てるごはんなのだ。
特に寺尾さんのオススメは卵かけごはんやカレーだという。また、むしろ冷めたほうがすがすがしい香りがし、より粒立ちが際立つので、おにぎりにするのにもぴったり。
3号炊き、保温機能はナシ、なるべく早く混ぜ返そう
炊飯時は、二重釜の内釜に米と水、外釜に水のみを入れる。内釜はステンレス+フッ素コート、外釜はアルミ+フッ素コート+耐熱性樹脂。やはり炊きたてごはんがおいしいため保温機能はないが、二重釜の断熱性により1時間程度は温かいままだという。
炊けたら、なるべく早く混ぜ返すのがおいしい秘訣。食べきらない場合はおひつへ移し替えるか、冷凍保存しよう。
そしてバルミューダらしいこだわりが音。不快でない軽やかな「炊き上げ音」で、朝の目覚めを邪魔しない。
サイズは、蒸気炊飯に成功した最大サイズである3号炊きで、「BALMUDA The Toaster」よりも少し小さめサイズ。炊飯モードは白米、早炊き、玄米、炊き込みごはん、おかゆの5種類。白米炊きで、浸水込みで約60分、早滝は浸水を省いて約40分で炊き上がる。
色はホワイトとブラックの2色で、値段は41,500円(税別)、本日から予約受付開始で、2017年2月下旬出荷開始予定だ。
今後バルミューダは、電子レンジやコーヒーメーカー、そして今回のごはんに合うレトルトカレーを開発したいという。クリエイティブとテクノロジーの力で人々に素敵な体験を贈るバルミューダの今後の新製品から、目が離せなさそうだ。
BALMUDA The Gohan[バルミューダ]