パパだけでなくママや子どもたちも楽しめるイベントということで、2児の父である僕・ROOMIE編集部のHは娘のアヤと参加してきた。
「妻よ! 子どもを産んでくれてありがとう 子育ては俺に任せろ!」
そもそもスーパーダディ協会とは? 公式Webサイトに書かれた「妻よ! 子どもを産んでくれてありがとう 子育ては俺に任せろ!」という迫力ある文字に圧倒される。
スーパーダディ協会の発足は2014年。パパが積極的に、でもゆるくのんびり、しかも楽しく家事をする「ゆる=かじ(ゆる家事)」という新しいライフスタイルを推奨する、ママ友ならぬパパ友の集まりだ。Facebook上で交流しているSDAの仲間たちが得意分野を活かして集い、今回初のイベント開催となった。
「ゆる=かじ」とは、家に潤いを与えてくれるものらしい。うち、乾いてたっけ?
家事の証・エプロンが入場券代わり
入り口で参加費3,500円を支払うと、オリジナルのワークエプロンを渡される。これが入場券だ。ちなみにママと子どもは無料。帆布のエプロンには自由に色を塗ることができ、これが最初のワークショップとなっている。受付のすぐ隣のスペースでは、すでにたくさんの親子がペンキまみれになっていた。
というのも今回の開催場所は、東京・神奈川・兵庫にショールームを持ちペイント&カラーサポートのトータルコーディネートを手がけるカラーワークスのペイント用品の倉庫兼アトリエ。
人と環境に優しいペイントで、エプロンに色を塗ってみる
好きな色を筆にとって、入場券もといエプロンにペンキでペタペタ色を塗る。最初はとまどっていたアヤも、周りの子どもたちが無心に塗っている姿を見たらペタペタやりはじめた。
人と環境に優しいインテリアの内装用ペイント「Hip」の全1488色(!)の中からDIY用に39色をチョイスした「Hip mini」というペンキを使用した。
まずは真面目にスタッフの方の説明を聞いていたら「パパ、ちゃんと塗ってよ!」とアヤに怒られた。いただいたばかりの生成りの帆布のエプロンは、もうカラフルなキャンバスになっている。文字の枠なんかハミだしてるけど、いいんじゃないかな、枠にハマった生き方なんてしなくても。
ドアの塗装は下地作りが重要
ドア塗りの実演ワークショップも。リフォーム感覚で、内装用ペンキをローラーで塗り上げる作業は子どもにも大人気だ。ドアは下塗りが済ませてあるのだが、実際に家でやる場合は下地作りが重要だとスタッフの方が説明してくれた。なるほど、いきなり取りかかるのではなく、何事も下準備が大切。仕事のことを言われたみたいで、なんとなくすいませんっていう気分になった。
アヤに「やってみる?」と聞いたけど、エプロンの仕上げに夢中だった。
壁いっぱいにラク書きができるところも
特殊な塗料・カケルペイントを塗った壁は、黒板にお絵描きするみたいに落書きし放題。
塗装面にはチョークで落書きができて、水拭きすればきれいに消せる。何度も書いたり消したりできるので、飲食店のメニュー看板としてもよく使われる塗料だけれど、子ども部屋の壁や家族の連絡ボードに使ってもいいかもしれない。
「ねぇパパ、プリキュア描いて!」とアヤ。ごめんねパパ、ドラえもんしか描けなくて。
マジックショーもやってたりする
「マジックがはじまりますよー!」とアナウンスがあり、行ってみると「まほうつかい」という名札をつけたパパがモテジナ(テジナをきっかけにコミュニケーションを深め、みんなを笑顔にする)を実演中。かぶりついて食い入るように見つめる子どもたちのなかに、いつの間にかアヤが混じっていた。
コインが瞬間移動したり、スプーンが曲がったり、トランプを当てたり……その度に、子どもたちの歓声と、大人たちの感嘆の声が会場に響き渡る。最後に教えてもらったティッシュペーパーが消えるモテジナは、帰ったらママに披露しようと思う。
「魔法つかいKOJI」さんは現役のマジシャンでSDAのメンバー。この日は娘さんの「まじょ」と一緒。でも、まだ魔法は使えないそうだ。
主旨の「ゆる=かじ」だって、ちゃんと学ぶ
子どもが楽しむイベントばかりでなく、本企画の主旨である「ゆる=かじ」のワークショップもある。洗濯ソムリエの資格を持つ長谷川さんのアイロン掛け講座は、ママに任せきりだったアイロンがけを、自分でやってみようと思わせる内容。「マダムサイトウのアイロン台」とか、細かなキリが吹ける噴霧器など道具にこだわるあたり、男心がくすぐられる。
ママ、いつもアイロン掛けをありがとう。
デザインと機能が融合した、パパのための「ゆる=かじ」アイテム
1階の物販コーナーには、デザインと機能が融合した「ゆる=かじ」アイテムが並ぶ。ドイツ・ベルリンに実在するコインランドリー&カフェ「フレディ レック・ウォッシュサロン」がプロデュースする「フレディ・レック」のランドリーグッズは、高い実用性とシンプルなデザイン性を兼ね備えたコレクションで、ピンチやランドリーバスケットのほか、洗剤や柔軟剤まである。
洗濯をするときに聞く音楽のコンピレーションCDまでリリースされているのだ。
ビールの試飲だって、ワークショップですから
さっきまでコーヒーのドリッピングワークショップが開かれていたと思ったら、日が暮れてきた頃にはビールの試飲会が始まった。「ゆる=かじ」だから、合間にコーヒーを淹れたり、ビールを開けたりするのだって、全然アリだ。
ドラフトがおいしいグラス、ピルスナーがおいしいグラスなど、グラスによって風味が変わることを初体験。思わずグラスを購入してしまった。今夜はこれでビールを飲むために「ゆる=かじ」しちゃおうかな。
というわけで、次回も参加したいと思った「ゆる家事フェス」
このほかにも「キャンピングカーで誕生会をしよう!」という展示があったり、1階のカフェiki ESPRESSO TOKYOでは書籍『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』が話題となったTOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美さん、台所男子の会を主宰する文藝春秋社の編集者・柏原光太郎さん、SDA会長・高橋イチコーさんによるパパ弁当トークショーが開かれていたり、渡辺さんのライブもあったりと、盛りだくさん。
半日のイベントだったけど、途中で飽きることなく楽しめたのは、密度の濃い内容ならではだ。
アヤが途中で飽きたら、アイスでも食べに退場しようかと思ったのだけれど、そんな心配は無用だった。帰り道、アヤが「こんどはママも一緒に来ようね」。そうだね、家族みんなでまた来よう。今日から俺も「ゆる=かじ」頑張るから。
Photograghed by Megumi Uchiyama
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