秋の大型連休が終わり、ようやく普通の週末になりましたね。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。
夏休み、お盆休みときて、9月にも大型連休があると
何だか、遊んでばかりのような気がして、ちょっと罪悪感が残りますね。
(事務所はカレンダー通りなので、それほど遊んでいません)
でも、暑い時期に仕事をすると、エネルギー効率が悪いらしいので
そういった意味では、利にかなっているとも言えるのかもしれません。
さて、ここからが本題です。
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さて前回までは母親から父親との熟年離婚の相談を
持ちかけられた息子のことを紹介しました。
そして息子は父親が入所している老人ホームへ出向き、話をつけに行ったのですが
今回はその続きからです。
<家族構成>(すべて仮名)
藤谷勇(78歳)年金受給者
藤谷美智子(76歳)専業主婦
藤谷圭介(46歳)勇・美智子夫婦の長男(一人息子)会社員で妻と娘(15歳)の3人家族
圭介さんには聞き覚えのない声だったので、
食堂のドアを開けてみると、やはり、そこには
見覚えのない人間が2人、鎮座していたのです。
まず1人目ですが、紺のスーツをビシッと決めた
40歳前後の男性。スーツの上着を見ると徽章を
つけており、どうやらM証券の人間のようです。
バカ笑いの理由はどうやら昨今のアベノミクスの恩恵で
勇さんの所有株が軒並み値上がりしたからなのです。
「老人ホームに営業しに来るなんて、
どういう神経をしているんですか!」
圭介さんはそうやってと嗜めようとしたのですが、
どうやら証券会社の担当者が勝手に来たのではなく、
逆に勇さんが担当者を呼びつけたようなのです。
勇さんは株の運用でますます儲けようと企んでいるようですが、
さすがに勇さんが施設を抜け出して証券会社の支店に出向くことは
難しいので、担当者に施設へ来てもらったというわけ。
圭介さんが目を疑ったのは、
勇さんの手元にある貴重品の数々でした。
例えば、通帳や証書、実印や印鑑登録カード、
そして数十万の現金・・・
なぜなら、勇さんは脳梗塞で倒れ、救急車で運ばれてから
今日までの間、一度も自宅へ戻っていないはずです。
それなのにどうして?!
そして勇さんと同席していた、もう1人の人間ですが、
施設の制服を着た30代後半の男性で、左胸の名札を見てみると
肩書きは施設長のようです。
「親族でもない、証券会社の人間を立ち入らせるなんておかしでしょ!
何かあったらどうするんですか!!」
圭介さんが施設長に詰め寄ったところ、あっさりボロを出したのです。
「藤谷さん(勇さんのこと)に『いろいろ』頼まれて仕方なく・・・」
施設長の一言で圭介さんはピンときたそうです。
きっと勇さんが施設長に「召使」に仕立て上げて指図したに
違いない、と。
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具体的には施設長へ自宅のスペアキーの在り処
(植木の土を掘り返したところ)を教え、施設長を自宅に向かわせ、
貴重品を持ち出し、そしてキャッシュカードの暗証番号を教え、
ATMで数十万円を引き出した上で施設に戻り、
勇さんへ一切合財を届けたという手順です。
そもそも施設には多数の入居者がいるにも関わらず、
たった1人の入居者を特別扱いするのもおかしいですし、
自宅への立ち入り、貴重品を持ち出し、
そしてお金の引き出しなどの行為は勇さんが
元気すぎるほど元気なので看過されていますが、
もしも認知症の高齢者だったらどうでしょう。
「何も任せた覚えはない。勝手に家に入ったり、
通帳や実印を持ち出したり、口座から出金したりして、
どういうことなんだ!そういえば、証書が1つ足りないし、
お金に不足しているけれど、お前がチョンボしたんじゃないのか?」
万が一、本人がそんなふうにトボけたら大変なことです。
このように一歩、間違えれば、災いの火の粉は自分(施設長)に
降りかかってくるのだから、本来、一入居者のわがままは
甘受してはいけないのです。それなのに施設長は軽い気持ちで
安請負したのだから、圭介さんが激怒するのも無理はありません。
「勝手なマネをしないで欲しい。そちらさんのコンプラは一体、
どうなっているだ!もし、トラブルが起こったら、
あんた達は責任をとれるのか?ええ!」
このエピソードから明らかになったのは、
勇さんの「お金」に対する並々ならぬ執着心。
そして手持ちの財産を少しでも増やそうとする向上心、
増やしたいという野心、言葉尻からにじみ出る強かさ・・・
そもそも外野(圭介さん)から見れば首をかしげざるを
得ませんでした。
なぜなら、勇さんはすでに齢78歳で、過去に3回、
脳梗塞で倒れているのだから、自分の身にいつ何があっても
不思議はないのだから。
勇さんの人生に残された時間は少なく、また常識的に考えて
お金はあの世に持って行けないのだから、いい加減、
「お金>時間」から「お金<時間」に切り替わり、
時間を大事にし、お金のことを気にせず、余生を過ごしても
良さそうなものですが、
内野(勇さん)では今だに「お金>時間」のまま。
この期に及んで財テクに励み、財産をさらに積み上げようと
しているのだから、はじめから勇さんには
ネジが1本、2本、抜け落ちているのでしょう。
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「お金をそんなに貯めこんで一体、
何に使うつもりなのでしょうか?」
私は甚だ疑問を持たざるを得ませんでした。
そもそも勇さんは現在、施設に入所中で自由な外出を
許されない身なのに・・・です。
圭介さんいわく、勇さんは「使う」という発想は持ち合わせておらず、
とにかく「残高が多ければ多いほど嬉しい」という、
およそ常人には計り知れない異常性格の持ち主だそうです。
そのような「お金の魔力に憑りつかれた魔物」だからこそ、
喜寿も間近なのに妻に見捨てられたのでしょうが。
圭介さんは勇さんの「銭ゲバ」には、
もはやあきらめの境地だそうです。
『「とにかく、金・金・金!」そういうところは
昔から全く変わりませんよ。
まぁ、散財しているわけではなく、
ただ単に貯めこんでいるだけなので、
まだマシですが・・・』
このように勇さん、証券外務員、そして施設長の3人が
あろうことか介護施設の食堂を貸切状態にして「金儲け」の話で
盛り上がっていたのですが、
遅かれ早かれ「父との直談判」は避けて通れないので、
圭介さんはとりあえず、他の2人には席を外させて、
勇さんと2人きりにしてもらった後、
ダメ元でやってみたそうです。
(次回に続く)
現在私が執筆しているダイヤモンドオンラインの連載
『実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」』ですが
おかげ様で本日、14回目が公開されました。
今回は『給料1000万ダウンも…
男の仕事をダメにする“しくじり婚”』です。
男性はもちろん、夫の作戦を守って知りたいという女性にも
役立つ内容です。立場を逆にすれば、きっと応用できるはず?!
相談者103人に対して聞き取り調査を行った上で執筆した力作です。
三連休で遊び疲れる前に、ぜひぜひご覧いただければ嬉しいです。
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